Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

師匠のコンサート。

2009-11-13 03:00:55 | アメリカ生活雑感
2ヶ月ほど前から、約10年ぶりにまたJazzピアノを習い始めた。
本当はもっと早く再開したかったのだけれど、誰にどうコンタクトをとればいいのか情報がつかめないまま、ずっとのろのろとしていた。

子どもの頃、将来の夢はJazzピアニストになることだった。
ピアノが大好きだったけれど、譜面どおりにしか弾くことを許されないクラシックが自分に合っていないとわかってから妙につまらなくなってしまった。
もっと自由に感じるままに弾きたかった。
そんなとき、Jazzという譜面に束縛されない音楽を知った。
でも、クラブ活動に受験・・と10代の多忙な日々のなかにこの夢はうずもれていった。

30を過ぎてお金と時間の余裕ができたとき、その夢をやっと掘りおこしにいった。
自由奔放だと思っていたJazzの、その奥深さを知りますますはまっていった矢先、今度は東京に2度目の転勤・・・。
いつしかまた、ピアノから遠ざかってしまっていた。


そしてまたまた月日は流れ。
この夏、地元のJazz人脈を広げるために受けてみたヴォーカル・キャンプ
この主催者であるJazzヴォーカリスト、ジャニスにさっそく「誰かいいピアノの先生いませんか?」と相談したところ、彼女が紹介してくれたのがフランク先生。
実はキャンプのオーディションのときに歌伴をしてくれたのがこのフランクだった。
彼は現在、ジャニスと同じく隣町の“ノース・セントラル・カレッジ”でJazz講師を勤めている。

実はこのお方、シカゴ・シンフォニー、カウント・ベイシーやデューク・エリントン楽団をはじめ、ビリー・ジョエルなどのPOP歌手との競演や、過去にはあのルチアーノ・パバロッティのシカゴ公演での伴奏をつとめたこともある、知る人ぞ知るシカゴでも超一流のピアニスト。
彼の自宅がうちから比較的近いこともあって、月に2回レッスンを受けることになったのが9月のこと。
いかにもイタリアン(の血をひく)だけあって、おおらかで温かいお人柄。
私が何を目指しているのかを話すと、たちまちすべてを察してくれてさっそくそれに見合ったレッスンを始めてくれた。
テクニックを植えつけるのではなく、音楽をやる上で大切なこと(精神論も)をきちんと語ってくれ、くじけそうになる私を励ましつつ、どんな質問にも即座にわかりやすく答えてくれる、理想的な先生だ。

彼にめぐりあえて、再び私の中のピアノ熱に火がついた。
何年先になろうが、決してくじけずに目標に向かって一歩一歩がんばっていこうと思う。



Frank Caruso

★★

今日はそのフランク先生のコンサート。
同じJazz Camp仲間だったエミリアと彼女のご主人と待ち合わせ、早い夕食を共にしたあと大学付属のコンサトー・ホールへ。
ここは、あのJazzキャンプの最終日に私たちが“卒業コンサート”をした懐かしい場所だ。

今日の編成は、ピアノ・ドラム・ベースというシンプルなトリオ。
そして曲目は主にビル・エヴァンスやオスカー・ピーターソンのナンバーから。
あの太い指からは想像できない、目にもとまらぬ速さのなめらかな旋律、不思議でかつ深く心地よい独特のJazzコードがコンサート会場を包みこみ、曲がおわるために観客がため息をつく。


こんな素晴らしい講師にピアノを教わることができる、ここの大学の生徒たちは本当に幸せ者だ。

Comments (2)
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