Seachang's room

見に行った展覧会の私的な感想です。皆様の展覧会行脚にお役立てください☆
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富士山絵画の正統 19世紀狩野派の旗手 伊川院栄信と晴川院養信 

2018-09-30 01:25:52 | Weblog
静岡県富士山世界遺産センター 2018年9月22日~11月25日

 第一部「富士山図 定型の生成とその変奏」は10月14日まで。10月20日からは第二部「巨匠たちの共演 富士越龍」 富士山にかこつけて狩野派展やってる感。栄信とか養信だと作品いっぱいあって、こちらの展示室は広くないから県美と同時にやっても物はあるのか。展示室が広くないほうに巨大な掛軸や襖が並んでるのもすごいけど。栄信・養信「春景富士図」(京都市立松尾小学校)の富士山図だけど細部の人物が意味ありげって面白い。源氏物語の朧月夜と解釈がされてるけど、それ以外の富士山図らしくないモチーフも源氏物語に関係あるのかしら。雪舟型富士三保清見図、栄信のは例えば墨江武禅と結構似ている。狩野派の中で考えることと同時に同時代の他の絵画とも一緒に見るべきか。
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幕末狩野派展

2018-09-30 00:35:09 | Weblog
静岡県立美術館 2018年9月11日~10月28日

 ポスター・チラシの感じは狩野(逸見)一信「五百羅漢図」(増上寺)ぽく、それもたっぷり十幅出てるんだけど、今回のメインは狩野栄信ですよね(私の個人的な見方かもしれんが)。方々で見かけて古典の取り入れ方とか面白いと思ってたのが納得できた。そしてその前の世代、後の世代と一緒に見ることによって、前に見たことある作品も改めて面白く新出(自分にとってかも)も興味深く見ることができた。倣古図も前の狩野派展示に引き続き出てた。特に好きなのは4狩野栄信「四季山水図屏風」で、いろいろ引用してくる感じは蕭白「月夜山水図屏風」(近江神宮)を思い出した。5狩野栄信「春秋四季花鳥図」(静岡県立美術館)、百鳥図、浜松図でもあるよね。11狩野探信「山水図屏風」(静岡県立美術館)探幽の屏風の裏にも絵があることは知ってましたがこちらが飾られてるのは珍しい。谷文晁とかが描いてる「海鶴蟠桃図」のパターンは長谷川雪堤によると一応呂紀と称する原本があったみたいだ。それは狩野派へも及んでる。円山応挙の山水に袁派み感じてきたけどこの展覧会の狩野派の山水図にも感じる。『公用日記』にも真景の語は出てくるというし、真景=実景で、真景に意味を読み込み過ぎるのが美術史的なのかもしんない。61狩野養信「倣巨勢金岡 那智滝図」(東京藝術大学)って描き方、南画文人画ぽくもある。今まで十八学士というのは普通に画題と思って見てたけど、武則天のドラマを見た私には太宗があああの人と思えて、そうかあの人若い時にこんなことしてたのかと思った。そういえば文学館みたいなのは太宗の息子もやってた。展示では浅岡興偵(弟)の描いた鷹の絵と養信の雀の絵が同じ可動ケースに入ってて、画家としては養信のほうが有名なので、弟の鷹が兄の雀を食う下克上だ。館蔵品、今までの展示を生かしてるのもよかった。
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ミケランジェロと理想の身体

2018-09-22 02:29:43 | Weblog
国立西洋美術館 2018年6月19日~9月24日

 彫刻の展覧会と思っていったらそれ以外のモノもそこそこあった。チラシではすごくミケランジェロ推しだし展覧会タイトルも「ミケランジェロと理想の身体」だけど、ミケランジェロに至る西洋の男性の身体表現って感じだった。ダヴィデ=アポロって見返り美人的な感じがある。
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狩野芳崖と四天王 近代日本画,もうひとつの水脈

2018-09-22 02:02:16 | Weblog
福井会場、山梨会場巡回済み
泉屋博古館分館 2018年9月15日~10月28日

 一年前に福井、山梨と続けてやって、三館目は約1年後。そうすると巡回のメリットは図録くらいか。狩野芳崖門下の四天王はだんだん目立たなくっていった。そして芳崖もかつて橋本雅邦、木村立嶽、狩野友信らと合わせて四天王とされていた。また朦朧体の四天王もいる。四天王がいっぱい。ルックスが呂洞賓の郭璞図って、ルックスはどうみても呂洞賓。出山釈迦図は室町水墨にもあるよね? 「ライオン」がハイカラに響く時代があったことは画題と関係あるだろうけど、ライオンが静かに従うキリスト教の隠者のイメージもその画題には反映してそう。
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禅僧の交流-墨蹟と水墨画を楽しむー

2018-09-22 01:55:03 | Weblog
根津美術館 2018年9月1日~10月8日

 所蔵品を中心に少しよそからも借りている。チラシやタイトルから予想するより絵画がいっぱい出ていた。詩画軸ってニコニコ動画みたい、とちょっと思った。18世紀の詩画軸という珍しいものがあったが復古的なものを作る理由が何かあったのかしら。
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モネそれからの100年

2018-09-18 01:02:42 | Weblog
愛知会場巡回済み
横浜美術館 2018年7月14日~9月24日

 国内のモネを集めて、モネインスパイア、モネリスペクトと解釈できる作家の作品(こちらのほうがずっと多い)と展示した展覧会。モネから現代美術へ、という点でよくできた展覧会だけど、モネ展と思って来る人から1600円取ってこれ大丈夫だったかなと思わなくもない。
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明治150年記念 真明解・明治美術 増殖する新メディア

2018-09-18 00:54:06 | Weblog
神奈川県立歴史博物館 2018年8月4日~9月30日

 展示品はとても面白かったし、切り口もいいんだが、あまりにも展示がごちゃごちゃしてしたと思う。それが明治らしさを表すんだとしても。館の展示室に合わせた量でちゃんと構成するという方法もあたったのでは?高橋由一の鮭もどきの池田亀太郎「川鱒図」に合わせてカフェの特別メニューが鮭ご飯だったのか?
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涼を愉しむ―畠山即翁の朝茶の会 併設 狩野派の絵画と江戸の工芸

2018-09-16 01:07:17 | Weblog
畠山記念館 2018年8月4日~9月17日

 狩野派の絵画目当てで行ってきた。狩野伯圓・即誉の「絵鑑」は和漢の画題なのかな? 狩野常信「瀧図」も李唐の系統なのかしらん。島津家の屋敷だった時に、苑内の景勝を選んで亀岡十勝と称し、紀州大納言以下9名の文人諸侯および林 大学頭による七言律詩の詩碑を建てた、というのも名づけという権利の行使で、その景色の権威付けをやっている。
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海を渡ったニッポンの家具

2018-09-16 01:02:41 | Weblog
LIXILギャラリー 2018年9月6日~11月24日

 明治以降の輸出家具の展示。飾ってなんぼ、みたいな。シンプルならいいってもんじゃないよね。家具の常設展示ってどこかでやっててもいいよね。江戸時代に輸出された工芸とのつながりも感じられる。
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SEITEI リターンズ!!-渡邊省亭展ー

2018-09-16 00:48:16 | Weblog
加島美術 2018年9月15日~9月29日

 近年ブームになっている、というかブームつくりに成功したというべきか、明治時代に活躍した花鳥画を得意とした画家、渡邊省亭の展覧会。洋風の描写なんだけど骨格は江戸時代の花鳥画でもあるので、中国的な画題の意味とかも残ってる気はする。円山四条派ぽいところは柴田是真への私淑で解釈できるけど、応挙とか芦雪とか写真とか図版とか見て取り入れてる感じでもある。牡丹の花が満開を過ぎて壊れてく様子を描いた「牡丹之図」はヴァニタスとかそういうことなんですかね? 小原古邨とかと似た雰囲気があって、画家は孤高でも顧客は孤高でないから、同時代性あるなと思った。
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