Seachang's room

見に行った展覧会の私的な感想です。皆様の展覧会行脚にお役立てください☆
コメントお待ちしてます。

万年筆の生活誌―筆記の近代―

2016-03-30 01:41:09 | Weblog
国立歴史民俗博物館 2016年3月8日~5月8日

 モノとしては蒔絵万年筆(松田権六がパイロットに勤めてたって知らなかった)が面白かったし、毛筆から万年筆が正式な筆記となり、兵隊さんがハガキを書くのに使われたという歴史も興味深い。昔のノート(また歴博OBのお父様のノートも!)展示してて、箇条書きとか単語じゃなく文章でノートしてた。ノートのとり方の変遷も面白そう。そういえば中学とか高校の入学祝に万年筆ってあったな。久しぶりに万年筆掃除して使おうかという気持ちになった。その気持ちに答えるように会場のアンケートが万年筆で書けるようになっていたのもよかった。
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ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞

2016-03-28 23:27:11 | Weblog
Bunkamura ザ・ミュージアム 2016年3月19日~6月5日
神戸市立博物館  2016年6月18日~8月28日
名古屋ボストン美術館 2016年9月10日~12月11日

 ボストン美術館所蔵の歌川国芳、歌川国貞(三代豊国)の版画の展覧会。さすが国芳も有名な絵柄は結構揃っている。国貞のほうがしびれたけど。摺物が結構あって綺麗だった。7枚続きとかあるから5枚続きくらいじゃ驚かなくなる。図録見ると役者の考証がちゃんとしてある解説と似顔なのにスルーしてる解説があった。八代目市川団十郎の死絵は数えたら100種くらいで打ち止めなので300種と書かれなくてよかったけど200は多分ないです。
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文化遺産調査特別展 美と知性の宝庫 足立―酒井抱一・谷文晁とその弟子たち―

2016-03-27 18:45:22 | Weblog
足立区立郷土博物館 2016年3月13日~5月22日

 江戸時代の千住は文化的にも栄えていて、谷文晁の弟子でいいとこのうちの人(舩津文渕)がいてその資料がいっぱい残っててそれをちゃんと調べて展示した展覧会。中国趣味の、黒川亀玉とかも参加してた東都嘉慶華宴も千住だった。千住の家の養子だった建部巣兆との関連から酒井抱一も関係ができてくる。舩津家には谷文晁「ファン・ロイエン筆花鳥図模写」(神戸市立博物館)が伝わって、そういうふうに出てったものだけでなく本、下絵、本画といろんなものが伝わってきた。文渕は日記等も残ってて、本業何よ?(名主)てくらい絵もやってる。作品では文渕「四季草花図小襖」が琳派風なんだけどちょっとこってりしたところもあって面白かった。谷文晁も琳派風あるし、その系統の鈴木鵞湖にも琳派風の絵はあるので琳派風も文晁のレパートリーだったんだな。
コメント (2)
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ボッティチェリ展

2016-03-26 23:31:09 | Weblog
東京都美術館 2016年1月16日~4月3日

 イタリア語タイトルはBotticelli e il suo tempo、つまり「ボッティチェリとその時代」。ボッティチェリだけで構成するのは相当大変なので、その時代でも全く構わないとおもうが日本語とイタリア語の題には齟齬がある。ボッティチェリとその時代とその師とその弟子がより正確か。
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ジョルジョ・モランディ 終わりなき変奏

2016-03-26 23:18:23 | Weblog
東京ステーションギャラリー 2016年2月20日~4月10日
兵庫会場巡回済み 
この後岩手会場へ巡回

 モランディの静物画は抽象絵画ぽい。現代美術ぽい、ていうかまあ現代美術とそんなに時代違わないもんね。質感は作品によって結構いろいろ。版画は自分でもやってたので水増し、というわけではない。ルチアーノ・パヴァロッティ所蔵品も出品。
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はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション

2016-03-26 01:59:18 | Weblog
国立新美術館 2016年1月20日~4月4日

 大原美術館のダイジェスト、出開帳的な展覧会。自前のコレクションがあって現代美術も集めてます、とコレクションのない新美術館でやるのか……。泰西名画は名品ではあるもののサイズ的に倉敷の展示室の方が映えるように思いました。
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清親 光線画の向こうに

2016-03-26 01:38:24 | Weblog
町田市立国際版画美術館 2016年3月12日~4月17日

 所蔵品をベースにまじめにやった小林清親展。浮世絵、なんだけど光線画は版画っていう感じもある。最後に川瀬巴水も出ていたけど通じる要素がある。清親に限らず、木版画で見かけで銅版画の真似をする摂取の仕方面白い。油彩画風、水彩画風も同様。もともとは材質から出た表現、特徴を別の材質で真似る。そのときその真似られた表現に意味づけがされてるんだよね。近代とそのちょっと前は新しい光が出てきて光と影に敏感になり、またそれを表すこと、見ることを楽しんだってことかな?光線画以外のこともちゃんとやってくべきですね。挿絵も集めててよかった。瑕瑾として三代豊国「中夏夕涼ノ図」はここでは影の絵として出てることはわかるのだけれど、前の三人の人物は人気役者であること(顔から名前もわかる)ははっきり解説に書いて欲しかった気はする。
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ほとけの教え、とこしえに。―仏教絵画名品展―

2016-03-23 22:39:42 | Weblog
根津美術館 2016年2月27日~3月31日

 仏教絵画はあまり得意でないのですが、兜率天曼荼羅はすごく緑だ。やっぱ象は普賢菩薩の乗り物だよね。若冲の象も仏教で考えるべきか。常盤山文庫の釈迦三尊十六羅漢像は圧巻。
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勝川春章 北斎誕生の系譜(後期)

2016-03-23 22:26:03 | Weblog
太田記念美術館 2016年2月2日~3月27日

 ほとんど展示替えされたので再訪。浮世絵の専門館の展示は安心して見られる。版画のなかでの流れもいいんだけど、肉筆とがっつり一緒に見たかった気もする。春章「堀川夜討之図浮絵二枚続」の構図は例の肉筆「美人鑑賞図」(出光美術館)とその元っぽい栄之「福神の軸を見る美人」と似てる。もともとこういう構図あるんだな。春画ではあまり描かれない男の乳首だけど相撲絵にはばっちり描かれている。北斎でいえば浮絵といっても透視遠近法でないものもあるな。何を指して浮絵と言っているんだろう。で、透視遠近法って洋風と結びついて描かれることが多いけど中国風と結びついてることもあるな。
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原田直次郎展

2016-03-20 22:14:42 | Weblog
埼玉県立近代美術館 2016年2月11日~3月27日
この後神奈川会場、岡山会場、島根会場に巡回

 没後10年後に森鴎外が開催して以来100年ぶりの回顧展らしい。なるほど。兄ともども留学して優秀なのに30代で結核で死んでしまうという悲しい兄弟。留学して本格的に上手になって帰ってきてしばらくしたらお亡くなりになったので作品もそもそも少ないのだな。留学したときに着いた先生の作品とか交遊のあった画家の作品とか海外からも借りている(ので四会場も巡回しないとペイしないのだろう。それにしては図録が高いけど)。丁寧ないい展覧会である。しかし明治の洋画ってここまで根掘り葉掘り寄ってたかって研究するのね、江戸絵画とは違うなあ。田能村竹田「山中人饒舌」をもじった寄稿をしてたのが面白かった。
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