一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

変わるもの、変わらないもの

2011-05-03 19:48:09 | 雑記



     前回掲載した写真の説明が間違っていたので
     訂正します。
     前回の写真で、2本の木の向こうに見えるのは
     「海」ではなく「阿武隈山脈」でした。
     この写真でいうと、白い車の向こうが「海」
     になります。

     2枚とも荒涼とした光景に変わりはなく、どち
     らでもよさそうなものだが、現地を知ってい
     る者にとっては大事なことなのでしっかりと
     訂正しておきますネ。

        ☆   ☆   ☆

     昨日、どうしても連絡がつかなかった甥一家と
     震災から50日ぶりにやっと話すことができた。
      
     猪苗代の方にいるとは誰彼から聞いていたのだが、
     みんなはっきりとは分からない。
     ただ、電話が何回かあって無事だけは確認できて
     いたようなのだ。

     昨日聞いたところによると、現在は飯坂町のホテ
     ルにいて、すでに4回も避難場所を変えているの
     だとか。
     道理で居場所が分からないはずだ。
     人に教えようとしても、すぐまた移るとなると、
     知らせようもないのだろう。

     心配したよ~、いくら家に電話しても出ないし、
     番号が間違っているのではないかと思って電話局
     に確かめても変わってないというし、誰に聞いて
     も行き先は分からないっていうし……

     などととりとめもなく立て続けに話す私に、
     先方はゆっくりした口調でいった。
     家?
     福島第一原発から19.5㌔だもん、おばさん、
     帰れねえっぺ。

     迂闊にも私はそうとは思わず、とうに帰ったか、
     或いは別の理由で帰らなかったのだと思って
     いたのだ。

     仕事?
     ウンまあ、そのうち……
     こちらに心配かけまいという心遣いからなのか、
     これまたのんびりした口調で急いでるふうでも
     ない。

     欲しい物?
     おばさん、いまさら何~んもいらねえよ。
     こうして一家5人、一部屋に暮らせるだけありが
     てえと思ってんだよ。

     最近、加齢とともにせっかちで、とみに早口に
     なった私は大いに反省した。
     私はいつからこんなに何事も(必要以上に)
     急ぐようになったのだろう。
     田舎にずっといたら、こんな私でも分をわきま
     えて話したり行動したりできたのだろうか。
     
     内心、少なからずショックを隠しきれずに、                   
     私はその日のうちに郵便局に急いだ。
     (またも急ぐ!)
     手紙とともにしかるべきお見舞いを送るために。