life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

今さら全豪OPをちょっとだけ振り返る

2011-01-31 22:43:52 | 【スポーツ】素人感覚
 終わっちゃいましたー。
 とりあえず男子SFから言うと、まずトップハーフのマレーvsフェレール。個人的にはストレートでマレーかなと予想してたけど、フェレールもがんばってた。手負いとは言え、ナダルを破ったリズムのよさもあったのかも。

 で、ボトムハーフのフェデラーvsジョコビッチですが。
 どちらかというとジョコの方が勢いはありそうという気はしてたんだけど、それにしてもロジャーの負け方がちょっともったいなかったというか、らしくないというか。ライブスコアしか見てないんだけども、第1セットは全くお互い譲らずだったので、これはどっちが取ってもおかしくない状況ではあったと思う。
 けど、第2セットはフェデラーにしてはいかにもまずい。5-2からひっくり返されるって、それはないやろ……orz というのが正直なところで、ジョコ相手にこの落とし方をしたら勝てないだろうってそのまんまな試合になってしまった感じなんじゃないかと。朝日かどっかの新聞でちらっと見たところによると、「あんな弱気じゃダメ」みたいなことを自分で言っていたみたいだけど。なんで弱気になっちゃったんですかね。守りに入るようなプレイはロジャーらしくないぞ。それでなくても今は挑戦者なのに(ランキング1位に対しての、という意味で)。ちょっと今後が不安になる負け方ではありました。
 でも「後悔はしていない」という話でもある。まあ、フェデラーが公式のコメントで後ろ向きなこと言ったためしもまずないけど。

 こうなると決勝は「まあ、普通にジョコかなー」と思っちゃうわけですが。結局ストレートで決まったみたいで、同い年対決は今回、ジョコの貫禄勝ちって感じかな。
 マレー、フェデラーとファイナルやったときもこんな感じだったけど……GSファイナルを制す道は険しい。普通に考えたらTOP3の誰かと当たるんだから当たり前なんだけど、でも以前のデルポみたいに、1度はロジャーにこてんぱんにされちゃったけどやり返しました! みたいな優勝もあったりするので、ほんのちょっとの違いなんだよね、きっと。流れだったり気持ちのもって行き方だったり。って言うのは簡単だけど。(笑)
 あとはなんと言ってもナダルの具合が心配なので、詳報が知りたい……。クレイの季節を目の前にしているので特に。

 女子は女子で、李ががんばった! ウォズニアッキに勝ってのファイナル進出、すばらしかったー。そしてその李をファイナルで破ったキムもやっぱりすごい。残念なことにエナンが再び引退することになってしまったので、キムには(同胞だし)エナンの分もこれからもずっとがんばってもらいたいです。これでセリーナがちゃんとした形で戻ってくるとまた、どうなるのか楽しみ。(って、セリーナいつ戻ってこれるのか私はわかりませんが……)

言ってるそばから……orz な、全豪OP第2週

2011-01-26 22:55:10 | 【スポーツ】素人感覚
 つい3日前に、ソダリングも安定してるしナダルは磐石だねーとか思っていたにもかかわらず、舌の根も乾かぬ翌日にソダリングは負けてるし、おまけに今日はナダルがフェレールにストレート負けした……

 第1セットは「まあ、そんなこともあるよね」とか思ってたんだけど、スコア見てるとどうも明らかにフェレールの勢いが出ているし、これはこれでなんだか展開が面白くなってきたのかしら。とか思ってるうちにフェレールの2 sets upになってしまった。なので、いい加減「おや???」ってなったんだけど、首を傾げてるうちに、あれよあれよのゲームセット。何それ。
 どう考えたって普通の調子のナダルはこんな試合やらないだろう、と早々に上がった公式の記事を見てみたら、やっぱりナダルは故障を起こしていた。左太腿だそう。もともとは何かウィルスで体調を崩していて、それ自体は治癒したんだけれども、そのせいで体が弱っていたところにいつも通りの全力プレイという負荷がかかって、今回の残念な状況になってしまったというところ?(って、ちゃんと英文理解できてるのか怪しい。)

 それでもリタイアはしたくなかったので最後までやった、ということなんだそうだけど、フェレールももちろんラファの異変には気づいていたんだろうから、やりにくい部分もあって当然だろうとは思う。こういうときに相手にどう接するかといったら、やっぱりそのことに触れないというのが最良の選択肢なんだろうな。特に、リタイヤしたならともかく、試合をやり抜いた相手に対しては。
 ……というのを、フェレールのインタビューを読んで感じました。が、それにしても、やっぱりナダルには故障がついて回る……プレイスタイル上、どこかでそれが起きるのは理解はできるんだけど。ただ、今回は去年から4連続タイトル獲得でのグランドスラム達成が手に届くところにあったので、なお悔しかろうというか、もったいないというか。どうやら涙も見せたらしいという話を聞くと余計にね、懸けてきたものの今まで以上の大きさを感じてしまうので。

 しかしだ、改めて、やっぱり数字だけで勝敗見てても全然試合はわからんわーと痛切に思ったこの3日間。だってラファ、4回戦まで1セットも落としてなかったし。だからstatsだけ見ててもわからんっちゅー話なんだ(笑)。
 で、これで出揃った4強がフェデラーvsジョコ、マレーvsフェレール。この紆余曲折があってここまで来たら、もう何が起きても不思議じゃないという感じ。とはいえ、ジョコがやっぱりひときわ順調に見えるんだけど……なんだか2年前、いや3年前か、のツォンガとのファイナルが頭をよぎるぞ。

 逆に女子は、ヴィーナスのリタイヤ以外は勝つべき立場にいる人たち(TOP3)が勝ち上がってきているので、これはこれでまた群雄割拠感もあって面白いんだけど、とりあえず明日のSFですね。個人的には、キムとウォズニアッキの勝ち上がりに1票。なんとなく。

全豪OP第1週の様子をなんとなくおさらいしてみる

2011-01-23 23:40:21 | 【スポーツ】素人感覚
 しばら――くちゃんとツアーの様子も見ていないうちに年が明けてGS1戦目が始まっていた……というわけで、相変わらず中継を見られる環境を整えていないため(笑)スコアのみで見る全豪OP。

 なんといっても今回、錦織・森田と男女揃って3回戦まで駒を進めたことはとても喜ばしいことでした。森田はシード選手を破って勢いに乗れたのかなーって感じで、3回戦の相手も境遇はまあ近いかな? と思いましたが、さすがにヤンコビッチを破ってきただけある相手だったということか……でも、スコアを見る限りはいい試合になったみたいだったので、今後に期待が持てそう。
 錦織は錦織で、2回戦はダビデンコを破った(っていうかダビデンコ、こんなにランキング下がってたのか……)相手だったし、ランキング50位前後の相手にならもう全然引けはとらないのではないかという感じなんじゃないかと。ただ3回戦の相手のベルダスコは、そもそも2回戦のティプサレビッチに2 sets downから大逆転勝ち、おまけに第4セットはタイブレイク、なのに第5セットはベーグルという相変わらずとんでもない試合をして勝ち上がってきていた。さすがはベルダスコといったところで、結果的には完敗だった模様
 でも、同年代ではあのデルポも故障で躓いてからこっち、だいぶ苦労しているし、今回もバグダティスにすっかりやられてしまったりしてる(バグちゃんが勝ち上がってたのは嬉しかったけど。でもメルツァー戦でリタイアしてしまった)。まだまだ本当に若いし、ギルバート氏というとてもいいコーチについたことだし、体の強化を図りつつ、少しずつでいいからステップアップしてくれればと思う。

 で、今日でボトムハーフの4回戦まで終了したわけだけど、とりあえず男子で言えば、なんと言っても今日のロディックvsバブリンカじゃないかと……。ロディックがまさかのストレート負け。しかもなんだこのAceの差は(ロディック9:バブリンカ24)。いや確かにスタンくんは今大会、調子良さそうだなという勝ち上がり方はしてましたけどね、モンフィスにストレート勝ちしちゃったりとか。しかし、これは正直びっくりです。スタンくん、GSのQFでロジャーと同胞対決かぁ。どんな試合になるんだろう。
 フェデラーはフェデラーで、2回戦のvsシモンで2 sets upから追いつかれるというのがありましたが、シモンとGSでやったことなかった上に実は対戦成績は負けが先行してたということを、今回初めて知った(笑)。対戦回数そのものは少ないんだけど。ただこの結果で、シモンもシードが取れるところまで戻ってくるまでにはそう遠くないんじゃないかと期待したくなりました。

 ナダルは相変わらず磐石のようで全く危なげのない勝ち方だし、ジョコビッチもマレーも何の問題もなく見える。ソダリングもすっかり安定してきたし(やっぱターニングポイントは全仏でナダルに勝った試合なのかなぁ)、そういう意味ではベルディハも……今は確かにランキングが上だけど、ベルダスコにあっさりストレート勝ちして、ランキングがより固まってきた印象が出てきた。やっぱりこちらもウィンブルドンでロジャーに勝って弾みがついたような……
 今のナダルは何もしなくてもファイナルに行ってる気はしますが、ボトムハーフは実際どうなるかわからない。ドキドキしますが、まあなるようにしかならないので(笑)

 女子はセリーナが休んで以来ランキングもなんだかよくわからなくなってきていて(笑)、でも今のところトップのウォズニアッキは順調らしい。同じくトップハーフではペトコビッチがヴィーナスに勝ち、今日はシャラポワを破りと絶好調なので、もしかしてまだまだ行っちゃうかも~と思ったりもするけど、QFで対戦する李もいい感じ。あと、ボトムハーフではやっぱりキムにがんばってもらいたいかなぁ。エナンが負けてしまっているので。
 そういえば、今日のスキアボーネvsクズネツォワの試合は第3セットが30ゲームに突入してたけど……お疲れさまでした。

 そんなわけで、例によって映像はほとんど見てないですが結果だけ見ているGS観戦は一応今週も続く。多分。

「新装版 君について行こう(下)女房と宇宙飛行士たち」(著:向井 万起男)

2011-01-23 22:51:57 | 【書物】1点集中型
 上巻から引き続き。こちらは、L-45(Launch=シャトル打ち上げ……の45日前)から当日までのカウントダウンという形。

 千秋氏が1日ごとに宇宙へ近づいていく中で、NASAが宇宙飛行士という職業の人々に対してどれほどのケアを、しかも大きくはその精神面を踏まえたうえでのケアを行っているかがよりわかってくる。打ち上げの場面に立ち会う家族への待遇を見ると本当に、ここまでしてくれるのか~って感じ。
 確かに一般人からしたら「宇宙飛行士」は特別に感じる職業だけれども、そんな宇宙飛行士たちも実際本書に書かれてある通り、とんでもなく高い給料をもらっているわけではない。ただきっとその分(と言ったらおかしいかもしれないけど)、バックアップ体制を惜しまないということなんだろうなぁ。徹底している感じがして、しかもそれが単にチャーター機や宿の用意とかそういう「モノ」のことだけではない。特に、打ち上げの立ち会いの際に職員たちが、直系家族たちが打ち上げを見る場所から絶妙の距離をとって見守っているシーン。懐が深いなぁと思う。業務の性質上当たり前のことかもしれないけど、だからと言ってすべての職業でこんな対応がなされるかというと、社会って決してそうじゃないと思うので。

 L-45から無事打ち上げが終わるまでに宇宙飛行士たちが行う訓練や検査等々、はたまた宇宙飛行士の家族同士での交流会など、本当にいろんなことがあるのだけれども、そんないろいろなできごとの中で、著者が千秋氏の生き方を何度も見つめ直し、理解していくさまが、やっぱりいいなぁと思う。
 「女性として宇宙へ行くのではなく、一人の職業人として宇宙に仕事をしに行くのだ」と確固たる意志を持ち続けた千秋氏。その彼女の想いを、わかっているようでわかっていなかったのだと気づいた瞬間の著者が、そのことを本当に素直に受け容れているのが素敵だと思った。

 千秋氏が著者に面と向かって怒りをぶつけたりするシーンは本書の中には全くないし、実際ふだんもそういうことはないのだろうなと察するけれども、著者はそんな千秋氏の言葉のひとつひとつからちゃんと汲み取るべきときに汲み取るべきものを汲み取っている。「阿吽の呼吸」ってまさにこういうことを言うんだろうなー。
 千秋氏の、宇宙飛行士としての本当の仕事はもちろんシャトル打ち上げ以降が本番になるわけで、千秋氏が本当に大変だったのはこの本に書かれてある以降のことだと思うのだが、機会があればそっちの話に触れることができればいいなと思う。

 何はともあれ、楽しく読ませていただきました。他にもいくつかエッセイ等書かれているようなので、折を見て読んでみたいです。そういう意味では宮田珠己氏も穂村弘氏ももっと読みたい。

「テンペスト(上)(下)」(著:池上 永一)

2011-01-17 23:29:27 | 【書物】1点集中型
 池上氏作品初読み。琉球王国を舞台に描かれる一大スペクタクル歴史絵巻です。

 ……と、言いたいところだけれども、ストーリーがどうというよりもまずどうしても気になっちゃうのが、文中に現代語が多くて全体が無駄に軽い印象になっていること。台詞以外での「~なんて」の多用が特に子供っぽく感じられて個人的にちょっと……(笑)。
 ものすごく残念なのが、徐丁垓の下品すぎる(笑)台詞回し。あんまりにも下品すぎて逆に失笑しちゃうところがあって、せっかくの底知れない不気味キャラを殺しちゃってるような気がします。全体的に思ったことだけど、もっと重厚な語り口でもいいのになぁ、時代小説なんだし(しかし徐丁垓はほとんど妖怪なのである意味伝奇小説かも)。って好みの問題だけど。

 さて肝心の筋といえば、主人公は女性でありながら性を偽り宦官を名乗り、王宮政治の世界に飛び込む真鶴(寧温)。それが地位を追われて八重山に流されたものの、幸運な偶然によって今度は本当に女性として、王の側室として王宮へ戻ることになる。
 そんな波瀾万丈な人生模様のわりに本人があまりにも清いというか、正論すぎて、逆にぐっと迫る深みが足りないのがもったいない。いい子なんだけど、いろいろ悩んだりしてるんだけど、言ってしまえば「神」みたいな存在で、等身大の感じはあまりないのかも。
 逆に、上巻あれだけ鬱陶しかった真牛を下巻になってからだんだん応援したくなってきたりした(笑)。なんとなく、上巻でもある程度の信念(良いか悪いかは別にして)を持っているのは伝わっていたし、ジュリになってたときに一瞬、凄絶でありながらも凄愴な感じがしたので。突き抜け方はいちばんすごいと思う。

 結局、最後に真鶴は馬天ノロの勾玉を真牛に渡して、息子・明を形なりとも「即位」させたわけだけれども、何よりも国を豊かにしたいと願って役人になり、国土があれば王国がなくても人は生きていけるはずだと(寧温として)語った彼女が、親友・真美那の想いがあったからとは言え、敢えて即位の儀を行ったのは、うーん……。まあそれについて明の思うところもちゃんと琉歌で表現されているので、わかるんだけどね。真牛にも区切りが必要だったしね。

 全体のストーリー展開自体はめまぐるしくて、わりとハチャメチャ(笑)。なんか「おいおい」とツッコミ入れる前に話が次へ行ってて、物語のテンポを速めんがために、人物描写に「もう少しここを突っ込んでくれたら!」て感じに物足りなくなってる部分もある。たとえば朝薫や雅博の、寧温あるいは真鶴への想いの起伏や転換がもう一歩というか……。「え、こんなあっさり気持ち変わっちゃうの? 誤解しちゃうの?」みたいな、ちょっと強引な感じ?
 ただ、その話の速さについていきながらこの先どう転回(展開というより転回な気がする)するのかだんだん気になってきて、ちょっとずつハマっていってたような気はします。これが池上氏の思う壺なのかな?(笑)
 なので、お話自体は面白くないわけではない。歴史を背景にしているだけあって、当時の琉球の立ち位置とか、時代の流れとか改めて知ることのできるものもあるし。要するに「歴史もの」とか「大河ドラマ」みたいな大上段に構えるんじゃなくて、史実を下敷きにしたライトノベルとかB級娯楽映画(ドラマ)っぽい感覚で読むといいのかもしれない。

 もともと琉球王国という題材は好きだし(だから読んでみたというのもある)王宮の様子とか独特の文化とかを見るのは面白かったし、鮮やかな王国の風景を想像しながら読むのは楽しかった。
 池上氏は沖縄ものを多く書いている作家さんだということだけは知っているのだけれども、総じて文体とかこういう感じなんですかね。もしかしたら同じ沖縄でも、現代ものであれば文体に今回ほど違和感がないかもしれないので、他の作品も読んでみた方がノリは掴みやすいのかな。一応、「風車祭」とかちょっと気にはなってるので。ファンタジーは最近ご無沙汰だけど。
 ってこの「テンペスト」もある意味、ファンタジーですかね。読んでおいて今さらですが。(笑)

「新装版 君について行こう(上)女房は宇宙をめざす」(著:向井 万起男)

2011-01-17 23:14:29 | 【書物】1点集中型
 上下巻なので両方まとめて述べればいいのかもしれませんが、サブタイトルが別々だったので分けてみます。

 宇宙飛行士・向井千秋氏の「配偶者」万起男氏のものしたエッセイ。あの「宇宙兄弟」(って、読んだことないんだけど……なんかの本で1話だけ読めるようになっていたので、それだけさらっと立ち読みしたことはある)は、この著作にインスパイアされて生まれたものらしい。適度な口語調が読みやすく、当然笑いの要素も随所に盛り込まれていて読んでて楽しいし、千秋氏の一生懸命さが清々しい。
 大学での先輩・後輩だったお2人のなれそめに始まり、だんだん意気投合していく様子、千秋氏が宇宙飛行士を志した経緯、宇宙飛行士としての訓練を積んでいくところくらいまでが書かれてある。ご夫妻の人となりはもちろんのこと、ふだん身近にあるとは言えない宇宙飛行士という職業やNASA、JAXAについて「へえー」な話だらけで興味深い。

 しかし最も興味深いのは向井千秋という人のぶっ飛びぶりであり、それをなんの不思議もなく(「変わってる」と思うには思うにしても)自然に受け止めて受け容れている著者、そんなご夫妻の暮らし。千秋氏のぶっ飛んだ性格は、一言では言い表せないので一読するに如かずであります(笑)。「こんな人もいるのか!」と思うと同時に、何を措いても一心不乱にめざすところに向かっていく姿にはやっぱり憧れたりもする。
 ご夫妻、果たして恋から始まったかとどうかは不明だけど(笑)、でもとてもいい関係だなぁと思う。それもこれも、お2人とも「自分の生き方」が揺るがないからなんだろう。千秋氏のご家族も、宇宙飛行士仲間とその家族たちも、きっと根底には似通ったものがあるんだろうな。

 「清々しい」といえばやはり千秋氏のお師匠、高比良先生のこと。高比良先生との出会いがおそらく千秋氏の生き方を後押しもしてくれたのだろうことは、まさに書かれてある通り。千秋氏の口癖となった「凛々しく生きる」が、そういった経験に支えられて生まれたものだと知ると、わが身を省みて胸にぐっと食い込むような言葉になった。
 「凛々しく生きる」あるいは「清々しく生きる」。その言葉を覚えておくためだけに、最終的にはいつかこの本を手元に置いておくようになるんだろうなぁと思っている。←実は今のところまたまた借り物らしい。(笑)

 というわけで下巻も楽しみですー。

「そして誰もいなくなった」(著:アガサ・クリスティー/訳:清水 俊二)

2011-01-12 23:06:33 | 【書物】1点集中型
 言わずと知れた「ミステリの女王の最高傑作」。あまりに有名すぎて逆に手をつけていなかったもののひとつでしたが、やっと読んだ(笑)

 今や「ミステリと言えば推理小説」な感があるけど(かく言う私も今は昔、なぜか家にあった山村美紗でどんだけ時間を潰したか知れたものではなかったりして)、この物語はいわゆる犯人探しを楽しむタイプのミステリとは違う。解説にある通り、謎を解くヒントは全くと言っていいほど与えられていない。万一エピローグがなかったら、人ならざるものの仕業であるというオチでも不思議じゃないくらいである(ってそれじゃギャグになっちゃうけど)。
 童謡にのせて1人、また1人とインディアン人形とともに殺害されていく中で、登場人物たちと一緒に追い詰められていくような緊迫感を覚えながら終幕へ突き進んでいく。そして本当に「誰もいなくなった」ところで、エピローグという名の告白が待っている。

 追い詰められた人間の心がどのように蝕まれていくか、いっそ淡々と描かれているのが物語の真の恐ろしさ。だけど物語から目をそらすことは、読者にはもうできない。この感覚が、もしかしたらミステリ中毒を引き起こしてしまうのかも。当たり前のことだけど、推理小説=ミステリではないのだと改めて確認した作品でもあった。

5日に免許の更新をしたら

2011-01-07 23:14:25 | 【日常】些事雑感
 ICチップ入りになって本籍地の記載が消えて、中型免許になった。
 が、なんとこの免許証のICチップがSuicaやら会社の入退室管理カードのICチップと競合することが発覚!
 私はこれらを全部一緒に2つ折定期入れに入れて使ってるんだけど、 ここ2日ぐらい会社の読み取り機器やらJRの改札やらで全く無反応だったのである。「中に入れているものが変わってないのに……???」と不思議に思ったのだが、そういえば新しい免許証にICチップが入ったのではなかったかと思い出し、「でもまさかねー」と思いながら定期入れから免許証をよけて読み取り機器にかざしたら、ちゃんと反応したのである。がっかり……。

 仕方ないので免許証とそれ以外が別々のポケットになるように仕分けし直しましたが、それでもいちいち2つ折部分を開いて読み取り機器に当てなければいけなくなってしまったのが面倒。
 でもいろいろICチップ入りのものあるけど、今まで手持ちのもので競合したことなかったんですよ。航空会社のIC機能付きカードも。なのになんで免許証だけ……。そのへんちゃんと調べてIC化してほしかったなぁ。

 とは言え、実は私は完全なるペーパードライバーなので免許証は全く使っていません。(笑)
 なので、免許証をいっそ定期入れから出して財布にでも入れておけばすむ話なんだけど。ただ、今までできてたことができなくなるとものすごく不便に感じる。人間って勝手だ。というか私が怠惰なのだ。(笑)

 というわけで、遅ればせながらあけましておめでとうございます。