私は Discogsに載っていたレーベル写真をそれぞれプリントアウトし、レコードと一緒に B-SELS に持ち込んだ。開口一番 “ジョンの「Imagine」のインド盤を手に入れたんですけど、興味あります?” と訊くと “そりゃあ、普通にあります(笑)” と Sさん。それではということで持参したレーベル写真をお見せすると “ほぅほぅほぅ...” と好奇心に火がついたご様子だ。次にレコード盤をお見せして私が読めなかった B面マト末尾のアルファベットの解読をお願いしたが “これはちょっと... どうなんでしょうねぇ...” と仰ったきりしばし無言。“Ri にも見えるし、そもそも活字が潰れてませんか、これ?” と私。結局解読不能ということで、今度は実際に音を聴いてもらうことにした。
まずは A面。微動だにせずにじっと目をつむって聴いておられたが、A①②③と聴き進んで A④に入り、“これは良い音ですねぇ。音の響きがホントにキレイです。曲の途中で針を上げる気になりませんね...”と大絶賛された。 “でしょう? でも問題は B面なんですよ。ぜひ感想を聞かせて下さい。” と私。さぁ、いよいよ問題の B面に突入だ。
B①「Give Me Some Truth」が始まってじっと無言で聴いておられた Sさんがしばらくして重い口を開かれた。 “あぁ、これはダメですね。音が濁ってる...”。B③「How Do You Sleep」では私がしたのと同様に盤面の埃をチェックされたのを見て “私も家で同じことしましてん。” と大笑い。更に B⑤「Oh Yoko」に至っては “エンジニアがよぉこんな音でOK出しましたね...” と呆れ顔。 “インド人もビックリですわ!”(←わかる人にはわかるネタ...)と私。尚、後日2回目に持っていった時はB面単独で聴いたせいか1回目の時よりはマシに聞こえたものの、それでもやはり平均点以下の音であることに変わりはない。
両面を聴き終えたところで私が3枚の写真を指して “これ、どういう順番で出たんでしょうね?” と意見を求めると、お店にあったUK盤のレーベル・デザインと比較しながら “最初はUKマザーでしょうから 1U盤のどちらかが 1stプレスでしょうね。印字が潰れてる方の盤は、ひょっとすると予定より多くプレスしすぎたんとちゃいますか? それで音がビリついてるのかもしれませんね。で、最後がこの枝番なしの、新しい番号がついたヤツやと思います。ほら、33 & 1/3 の分数の表記方法がこれだけ違ってるでしょ?” とのこと。う~ん、確かに。さすがは何百枚何千枚というレーベルをチェックしてこられた “レコードのプロ” である。やっぱり目の付け所が違いますわ。
ということで、プレスされた順番まではほぼ特定できたのだが、気になるのはそれぞれの音である。因みに「アナログ・ミステリー・ツアー」で音を絶賛されていたのは枝番なしのレイター・プレスだ。Sさんが残りの盤を指さされて “全部聴いてみないと何とも言えないですけどね。” と仰ったので “実は2枚とも、もうオーダー済みでして、ちょうど今頃日本に向かって海の上を飛んでるはずですわ。こーなったら徹底的に調べたろ、って思うとりますねん。” と言うと Sさんは目を輝かせながら “届いたら是非聴かせて下さい。” とのこと。そんなん言われんでも持って来ますがな(笑)
結局この日の「Imagine」研究はこれにて一応終了。家に帰って例の分数の “括線” 表記について手持ちのインド盤を片っ端から調べていったところ、“横線”⇒“斜線” の分水嶺はジョンの「Shaved Fish」とジョージの「The Best Of George Harrison」だったので、上記のレイター・プレス盤はちょうどインド盤のレーベルがイエロー・パーロフォンに切り替わった1976年以降に作られたものだと推測できた。何だか考古学者にでもなったような気分だ(笑)
(つづく)
まずは A面。微動だにせずにじっと目をつむって聴いておられたが、A①②③と聴き進んで A④に入り、“これは良い音ですねぇ。音の響きがホントにキレイです。曲の途中で針を上げる気になりませんね...”と大絶賛された。 “でしょう? でも問題は B面なんですよ。ぜひ感想を聞かせて下さい。” と私。さぁ、いよいよ問題の B面に突入だ。
B①「Give Me Some Truth」が始まってじっと無言で聴いておられた Sさんがしばらくして重い口を開かれた。 “あぁ、これはダメですね。音が濁ってる...”。B③「How Do You Sleep」では私がしたのと同様に盤面の埃をチェックされたのを見て “私も家で同じことしましてん。” と大笑い。更に B⑤「Oh Yoko」に至っては “エンジニアがよぉこんな音でOK出しましたね...” と呆れ顔。 “インド人もビックリですわ!”(←わかる人にはわかるネタ...)と私。尚、後日2回目に持っていった時はB面単独で聴いたせいか1回目の時よりはマシに聞こえたものの、それでもやはり平均点以下の音であることに変わりはない。
両面を聴き終えたところで私が3枚の写真を指して “これ、どういう順番で出たんでしょうね?” と意見を求めると、お店にあったUK盤のレーベル・デザインと比較しながら “最初はUKマザーでしょうから 1U盤のどちらかが 1stプレスでしょうね。印字が潰れてる方の盤は、ひょっとすると予定より多くプレスしすぎたんとちゃいますか? それで音がビリついてるのかもしれませんね。で、最後がこの枝番なしの、新しい番号がついたヤツやと思います。ほら、33 & 1/3 の分数の表記方法がこれだけ違ってるでしょ?” とのこと。う~ん、確かに。さすがは何百枚何千枚というレーベルをチェックしてこられた “レコードのプロ” である。やっぱり目の付け所が違いますわ。
ということで、プレスされた順番まではほぼ特定できたのだが、気になるのはそれぞれの音である。因みに「アナログ・ミステリー・ツアー」で音を絶賛されていたのは枝番なしのレイター・プレスだ。Sさんが残りの盤を指さされて “全部聴いてみないと何とも言えないですけどね。” と仰ったので “実は2枚とも、もうオーダー済みでして、ちょうど今頃日本に向かって海の上を飛んでるはずですわ。こーなったら徹底的に調べたろ、って思うとりますねん。” と言うと Sさんは目を輝かせながら “届いたら是非聴かせて下さい。” とのこと。そんなん言われんでも持って来ますがな(笑)
結局この日の「Imagine」研究はこれにて一応終了。家に帰って例の分数の “括線” 表記について手持ちのインド盤を片っ端から調べていったところ、“横線”⇒“斜線” の分水嶺はジョンの「Shaved Fish」とジョージの「The Best Of George Harrison」だったので、上記のレイター・プレス盤はちょうどインド盤のレーベルがイエロー・パーロフォンに切り替わった1976年以降に作られたものだと推測できた。何だか考古学者にでもなったような気分だ(笑)
(つづく)