①倍賞美津子「恋の芽生え」(1969.6)
私にとって倍賞美津子は “猪木の元嫁さんで、一時期めっちゃCMに出ていた女優” という認識で、何よりも松田優作の「探偵物語」に女弁護士役で準レギュラーとして出演していた “ボインのマサ子ちゃん” のイメージが強かった。ところが昭和歌謡のレコードを集めていた時に日本橋の「ナカ」でこのシングル「恋の芽生え」を偶然見つけて “倍賞美津子ってレコードも出してたんか...” と驚かされ、“買ってぇ~♡” と訴えかけてくる視線に魅かれてジャケ買いし、実際に聴いてみるとジャケットどうりの肉感的なフェロモン歌謡、しかも曲自体のクオリティーも高くて大喜び(^o^)丿 B面の「耳を噛まずに」(←伊東ゆかりの「小指の思い出」といい、この曲といい、60年代の歌謡曲の歌詞ってヤバないですか?)も雰囲気抜群で、スケベな昭和歌謡ファンには必携の1枚だと思う。
倍賞美津子 恋の芽生え
②渥美マリ「好きよ愛して」(1970.10)
渥美マリは大映の「でんきくらげ」「しびれくらげ」「夜のいそぎんちゃく」(←凄いタイトルwww)といった “軟体動物シリーズ” 映画に主演した女優さんで、日本初のヌードジャケット・レコードとして中古市場で人気の高い「可愛い悪魔」(←何と橋本淳=筒美京平コンビです!)が有名だが、中村泰士作曲の2ndシングル「好きよ愛して」も負けず劣らずの名曲名唱で、フェロモンをまき散らしながら “好っきよ 好き好き 愛してぇ~♪” と歌う様はさすが “大映ハレンチ五人娘” と呼ばれただけのことはあるなぁと実感。エンディングの “アア~ン 愛してぇ~♪” もたまらんたまらん(≧▽≦)
渥美マリ 好きよ愛して
③木の実ナナ「セクシカ」(1971.4)
木の実ナナは60年代ならコミカルな「ミニミニロック」、70年代なら「探偵物語」で効果的に使われてた「うぬぼれワルツ」ぐらいしか知らなかったので、70年代初めにリリースされたというこの「セクシカ」を聴いた時はホンマにビックリした。この曲はマレーネ・ディートリッヒの「リリー・マルレーン」を日本語でカヴァーした「悲しい道」というシングルのB面にひっそりと(?)収められていたのだが、クニ河内が書いた “指と指 口と口 胸と胸 髪と髪... 私の中にあなたがいるぅ~♪”“今二人 一つなの~♪” という火の玉ストレートな歌詞を失速寸前のスロー・テンポで歌うというエロ歌謡のインパクトが絶大で、どうしてもこっちの面ばかり聴いてしまう... 人に聞かれると恥しいので小音量でだが... 歌のイメージを見事に表現したセクシーなジャケ写も最高だ(^o^)丿
ナナ / セクシカ
④山内えみこ「熊ん蜂」(1974.9)
何年か前にコロムビア、クラウン、キング、テイチク、ビクター、東芝の音源から選りすぐりのフェロモン歌謡を集めた「魅惑のムード☆秘宝館」という6枚組CDボックスを買ったことがあって、全108曲の中で最も気に入った曲の一つが山内えみこの「熊ん蜂」だった。出だしはごく普通のアイドル・ポップスっぽいのだが、歌詞を聞いていくと “刺されたの私... 抱かれたの私...”から “抜いちゃイヤ... 甘い針... こんな幸せ初めてよ..♡” と、その行為をモロに連想させる隠喩表現が出てきて思わずニヤリとさせられる。 “お返しをさせてね... 雨がやむまでは...” “きっとまた誰かの蜜をすするのね...” という、聴き手の想像力を逞しくさせてしまうスケベな歌詞を甘~い歌声でコーティングしたフェロモン歌謡の大傑作だ。
山内えみこ 熊ん蜂