Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

大人の女の歌声~アニタ・ベイカー~(ラビニア・フェスティバル)

2012-08-27 10:36:43 | アメリカ生活雑感
毎年夏恒例のラビニア・フェスティバルに行ってきた。
6月から9月までの3か月、ほぼ毎日繰り広げられる、野外の音楽フェスティバルだ。

何が好きかって、広々とした公園の緑に包まれて大好きな音楽を楽しめること。
しかもローン(芝生)席は安いし、ピクニック自由。
ワインを飲み、おいしい食事に舌鼓をうちながら何時間もだらだらと好きな時間をすごせるのだ。

もうここに通い出して4年になる。
第1回目
第2回目
第3回目
第4回目


こうやって見てくると、今ではすっかり道具も揃い「ラビニア支度」も慣れたものだ。


そして今年。
一本に絞ったのが、ソウルシンガー、アニタ・ベイカー。
彼女の歌を初めて聴いたのは、まだ20代初めの頃だった。
よく行くレンタルレコード屋のおすすめのコーナーに、こんなコピーと共に紹介されていた。

「大人の女を教えてあげる。」


衝撃だった。まさに、大人の女を感じさせる甘くて深い声。内面から湧き出るような情感・・・。
今私が歌っているのも、彼女の影響が大きい。


午後7時半からの開演だったが、渋滞を考慮して5時には家を出発。
案の定、ハイウェイを降りてから駐車場にたどり着くまで45分。やっとのことで車を停め、シャトルバスで会場にたどり着いたらもう7時を回っていた。
芝生はどこも人で埋め尽くされていて、まさに立錐の余地もない。こんなのは今までの経験で初めてだった。

やっとちょっとの隙間をみつけ、すみませ~んと入らせてもらい、敷布を広げてテーブルをセッティング、ようやく落ち着く。




 

今日の献立は、冷蔵庫にあったものを送ざらえしただけのシンプルメニュー。
・ちりめん山椒おにぎり
・ゆで鶏とレンコンと赤ピーマンのピリ辛炒め
・庭のゴーヤサラダ
・サクラエビ入り出汁巻き卵
・食後のぶどう
and 赤ワイン、ビール、炭酸水


今日は久々に30℃超えの真夏日になったけれど、陽が沈む頃にはからっとした風が吹き始めて幾分涼しく感じられた。
ショーが始まる前のディナータイムを味わいながら、「ああ、今年もここに来れたんだ」とうれしさが込み上げてきた。


 


それにしてもこの日の人の入りは壮絶。見渡す限り人・人・人・・・・。いったい何万人いるんだろう?
特に今日は、黒人R&B&ソウルシンガー、アニタ・ベイカーのショーということもあって、その90%は黒人だ。
これだけの黒人に囲まれたのは生まれて初めてかもしれない。
彼らは底抜けに陽気で、ショーが始まる前からすっかりハイテンション。




そうこうするうちにあたりはだんだんと暗くなり始め、各テーブルにはろうそくの火が灯り始めた。




30分遅れでいよいよショーが開幕。
のっけから『Sweet Love』を聴いて、もう涙はらはら。
ここでこうして大好きなラビニアで彼女の歌を聴ける幸せ・・・今年の初めは想像だにできなかった。
Pちゃんの仕事やビザの問題を抱えて、本当につらい日々だったあの頃を思うと、私は今なんて幸せなんだろう。
前半はよくがんばったね、と神様からギフトをもらった気がする。


3曲目くらいから私はもう座っていられない。公園の中をぐるぐる歩きながらいろんな場所で彼女の歌声に酔いしれ、一人でステップを踏み、この幸せを全身にかみしめていた。

ステージ席は全席指定なので、ステージが見える後方でじっと見つめていたら、ある女性が「私はもう帰るからチケットあげるわ」といって指定席のチケットをくれた。
わー、ありがとう!
そしてステージ右側の席に腰を下ろして、後半のナンバーを堪能させてもらった。

大好きなアルバム「Rapture」から「Sweet Love」「Caught Up In The Rapture」「Mystery 」、そして「Angel」など名曲の数々を熱唱。会場も一緒に歌う。

 
(新兵器「CANNON EOS KISS5」で撮った画像。望遠、なかなかいいぞ!)

あんなに華奢でキレイだったのに、この20年でやっぱりたっぷりと太っていた。
オプラ・ウィンフリーかと思った。。。



★ ★

しかし、そのあととんだ悪夢が待っていた。
ショーが終わったのが10時すぎ。この記録的な入りのお客さんが一斉に帰るのだからたまったもんじゃない。
駐車場までのシャトルバスを待つのに長蛇の列。並ぶこと約2時間!!!!!!!!
やっと駐車場にたどり着いたら日にちが変わっていた。
それから約1時間の運転(Pちゃんご苦労様・・・)で、家に着いたらもう1時をまわっていてふたりともぐったり。

交通整理をしていた警官は他人事のように「こんな人は見たことないねえ。60年代のビートルズ以来じゃないか?27000人だって。何しろ主催者は売り切れの上にさらにチケット売りまくったらしいからね。はっはっはっ」
笑い事じゃねーだろ!
絶対文句いってやる。
先週のトニー・ベネットも満席だったけどこれほどの扱いは受けなかったらしい。だってそのときの客層はほぼ白人、それも裕福なシニアが多かったから。
これは差別だ!



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