蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

舟を編む

2013年05月03日 | 映画の感想
舟を編む(映画)

原作を読まずに見た。

私が読んだ三浦しをんさんの作品のほとんどが(妄想系の)エッセイであるせいか、どうも三浦さんの原作だと、BL系なのでは?と勘ぐってしまうのであった。
始まってすぐに、オダギリジョー演じる垢抜けた役柄の男(西岡)が、辞書編纂室にスカウトしようと、名前通り真面目一本槍のぼんやりした男(馬締)役の松田龍平に絡むシーンになったので、「やっぱり」と思ったが、そういう話では全くなかった。

国語辞書の編集の苦労話を主人公の恋愛と絡めて描くという極めて地味な題材なのだが、小林監督なので、かなりぶっ飛んだ展開になるのでは?と期待した。
しかし、メジャーな原作・製作者・出演者ということもあってか、映画としてはかなり地味で静かなシーンが続く。小林監督のもとでの宮崎さん(馬締の妻役)の演技は相当なものなのでは?という点においてもやや期待外れであった。

小林薫(ベテランの辞書編集者役)、宮崎あおい、オダギリジョー、とクセの強そうな俳優を並べて、しかし、敢てぐっと抑制したシーンを続けようというのが狙いだったのかもしれないが、それでも、この三人には圭角がちらっと覗くような筋立てや演出がよかったのではなかろうか、と思った。

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