蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ピエタ

2015年01月07日 | 本の感想
ピエタ(大島真寿美 ポプラ社)

主人公のエミーリアは、18世紀のヴェネチアのピエタという慈善院に捨てられ、そこで育てられた。
中年となった今でも院で暮らし、院の運営のかなめとなっていた。
院は事業でもある音楽活動をしており、その指導者はヴィヴァルディだったが、ウィーンで客死してしまう。
院の有力な支援者でエミーリアの友人でもあるヴェロニカは、昔自分が裏面に詩を書きつけた楽譜をヴィヴァルディの遺品から見つけ出してくれたら巨額の寄付をすると申し出る。エミーリアは楽譜をさがすうち、高級娼婦(コルティジャーナ)クラウディアと知り合う・・・という話。

評価の高い作品で、そのつもりで読んだせいか、ちょっと期待外れかな・・・という感じ。
私の読み方が悪いせいか、テーマがはっきりしないように思えた。
音楽、ヴィヴァルディの肖像、恋愛、親子関係、ヴェネツィアの風俗とか興亡といったところが、描きたいモノなのだと思うけど、どうも絞り切れていない感じ。
ドラマチックな展開もなく、楽譜の謎解きも「うーん」って感じだった。


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