Seachang's room

見に行った展覧会の私的な感想です。皆様の展覧会行脚にお役立てください☆
コメントお待ちしてます。

明治からの贈り物

2018-08-29 23:44:03 | Weblog
静嘉堂文庫美術館 2018年7月16日~9月2日

 静嘉堂の所蔵品は明治時代にお金と力をマシマシしてた岩崎家のコレクションだし、特に第四回内国勧業博覧会の屏風絵制作はスポンサーだからまとめて残っている。各地で行われている明治150年展示のなかでもかなり充実した展覧会。公序良俗に反するから腰巻を付けて展示されたという黒田清輝「裸体婦人像」はぽってりした下腹部がリアルで智感情よりエッチな感じ。女性の入らない玉つき部屋に飾ってたあたりエッチな絵と思われてたんだろう。橋本雅邦「龍虎図屏風」はこないだ歌舞伎座で見た幸四郎染五郎の龍虎を思い出した(ほら高麗屋バタ臭い芸風だし)。鈴木松年「群仙図屏風」は京都国立博物館の、今尾景年の千總のも同じネタ本だな。10人いるけど一人は老子で他9人は一致はしないけど八仙くずしなんだろうな。野口小蘋「蘭畹四十八帖」は具体的な誰かの持ち物の石ぽい。
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禅宗の美術と学芸

2018-08-29 23:35:00 | Weblog
五島美術館 2018年8月25日~10月14日

 鎌倉・室町が中心だが一部江戸時代もあり。元寇とかもあったけど書とか賛を見ると禅宗のお坊さんは行ったり来たりしてたんだな。東山御物の中国絵画も出てる。大東急記念文庫から五山版出てるのもうまい。筋目描に近いようなにじみは白隠にもあって、一つには紙と墨の問題なんだろうが、それをどうやって若冲は絵にしたんだろうと思いつつ、若冲も家の宗旨は浄土宗だけど個人的には禅宗の人だからこういう展示に出てきてもいいなと思った。
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木版画の神様 平塚運一展

2018-08-28 01:12:35 | Weblog
千葉市美術館 2018年7月14日~9月9日

 長生きした人なのは知ってたけど後半生アメリカ在住なの知らなかった。作風が固まるまでは結構変遷してる。その辺個展に加えて同時代の他の人と一緒に見ることも必要だなと思った。新日本百景に朝鮮や台湾が入ってるのに時代を感じる。北京に版画の指導にも行ってるし。晩年の裸婦はエッチなのかどうかよくわからないが生命力は感じる。とにかくたくさん見られます。加えて美術館ニュース見たら学生時代の館長が絵を見てもらってて驚いた。
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金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋

2018-08-23 00:09:41 | Weblog
平塚市美術館 2018年7月7日~9月2日
刈谷市美術館 2018年9月15日~11月4日

 樹脂の中に金魚の絵を描いて金魚を閉じ込めたみたいにして、樹脂だからいろんなところにそれを配置できる作品がメイン。生きてる金魚でやったらダミアン・ハーストだけどそこは作り物でキレイ。もともと金魚が人工的な魚であることもあってつくりものみたいな魚を本物のように見せるつくりものである。須田悦弘的にありえないところに配置することも可能。現代美術的なものもあれば、見世物、おもちゃっぽいものもある。水墨で書いたら八大山人とか中国の絵みたいな感じもあり。もっと現代美術ぽさを追及する作品があっても私は歓迎。
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藤田嗣治展

2018-08-19 01:02:02 | Weblog
東京都美術館 2018年7月31日~10月8日

 おおまとめて見たぞ! 結構方々の日本の美術館に藤田ってあるのね。乳白色の裸婦も戦争画もたくさん見られた。死後の藤田作品の出し方って最後の奥さんの意向が結構反映してるんだろうなと思った。画中に猫は確かによく出てくるし、猫可愛いんだけど、展覧会グッズに猫多くて、瓶を再利用していたという桃屋のらっきょうに心が和んだ。
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ルーブル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか

2018-08-18 02:29:10 | Weblog
国立新美術館 2018年5月30日~9月3日
この後大阪市立美術館に巡回

 古代から19世紀まで、ルーブル美術館のコレクションで構成する肖像の展覧会。人の姿を表したい、残したいというのは古くからある欲求で作品にはことかかない。展示はテーマ別。名品や有名な作家の作品ばかりではなく、またそもそも肖像って像主に興味がないとあんまり面白くないということもあり、わかりにくい展覧会。石彫って布の立体感の表現にこだわるな。最後のアルチンボルドは楽しかった。
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琉球 美の宝庫(二回目)

2018-08-16 01:04:33 | Weblog
サントリー美術館 2018年7月18日~9月2日

 染織、絵画等ずいぶん入れ替わったので再訪。絵画は朝鮮絵画も含めて考えるといいかも。李郭派みたいな山水画があった。花鳥画は南蘋派と同様の吉祥画題もあり。「鷹雀枯木芙蓉図」は威振八荒だよね。肖像画は頂相系統と中国の先祖の肖像画の両方入ってる感じ。今なら「琉球の風」面白く見られそう・
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落合芳幾

2018-08-16 00:53:04 | Weblog
2018年8月3日~26日 太田記念美術館

 落合芳幾は月岡芳年より歌川国芳を継いでる。作画期間が長く、晩年は浮世絵的似顔と明治っぽい画風と両方やってるのね。本邦初の回顧展で大変結構で、がんばって図版だけの図録も出ているが、以後論文と解説のついた図録のある展覧会が続きますように!
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大名美術入門―殿と姫の美のくらし

2018-08-16 00:36:12 | Weblog
永青文庫 2018年7月21日~10月3日

 絵画目当てで行ってきました。杉谷雪樵「七滝御覧図」は具体的な訪問の絵なんだろうな、滝は滝で写実的だけど。内尾栄一・杉谷行直「水前寺庭中之図」は写実的だけど地図的でもある庭園図。池に来てる鳥を縮尺に対して大きく丁寧に描いている。そして細川斉茲「百鳩図巻」、博物図譜風描写の鳩が一羽一羽は鑑賞画風にいっぱいいる。若干サイコな感じ。調度やお香の道具、茶道具、能関係等もあり。殿様絵画やっぱおもろいわ。
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本坊一般公開記念 勝興寺展

2018-08-14 18:07:22 | Weblog
高岡市美術館 2018年7月27日~9月24日

 伏木の勝興寺は浄土真宗のお寺で、越中における布教の拠点土山御坊に由来し、本願寺とのつながりも強い。真宗寺院ということで縁組があり、また加賀藩の前田家とのつながりが強く、養子・婚姻があって、住持は還俗して藩主になった人もいる。西本願寺の阿弥陀堂を模した本堂も行けばよかった。現存の建物もいっぺんに建てられたものでなく、移築もあり、興味深い。美術品で有名なのは勝興寺本洛中洛外図屏風で、これはもちろん展示されている。原在中がここにもあった! 「布施海八勝」という新名所を都の歌人に詠ませてて、見返し絵を例によって在中が描いてるわけです。もしかして原派?な襖絵もあるし、横山華渓の衝立とか京都志向ですな~。ヘンテコ中国絵画(虎とカササギ、朝鮮ぽくもある)も。
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