津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「阿部茶事談」(29)釈文

2020-01-31 14:39:46 | 史料

29        ける尓阿部一家刑人と成てハ又七郎夫婦も心の
         外尓疎々敷過けるか又七郎妻女尓向ひて此
         度阿部一類刑人と成てハ憚り有て我等ハ忍ひ
         ても問ひかたし女の事ハ御咎も有まし夜更
         人静て忍ひやかに問ひ給へ彼等一家滅亡近き
         可あり妻女聞えて実も常々馴染わりなく
         語りし尓 いと阿王れ尓古そたへ問ひ見■本しく   
         思ひしか其上を憚り過せし尓苦しかるまし
         と思ひ給ハヽひそか尓幼者共を慰めんと其夜
         阿部か元尓至り物語り時を移せハ阿部其外家
         内の者歓び世ハ春なから我等一類ハ御咎の身
         と成秋の露と劔下尓消ぬへし 今更歎き
         てもかへらぬこと也 無跡御吊ひ頼参らすと袂
         をぞ志■ける 既尓二月廿二日討手向ふと聞へ
         けれハ又七郎ハ今度討手の外ハ己か家々を
         堅め火災を慎み可有尊命なれ共馳向ふ
         人々の働を余所尓見んも本いなしと数年
         手練の鑓を提廿日の夜人静りて阿部か境
         の垣縄を切置て廿一日未明尓討手の面々阿
         部か屋敷尓押入と一同尓件の垣を踏破り兼
         而案内ハ知たり屋敷の内何ク尓か兄弟ハ阿り
         やらんと尋し尓弥五兵衛下人を下知して臺所

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