一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

彼岸花

2018-09-30 08:18:49 | 雑記


       彼岸花を見ると
       新見南吉の童話「ごんぎつね」を思い出す。

       いたづらでウナギを盗んだ子ギツネごんが
       村の葬式に行き会う場面だ。

       墓地に火炎に似た花が
       「赤い布のように咲き続」き、
       葬列が去った後、
       踏み折られている。

       ごんは後悔する。
       ウナギなんか盗むんじゃなかった。
     
       だが、ごんはその後もいたずらを続け、
       撃たれてしまう。

       倒れた彼岸花は、
       哀れな最後の予兆でもあったのだ。


       私の子どもの頃も、
       彼岸花は墓地に多く咲いていて、
       不吉なものとされ、
       ヘビ花とも呼ばれていた。

       それがどうだろう。

       昨今では
       朱色だけでなく、白、黄色、ピンクと園芸種が
       増え、みんなに愛されている。

       よく見ると、繊細でとても美しい。
       自然というものは、
       どうしてこんなに芸術的な花をつくり給うことか、
       とため息が出るほどである。

       聞くところによると、
       花屋さんには球根も売っているそうだから、
       庭に植える人もいるのだろう。

       歌だけでなく、
       言葉も、
       花の見方も、
       世の移り変わりとともに
       変わるのである。

   
       ※ 通りかかったお寺の空地で見た彼岸花
       

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