骨餓身峠死人葛(野坂昭如 岩波現代文庫)
野坂さんの作品はあるアンソロジーで短編を一つ読んだことがあるだけで、まとまったものを読むのは初めてでした。
普通の本は章が立ててあったり、場面や視点が変わると空白行を入れたりしてあるので、ある程度ぼんやり読んでいても、ストーリーに置いていかれたりしないのですが、野坂さんの作品は、そういった区切りは意識して排除されていて、真面目に文面を追っていないといつのまにか別の人物の話になっていたりします。
最近中島敦さんの作品を読んでいた時にも感じたのですが、昔の作品でも、すぐれたものは今読んでも古びていなくて、むしろ最近あまり読んだことがないような文体や表現が新鮮で目新しさを感じさせるくらいです。
表題作は、ホラー小説的な「読者を怖がらせよう」という構成には全然なっていないのに、とても怖い、恐ろしい話です。
「人間なんて一皮むけばこんなもの」・・・うわべを繕わないと人間ほど怖いものはない。逆にいうと、うわべを繕っていられるだけの豊かな社会が続くように努力すべき、ということでしょうか。
野坂さんの作品はあるアンソロジーで短編を一つ読んだことがあるだけで、まとまったものを読むのは初めてでした。
普通の本は章が立ててあったり、場面や視点が変わると空白行を入れたりしてあるので、ある程度ぼんやり読んでいても、ストーリーに置いていかれたりしないのですが、野坂さんの作品は、そういった区切りは意識して排除されていて、真面目に文面を追っていないといつのまにか別の人物の話になっていたりします。
最近中島敦さんの作品を読んでいた時にも感じたのですが、昔の作品でも、すぐれたものは今読んでも古びていなくて、むしろ最近あまり読んだことがないような文体や表現が新鮮で目新しさを感じさせるくらいです。
表題作は、ホラー小説的な「読者を怖がらせよう」という構成には全然なっていないのに、とても怖い、恐ろしい話です。
「人間なんて一皮むけばこんなもの」・・・うわべを繕わないと人間ほど怖いものはない。逆にいうと、うわべを繕っていられるだけの豊かな社会が続くように努力すべき、ということでしょうか。
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