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或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「蛇衆」(著:矢野 隆)

2011-12-23 10:52:23 | 【日常】些事雑感
 久々の時代物。文庫化の広告(だったと思う)を見てちょっと読んでみた。アクションつき時代劇という感じ。夢枕作品並みにほぼ1段落1文なので、読み進むのがすごく早い(笑)。

 読後感としては、最後の嘉近の種明かしには「ああ、なるほど」と思ったけど、総じて個人的には可もなく不可もなく。ストーリー展開はともかくとして、全体的に描写が相当あっさりしているので、物足りなさは残った。人物もそれなりに魅力的なのだが、思わず感情移入するようなところまではいかないというか。変な言い方かもしれないけど、内容は暗いけど作品の雰囲気はライトノベルっぽいなーという感じはした。
 とは言っても、私自身はこれまで時代物といったら司馬遼太郎や山岡壮八とかの、いかにもどっしりした作品しか読んでいないので、そういうところから来る違和感なのかもしれない。でも、そういう大御所作品を思い浮かべてみると、深みは違うよなぁと思ってしまうのは事実。そこはやっぱり人物の描き方から来るのかなぁと思う。

 ただ、キャラクター自体はそれぞれ個性を持っているし、蛇衆がここに至る前の話があったらそういうのもいろいろ出てきそうな気はするし、戦闘シーンも派手に作れそうだからアニメに向いてそう。←だからライトノベルなの? というツッコミもありそうだが。(笑)


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