相当久々なイーガン。長編なので例によって超ハードSFのつもりで気合入れて挑んだ……のだが、意外や意外、舞台は現代のイランの大きな動乱とその15年後。
というわけで、テクノロジー的にはちょっと進んだVRくらいのところの話になっている。妻を失い、病を得た自らの余命を知った父親が、自分の死後の幼い一人息子を案じて、クローンならぬヴァーチャルな自分を残そうとする。そういう技術の話はやっぱりSFだけど、それよりも父と子のドラマのほうが前面に出ていると強く感じる物語。
なので、今まで読んだいくつかのイーガン作品に比べると、これSFなのか? と思っちゃうくらいだった(笑)。ただ、人間をデータ化するというSF的手法をキーにして、人間の何たるかを考えさせられるのも事実である。そういう点はSFならではのアプローチだと思うし、最後の1行でもやっぱりSFだなあと思わされたのだった。こういうところが憎いイーガンである。
というわけで、テクノロジー的にはちょっと進んだVRくらいのところの話になっている。妻を失い、病を得た自らの余命を知った父親が、自分の死後の幼い一人息子を案じて、クローンならぬヴァーチャルな自分を残そうとする。そういう技術の話はやっぱりSFだけど、それよりも父と子のドラマのほうが前面に出ていると強く感じる物語。
なので、今まで読んだいくつかのイーガン作品に比べると、これSFなのか? と思っちゃうくらいだった(笑)。ただ、人間をデータ化するというSF的手法をキーにして、人間の何たるかを考えさせられるのも事実である。そういう点はSFならではのアプローチだと思うし、最後の1行でもやっぱりSFだなあと思わされたのだった。こういうところが憎いイーガンである。