Seachang's room

見に行った展覧会の私的な感想です。皆様の展覧会行脚にお役立てください☆
コメントお待ちしてます。

太田昌子 編 江戸の出版文化から始まったイメージ革命 絵本・絵手本シンポジウム報告書 

2008-03-30 23:42:18 | Weblog
*厳しいといわれたのでちょっと変えます(2008年4月24日)
本屋で売ってない本なのでこちらで紹介

*絵本・絵手本、その多くは版本。絵の入った版本には最近国文からのアプローチもある。重要性が認識されることはめでたい。
*ワタシも書誌がすべてと思っているわけではない。書誌にかかわらずできるところ、いえるところもあるので、そこに注目していくのはあり。しかし、どこが書誌にかかわらずできるところかを知るためにはある程度書誌が必要である。

大西廣・太田昌子
「序論―メディアとしての絵本・絵手本」

大西廣
「絵本、絵手本、画譜のアーカイヴ」
*画譜・絵本等の用語、定義の他にどう使われていたか、は必要
*作り手と受け手の齟齬 絵本として作られなくても絵本として享受される場合もあるのでは?

星野鈴
「鈴木春信と『絵本写宝袋』」
*蕭白と版本獅子の話、ヒックマンの論文に指摘あり。水墨美術大系にも千葉・三重蕭白展図録にも出ている。

渡辺雅子
「師宣絵本の楽しさ―枠組みの機能―」

吉田恵理
「『山水』画譜の諸問題―『芥子園画伝』和刻の経緯と淵上旭江『山水奇観』を例に―」
*山水につきまとう「唐画」的要素ということ?

加藤良輔「山東京伝の見た出版の世界―『御存商売物』の年代記・塵劫記・道化百人一首」
*本が擬人化されて登場する黄表紙から本のジャンルの変遷。「絵抄」はイメージアーカイブとして絵手本の祖先。

日野原健司「橘守国の絵本―絵画による「知」と「真」の伝達」
*序文・跋文の分析という方法アリ

市川廣太「一蝶系絵手本の画題について」

折井貴恵「十八世紀末の絵手本観―鍬形ケイ斎(北尾政美)を例に―」
*略画と漫画 ケイ斎と北斎

福山明子「近代日本に開花した『口絵』表現」
*切り口はアリ。先行研究もあるのでは?

「絵手本シンポジウム 発表に関するコメント(1~7)その他」
*これなかなかいい。

「絵手本シンポジウム テーマ・ディスカッション」
*かみ合ってない

浅野秀剛「大森善清絵本の後修本」
この報告書で異様に浮いている書誌みっちりの作品紹介。
でも版本をやるということは基本こういうことが必要。

Miriam Wattles
From Adverb to Noun: Some Thoughts on Hanabusa Itcho and the Instability og the "Giga" Genre
日本語要旨あり 
戯画と狂画 ジャンルとしての「戯画」

ポスターセッション
シンポジウムにはもっとありましたが一応セレクションか
宮腰直人 語られる武者から描かれる武者へ
植松有希 王朝風から当世風へ
田口文哉 殿中から遊里へ

資料類
手間かかってそう

結局あまり変わってないけど改稿(2008年4月24日)




















コメント (4)
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学芸員発見 2

2008-03-30 23:29:50 | Weblog
テレビブロス3月29日号 わらしべマッドサイエンティスト に「ふろく」を語って弥生美術館学芸員 外館惠子さん登場
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浮世絵名品展 没後150周年記念 広重とその時代

2008-03-30 02:24:56 | Weblog
町田市立国際版画美術館 2008年3月15日~4月16日

町田の浮世絵コレクションって名品(摺りとかの)主義じゃない、ある意味リアルな浮世絵なのだ。保永堂版東海道五拾三次、マイナーな図柄もふくめてしみじみ見る。中国由来の山水の意識もあるんだな・・・・・・ アタリマエといえばアタリマエだが。『忠臣蔵』洋風っぽい感じがある。小倉擬百人一首 揃っているらしい。浮世絵の源氏絵、は光源氏ではなくニセ紫田舎源氏。カラフル豪華な錦絵。東都四季名所尽の人物は顔で役者わかりますよね?
さくら祭りと浮世絵は相性がいいらしくお客さんが結構入っていた。
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マティスとボナール

2008-03-29 01:17:28 | Weblog
川村記念美術館 2008年3月15日~5月25日
神奈川県立近代美術館 2008年5月31日~7月27日h
新装オープンの川村記念美術館。企画展の展示室が大きくなりました。マティスもボナールも結構日本にあるのね。マティスとボナールは友人同士だったそうで、二人展になる条件は十分ですが、展示はマティスとボナールで結構わけてる感じ。
ワタシはダリとかマグリットがまず好きになって、その後カタチのはっきりした古典絵画に好みが移行したので印象派とかそれ以降の一般に人気があるものがどうでもいいということもあり、ネコに小判でした。
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楳亭・金谷 -近江蕪村と呼ばれた画家-

2008-03-24 12:54:25 | Weblog
大津市歴史博物館 2008年3月6日~4月20日

近江ゆかりの蕪村弟子(紀楳亭)と蕪村フォロワー(横井金谷)の展覧会。この二人は30年以上まえの琵琶湖文化館の展示(そしてその図録がまだ琵琶湖文化館に売っている!)でもセットでした。すごくたくさん集まってたので一人ずつでもよかったかも・・・・・・。展覧会は数でなく質でも勝負してほしい、と大画家の展覧会なら書くところですが、このレベルの画家でミュージアムピース中心に組むのは至難(ミュージアムピースに相当する作品が少ないため)。300点もあったら図版載せた図録があるだけで恩の字という感じです。パトリシア・フィスターさんの博士論文が横井金谷だったとか、リチャード・レインコレクションとか、アメリカ人好みなのか?
*聖明節=清明節?
*楳亭の人物マンガっぽい 
*楳亭の美人図、なんかヘン
*楳亭も唐画?
*倣宋紫岩 三拳石図
*金谷の雑食性
*金谷と司馬江漢 泥絵風の金谷153、金谷の水墨131と江漢の水墨も似てる
*金谷の肉筆美人、円山四条派風 129はオトコか
*戦略としての蕪村風
*コンペリングイメージ(ケーヒル)みたい
*俳画を美術史で押さえるには?
展示替後が見られないのがザンネン

円満院の門のところがお蕎麦屋さんになってるので次回はゼヒ
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与謝蕪村―翔けめぐる創意―

2008-03-22 23:53:03 | Weblog
MIHO MUSEUM 2008年3月15日~6月8日

いいものをみました。まあいつも書いてますけど、モノがいいのと展覧会がいいのは厳密には同じではないです。この展覧会が悪いわけではないですが、モノの存在感に展覧会のコンセプトとかが負けてるというか霞んでいるというか。俳人蕪村を見せるためのステキな写真を単なる会場装飾だと思ってたワタシ。
図録、これ千葉市美術館の鳥居清長展のつくりに似てますが、デザイナーさん的にはいいのか?あとこの図録編集の苦労がしのばれるというか、ヒトによって文体どころか、作品解説に何を書くかとかが結構バラバラで、しかも大勢で書いていていろいろバラバラ。論文・エッセイも「論文」な方と「読み物」な方が混在。
展示レイアウトにも苦労がしのばれます。ライティングとか・・・・・・
*蕪村と同時代の画家たち(応挙とか大雅とか)、違いを明らかにするいっぽう、共通点をもう一回確認したい気が。
*呉春が受け継いだもの受け継がなかったもの
*もちろん唐画でもある(少なくとも画風を確立してからは)
*画風確立前の蕪村の画風は強いていえばナニ?
*画題特定、全体のレベル向上のために根拠をつけていきたい(それで一時的に執筆者が恥を書くことはあっても)。
*版本から学べること 版本から学べないこと
*黄檗絵画の影響探せる?
*ミックス(ナンピンと他のタイプの中国絵画とか)
*樹木のモデリング
*泣き別れ屏風、一双だとしても普通の一双ではない。少なくとも横に並べて一体感はない。向かい合わせならありうるか?
*一つの影響を強調するのではなくいろんな影響の重なり合いとして捕えられる?
*指を立てるしぐさ
*銀地しびれますな
あと1回はいくとして2回いけるか?要スケジューリング
コメント (3)
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南蛮美術企画展 バイオグラフィ異国趣味

2008-03-22 01:57:49 | Weblog
神戸市立博物館 2008年3月1日~30日
 秋~冬にシアトルに主な所蔵品を持ってってて、去年の夏には「西洋の青」でも館蔵品使っても、まだこの展示ができる、神戸市博の底力を実感する展示。かつてお借りしたものもいくつもあるのですが、改めて見入る。
 郎世寧 画題の意味を要再考 画面内の密度の違い 中国性
 鳥の眼、中も注目ですが回りの白いところも粒粒描く人もいれば書かない人も。
 鳥の体の立体感。
 牡丹の花びらの処理の仕方
 面に還元するか線に還元するか
 水墨テクニック
 ナンピン風摂取の多様性
 石川大浪 安田雷洲面白い。
 窪俊満「紅毛銅版画」という木版作品
同時開催の地図もなかなか楽しい。こうもりに抱かれた地図とか・・・・・・あと展示してなかったけどハート型の世界地図があるのか。気に入りました。
コメント (2)
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名品とともに楽しむ表装の美

2008-03-21 02:05:32 | Weblog
岡山県立美術館 2008年2月26日~3月23日

 岡山県美所蔵品を中心に山内墨申堂が表装を手がけた作品の展覧会。表装はパレルゴンである。洋物の額縁ほどではないにしろ枠組みとして機能していることには違いない。普段表装を意識せず本紙部分を見る習慣がついているけど、必ず見てはいる。表装を意識しながら絵を見るといういつもと違う見方をしました。紙とか布とかも勉強になったなり。
 作品としては鼻毛老子(鼻毛は常人にあらずという記号か?)非常にちまちました(そのちまちまぶりが気になった)天澤座元送別詩画軸、岡山のお寺にある等身大の上半身頂相、萬福寺の逸然性融(これは中国絵画といえるのか?日本化してない?)、京博の草蟲図(こうもりまでいる。モチーフの意味の問題)、芦雪などがよかったです。中身のない軸って現代美術みたいだ・・・・・・
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牧野義雄 展

2008-03-09 16:40:59 | Weblog
豊田市美術館 2008年1月8日~3月30日
 豊田市美術館へ行ったらやっていた。地元ゆかり作家である。ロンドンで水彩画が受けたヒト、ですが日本近代の漫画、戯画っぽいところもある。美術史ではやりにくいけど比較文化でできるといいかも。晩年、北鎌倉で「発見」されたあたり、やや山下清的な行動パターンをお持ちだったようです。
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没後100年 橋本雅邦

2008-03-03 00:04:59 | Weblog
川越市立美術館 2008年1月12日~3月9日
ゆかり作家(一時雅邦が川越藩士で、その後支援団体が川越にできた)の回顧展。図録は落款・印章を集めてよくできている。山種で昔やったよなあーと思って図録みた。川越は画宝会にもう少し特化してもよかったのではないか(そうカンタンでもないでしょうが)。それから企画展示室にきちきちに入っててやや見づらい。部分的には常設の中にも展示してある。ぶち抜きでやればいいのに、と思ってしまうがこれも何かオトナの事情があるんだろうか・・・・・・。
明治の中国的画題ってどう受容されたんだろうというのが気になった。山種の図録には八仙もあったわ。
コメント (1)
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