前回の「Abbey Road」聴き比べではOZブラッド・ステイン・カヴァー盤が文句なしの№1で、肝心のUK盤は Left AppleカヴァーにもかかわらずOZ盤はおろかノルウェー盤やNZ盤の後塵を拝するという有様。ただ、その時思ったのはUKマザーでプレス枚数の思い切り少ない豪州/北欧盤の超初期プレスとUKのスタンパー3桁盤を比べるのはフェアじゃないのではないかということ。例えるなら、新品エンジンの車と数レース走った後の中古エンジンの車でレースをするようなもの。そういうワケで、その日は “どっかにUK「Abbey Road」のスタンパー1桁盤売ってへんかなぁ...” と思いながら帰途に就いた。
家に帰ってひとっ風呂浴び、気分をリフレッシュさせてからいつものようにパソコンを立ち上げてレコード検索を開始。しかしいくら探してみても「Abbey Road」の1G盤など出てこない。まぁ当然と言えば当然か。そこで試しに「Abbey Road / スタンパー」でググってみたところ、そのほとんどが3桁の盤で、たまに片面1桁の盤があっても裏面がマザー5でスタンパー3桁とか、そういう中途半端な盤ばかりだ。その時ふと “1Gに限定せずに 1Rや1Aなど、もうちょっと検索の幅を広げてみたらどうやろ?” と思い立った。Sさんも仰っていたが、2桁のブツでもかなりレアなのだ。両面1Gに拘っていてはいつ手に入るか分かったものではない。スタンパー1桁の盤が手に入れば御の字と考えるべきだろう。
と言うわけで、1G ⇒1R⇒1A⇒1M⇒1O⇒1Pと順に検索していったところ(←他にすることないんか...)、ラッキーなことに“1H” 盤が1枚ヒット。やったー!と小躍りしながら商品説明を見ると、A面 1H / B面 2GL で盤質はNMとのこと。B面の2桁もGL、つまり12番目ということだからほとんど1桁みたいなモンである。何よりも手持ちの3桁盤(3MPG/5APM)とは雲泥の差だ。コレはいただき!とばかりに速攻でオファーしたところ、すんなりOKが出てその場で交渉成立。時計を見ると夜中の3時半で、“スタンパー1桁のUK盤が欲しいなぁ...” と言ってB-SELSを出てからまだ7時間しか経っていなかった。
それから8日後、ちょうど3連休の最終日で家でゴロゴロしていた私の元にレコードが届いた。盤もジャケットも説明通りピッカピカだし、もちろんマザー/スタンパーも説明通りの 1H/2GLだ。私は一体どんな音がするのだろうとワクワクドキドキしながらレコードに針を落とした。
スピーカーから出てきたのは実に自然な、それでいてスケールの大きい雄大なサウンドで、音質を云々するのがアホらしくなるくらいの豊饒な音世界がリスニングルームに現れた。大袈裟ではなく、「Abbey Road」の豊かな音楽性をこれほど見事に表現するレコードを私は他に知らない。盤は無傷だが音溝に入り込んだ細かいゴミが少しチリチリいっていたのでいつものようにコニシのボンドでクリーニングしたところ、ほぼノイズレスでの「Abbey Road」再生が可能になり大喜び(^o^)丿 それにしても同じマトなのにスタンパー1桁と3桁でこれほどの違いが出るとは思わなんだ。やっぱりアナログ・オーディオは奥が深い。とにかくこれは現チャンピオンのOZ盤に勝るとも劣らない素晴らしい音質だ。これは是非ともSさんにも聴いてもらわねばと思い、届いたばかりの2019ニュー・リミックスLPと一緒にB-SELSに持ち込んだ。果たしてSさんはどんな反応を示されるだろうか... (つづく)
家に帰ってひとっ風呂浴び、気分をリフレッシュさせてからいつものようにパソコンを立ち上げてレコード検索を開始。しかしいくら探してみても「Abbey Road」の1G盤など出てこない。まぁ当然と言えば当然か。そこで試しに「Abbey Road / スタンパー」でググってみたところ、そのほとんどが3桁の盤で、たまに片面1桁の盤があっても裏面がマザー5でスタンパー3桁とか、そういう中途半端な盤ばかりだ。その時ふと “1Gに限定せずに 1Rや1Aなど、もうちょっと検索の幅を広げてみたらどうやろ?” と思い立った。Sさんも仰っていたが、2桁のブツでもかなりレアなのだ。両面1Gに拘っていてはいつ手に入るか分かったものではない。スタンパー1桁の盤が手に入れば御の字と考えるべきだろう。
と言うわけで、1G ⇒1R⇒1A⇒1M⇒1O⇒1Pと順に検索していったところ(←他にすることないんか...)、ラッキーなことに“1H” 盤が1枚ヒット。やったー!と小躍りしながら商品説明を見ると、A面 1H / B面 2GL で盤質はNMとのこと。B面の2桁もGL、つまり12番目ということだからほとんど1桁みたいなモンである。何よりも手持ちの3桁盤(3MPG/5APM)とは雲泥の差だ。コレはいただき!とばかりに速攻でオファーしたところ、すんなりOKが出てその場で交渉成立。時計を見ると夜中の3時半で、“スタンパー1桁のUK盤が欲しいなぁ...” と言ってB-SELSを出てからまだ7時間しか経っていなかった。
それから8日後、ちょうど3連休の最終日で家でゴロゴロしていた私の元にレコードが届いた。盤もジャケットも説明通りピッカピカだし、もちろんマザー/スタンパーも説明通りの 1H/2GLだ。私は一体どんな音がするのだろうとワクワクドキドキしながらレコードに針を落とした。
スピーカーから出てきたのは実に自然な、それでいてスケールの大きい雄大なサウンドで、音質を云々するのがアホらしくなるくらいの豊饒な音世界がリスニングルームに現れた。大袈裟ではなく、「Abbey Road」の豊かな音楽性をこれほど見事に表現するレコードを私は他に知らない。盤は無傷だが音溝に入り込んだ細かいゴミが少しチリチリいっていたのでいつものようにコニシのボンドでクリーニングしたところ、ほぼノイズレスでの「Abbey Road」再生が可能になり大喜び(^o^)丿 それにしても同じマトなのにスタンパー1桁と3桁でこれほどの違いが出るとは思わなんだ。やっぱりアナログ・オーディオは奥が深い。とにかくこれは現チャンピオンのOZ盤に勝るとも劣らない素晴らしい音質だ。これは是非ともSさんにも聴いてもらわねばと思い、届いたばかりの2019ニュー・リミックスLPと一緒にB-SELSに持ち込んだ。果たしてSさんはどんな反応を示されるだろうか... (つづく)