蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

天気の子(映画)

2019年08月12日 | 映画の感想
天気の子(映画)

16歳の主人公:帆高は、離島の実家から東京へ家出する。フェリーの中で知り合ったフリーライターの男(須賀)を訪ねて下働きに雇ってもらう。
繁華街で知り合いにあった陽菜は、祈れば雨模様の天気を晴れに変えることができる特殊な能力を持っていた。二人はその能力を生かしてカネ儲けを試みる。おりしも東京は長期間にわたる雨降りが続いており、「晴れ女」の商売はとても感謝されるが・・・という話。

主人公が16歳、陽菜もほぼ同年齢で、これまでの新海監督の作品と比べると、筋も単純でわかりやすいので、やや低めの年齢層を狙っているのか?とも思えた。もっとも(私が見た)公開2週目でも満席の映画館のほとんどは大人で埋まったいたけど・・・

事実上みなし児の陽菜とその弟:凪のつつましい生活や、帆高と3人で行き当たりばったりの逃避行に追い込まれるシーンは、(貧乏くさい話が好きな私の)好みのド真中を突いていた。特にやっともぐりこんだラブホテルで部屋に備え付けの(とても値段が高い)ジャンクフードを3人で食べカラオケで刹那的に盛り上がる場面が、深い哀しみを秘めていてジーンときた。

掃きだめにツル的な凪(小学生だが、とてもマセていて複数のカノジョを自在に操る)のキャラ立ちがすごくて、現在と未来のカレが主役のスピンオフとか作ってくれないかなあ(あるいは次回作の主人公にするとか)などと思った。

いつもの新海作品のように、電車や駅を描いたなんでもないシーンが妙にビビットに感情を刺激してくるのだが、本作では船(帆高が乗るフェリー等)の描写も新鮮で、印象に起こった。

東京では6~7月にかけて2カ月近くも雨模様の日が続いて、まさに本作の設定そのままのような天候だったので、観客は「晴れ女」のありがたみに共感しやすい状態になっていて本作に入れ込みやすかったと思う。新海監督、運も強いね??

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