一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

明暗

2011-05-01 16:57:03 | 雑記


     花咲き、鳥が舞い、風薫る5月。

     昨日、人と会うために横浜方面に出かけたら連
     休だけあって人混みがすごかった。
     こうした賑わいも復興の援けになるかもと思い
     ながらも、複雑な気持ちは隠せない。

     というのも、小中時代の同級生から被災地の写
     真が送られてきたばかりだったからだ。
     これはそのうちの1枚。
     津波によって流された家屋、瓦礫の山は、自衛
     隊や消防隊の人たちによって片づけられてご覧
     のようになっているが、3・11の昼過ぎまでは
     そこで人々の平穏な日常生活が営まれていた
     のだ。
       (国道6号線から先2~3㌔は壊滅状態で、
      中央の2本の木の向こうは海)

     いつもはおちゃらけて冗談ばっかりいっている
     昔悪ガキ(いま普通のおじさん)も、さすがに
     涙が出て止まらなかったという。
     (家屋は流され実兄が遺体で見つかり、義姉は
      行方不明のまま)

     だけど被災した人々はみなけなげに頑張ってい
     て、わが身の不運を嘆いて自暴自棄になるのを
     見たことがない。
     誰ひとり海の悪口をいう人もいない。
     
     さらに、
     誰もいわないからあえて、ここで私がいわせて
     もらうのだが、
     現地の人たちの使うのは東北電力。
     福島原子力発電所は東京(を中心とした関東)の
     人たちのためにあるのだ。
     東北電力と東京電力のちがい。

     みんなそれを分かっていて恨みがましいことは
     一切、いわない(胸の中にしまっている)。
     相変わらず、息子や娘たち、または兄弟姉妹が
     いる東京(関東地方)の幸せを願うことに変わ
     りはないのだ。
     出郷してその恩恵に浴している我々は、今日の
     娯楽も明るさも田舎の人たちの犠牲の上に成り
     立っていることを忘れてはいけない。
      
     今回は田舎の人より、都会に出てきた人たちへ
     の警告ととるべきだろう。