江戸の戯画

大阪市立美術館　2018年4月17日～6月10日

　広報は歌川国芳の金魚押しで確かに金魚シリーズ勢ぞろい（前期）ですが、鳥羽絵の耳鳥斎から始まる戯画の展覧会だった。画人としては耳鳥斎、葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎って感じ。暁斎は明治時代の作品でも江戸の延長ってことですかね。滑稽名所って風景版画が確立したうえで改めて人事の要素が拡大してるんだな。読み解きが難しそうだけど面白い。

堀田龍之助 幕末・近代の大阪に生きた博物家

大阪歴史博物館　2018年4月25日～6月18日

　堀田龍之助、1819～88ってことは「あさが来た」のあさ姉妹の舅あたりが博物学者だったらこんな感じ？　家は火事のせいで途中で没落とまではいかないけど傾いて、明治になった晩年には大阪博物場にも勤めていた。畔田翠山とか山本渓愚とか田中芳男とかもう少し知られてる人と接点があり、旧蔵の資料はごっそり大阪歴史博物館に入ってて、この展示を機にさらに活用されるのでは？という感じ。琵琶湖と余呉湖の魚や貝の絵や説明が貼られたり描き込まれた屏風面白かった。

春日大社のすべて

奈良国立博物館　2018年4月14日～6月10日

　奈良国立博物館の場所って春日曼荼羅の範囲にあるんだな。奈良公園にいっぱいいる鹿も春日大社と関係あるしな。奈良国立博物館が春日大社の展示をするのは必然なのである。宮曼荼羅の金色の道を見てご神体の滝もあれは道なんだなと思った。神仏習合してるから仏像があっても驚かないが鮮やかなオレンジの衣の地蔵菩薩にはびっくりした。春日曼荼羅もいっぱい出てるし、春日権現験記絵も見られてよかった。そして春日信仰はいまだ現役なことも知った。

池大雅 天衣無縫の旅の画家

京都国立博物館　2018年4月7日～5月20日

　前期で引っ込むものを中心にちら見してきました。有名なものは大体出ている大展覧会。先行チラシの80年ぶり、本チラシの85年ぶり昭和8年（1933）以来の意味で、その間のワンマンショーは大きくないから数えないってことですかね。『大雅堂画法』も原本の一部が京都府コレクションにあるはずなので一緒に見たかったな。指頭画とたらし込みは同居しがち？　図録エッセイに「大小の旅を重ねた大雅が風景の実感に基づいて描く真景図」とある真景図は現代の美術史用語で、実見を前提にしている用法ぽい。意外と絵の中に真景とは書いてないんだよね。

京都画壇の明治

京都市学校歴史博物館　2018年4月28日～6月19日

明治の京都の画家をいろいろ見られるよい機会だったが、　7～8週間の会期を三期に分け、展示会場も常設展示室内、企画展示室二室の三室、1階と3階でぶつぶつ細切れな感じだった。敦賀市立博物館からの出品が結構あって、敦賀でなら館蔵品メインで同趣旨の企画が組めるのかな？　望月玉泉になるとやまと絵風ではあるんだがもともと望月玉蟾は唐画だったよな、とか円山四条派の南北合宗的画風とかいろいろ考えた。

ブッダになったひと お釈迦さんワールド

龍谷大学　龍谷ミュージアム　2018年4月21日～6月17日

　ガウタマ・シッダールタと同時代の世界の美術で世界史的にはじまり、シッダールタの生涯の物語とシッダールタの表象を紹介。手塚治虫「ブッダ」の原画もある。釈迦の生涯のエピソードや涅槃変相図のエピソード少し覚えた。体毛の釈迦でもアンダーヘアは見えない（キリストにはアンダーヘアのキリストもなくはない）。棺から足が出てたり、足をなめたり、足フェチなの？