蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ノーカントリー

2008年09月23日 | 映画の感想
ノーカントリー

ベトナム戦争帰りの主人公は、狩りの最中に偶然麻薬取引の現場(取引がこじれて全員が倒れた後)に放置された大金を手にいれる。
カネを奪われた組織は、凄腕の殺し屋を雇って主人公をさがさせる。

変な髪型、無表情、どうみても非効率な圧搾ボンベを武器にした殺し屋(ハビエル・バルデム)の醸し出す雰囲気に圧倒される。
常識とはかけはなれた感覚で手当たり次第に殺人を犯していくが、一方で負傷を自ら手際よく治療していく日常性みたいなものも持ち合わせているので、あるはずがないリアリティじみたものを感じてしまう。

追われる方の主人公も、慎重で、手際の良さも抜群。
「次はどうなる?」という期待でいつまでも映画を見続けていたくなる出来のよさだった。
音響効果がほとんど削られているのもサスペンスを盛り上げている。

トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官が、ところどころ絡んで映画に意味を持たせようとしているように思えるが、なくてもよかったと思う。最もそれでは「No Country for Old Men」というタイトルが成り立たないか。

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