life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

東京駅からふらふら歩いて

2012-04-29 23:12:59 | 【旅】ぼちぼち放浪
 スーツ買っちゃいました。MANO garment complexの。個人的にここのスーツは相性が良くて普段使いしてるんだけど、地元から撤退しちゃって久しく(泣)今回せっかく寄れる場所まで来たからと寄ってみて、気に入ったのがあったので即決。
 形はシンプルだけどラインの綺麗なスティックパンツは、普段ついついブーツカット気味のパンツを選んでしまう私にとって変化がついて良いです。あと、ジャケットの襟の飾りボタンがスクエア型のスワロフスキー(……じゃなくて多分アクリルかなんかのガラス)だったり、裏地も凝ってたりするのがいい。それと胸ポケットと内ポケットは意外に重宝します。
 会計待ちの間に、綺麗なブルーと白のマリンぽいストールが目に入り、一瞬相当心惹かれまくったけど我慢した。昨日から買い物しすぎだから~。(笑)

 そのあとは「フェルメール 光の王国」展に行くべく、生まれて初めて銀座なる場所に足を踏み入れてみる。
 いわゆる複製画ではあるがフェルメールの全作品を一堂に集め、久石譲氏のBGMに乗せて鑑賞するといった趣の、同名書籍の著者・福岡伸一氏監修になる展覧会。本も読んでいたし、印刷による複製に関するドキュメンタリー番組も見ていたので、内容をなんとなく(笑)思い出しつつ鑑賞した。

 描かれた当時の色を再現する……と一言で言えば簡単だけど、複製作業の間中ずっと実物を傍に置いておけるわけでもなければ、絵具だけでなくキャンバスの質など、当時の条件と経年による変化をつぶさに研究しなければ、そこには到達できない。加えて、当たり前のことながら、描かれた当時の作品を見たことのある人間は、少なくとも生きている人間の中にはいないわけで……
 そこで生まれるのが今回のテーマとも言える「Re-create」、つまり福岡氏(と、スタッフの方々)なりの解釈で導き出されたフェルメールの表現。
 正直なところを言えば、「本物の油彩画と見紛うほど」というタイプのものではない。が、この「Re-create」の最重要点はそこではない。フェルメールがまさに描いた世界が、その鮮やかな色と光が、おそらく許される限りの精度でそこに表されているということが大事なのである。

 というわけで、「新しい解釈」としての「フェルメールはこう描いたんじゃないか」というひとつの提言的に、興味深く見せてもらった。全作品の再現ということで、知らなかった絵もいくつか知ることができたし。
 今年はあと、マウリッツハイス美術館展とかでまたフェルメールが見られる機会があるので、その時には今日見た色彩を思い出しながら見てみたいと思う。

今日は東京駅周辺

2012-04-29 13:47:32 | 【旅】ぼちぼち放浪
 三菱一号館美術館へ。今日は朝からいい天気。そして東京駅構内はおのぼりさんを怯えさせる広さ(笑)
 京葉線方面に向かうといきなりがら空きになってちょっとドキドキしたけど(笑)とりあえず道は合っていたらしく無事到着できた。良かった。

 予想していたより展示点数が多くて、意外に時間がかかったけど、今日はスケジュールに余裕があるので逆に満喫できた。型紙の彫りの気の遠くなるような細かさ、デザイン性の高さには本当に惚れ惚れした。思いがけず国芳や英泉の浮世絵が観れたのも嬉しかったし。どうせならショップにもっとファブリック小物があったら良かったのにな~。リバティとか江戸小紋とか。

 このあとは丸の内とか日本橋を少しぶらついてみようと思う。しかしその前に腹が減っている(笑)。

江ノ島から長谷へ戻る

2012-04-28 23:53:33 | 【旅】ぼちぼち放浪
 さすがに江ノ電もちょっと混んできた。そして長谷もやっぱり混んでいる。大仏方面大盛況。その途中でお気に入りの梅干しジャーキーを購入♪
 さらに、大仏に行くかと思いきや(誰が?)さらっとかわして、わりと最近できたらしいアクセサリー屋さん「YYossYY」を探しに行く。少し横道に逸れて、もろに住宅街にあった。ご自宅兼アトリエ兼ショップという感じかな。落ち着いた場所で、ちょっとお洒落な雰囲気。

 いろいろ見せていただいたが、繊細なデザインが多い。お店の方曰く、植物の雌しべをイメージしたモチーフのものとか、クロスをアレンジしたものとか。あと、ちょっとキッチュというかキュートなスカルモチーフもの。すごく小さくてぱっと見はわからないけど、良く見るとスカル。かわいい。
 素材もシルバーとかK18やK10でメッキじゃないのが個人的には良かった。ゴールドフィルドも嫌いじゃないんだけど、ちょうどイエローゴールドの繊細なネックレスが欲しいなーと思っていたので。デザインのユニークさと素材から考えると、決して高くはないと思う。また機会があったら是非来てみたい。

 そのあとはまたまた歩いて(笑)鎌倉駅まで出て、小町通りをとりあえず流し(「gram」のアクセサリーも好き。今回は買わなかったけども)やっぱり「腸詰屋」のソーセージを買い食いしてしまい(笑)一応八幡宮にお参りして、とりあえず湘南鎌倉ツアーは一段落。牡丹の花が見ごろということだったらしいが、折悪しくぼたん園が閉園時刻になっていた……無念。

 晩ごはんは横浜に寄り、ってーか中華街に寄り、久々に梅蘭焼きそばを食す。あさりのスープもやっぱり旨い。相当ガーリックが効いている。料理のサーブも早いので、かなりかっ込んだ感じ。腹が苦しい。(笑)
 というわけで、ほぼ食い倒れツアーとなった今回の鎌倉湘南巡り。でも食べたいものがちゃんと食べられたので満足です。足の甲に日焼け止め塗り忘れて、見事に日焼け跡ついちゃったけど(笑)

稲村ヶ崎から江ノ島まで

2012-04-28 23:04:33 | 【旅】ぼちぼち放浪
 昼ごはんのあとは、海沿いをのんびり歩いて江ノ島まで。陽射しがけっこうじりじりしてくる。でもいい天気なのは嬉しい。
 江ノ電沿線は全体的に、思ったほど人出も車通りも混んでいなかった。七里ヶ浜を過ぎると少し増えてきたけど、大概自分のペースで歩けた。いつもより早めの動き出しを心がけたのも良かったのかも(笑)

 で、いい感じに(?)暑くなったところで江ノ島にて、the market SE1のジェラートを!
 注文を受けてから果実入りソースを混ぜてくれるブルーベリーチーズケーキ(チーズクリームだったかも?)と、早採りトマト。しつこくないながらコクのあるミルクの味と、さらっとしたトマト。いい感じでした♪

昼ごはんは、長らく気になりつつも

2012-04-28 22:12:23 | 【旅】ぼちぼち放浪
 行けてなかった、稲村ヶ崎食堂にて。その名も「ムラ定」(「イナ定」もある)。
 ほどよく火が通った釜揚げしらすと濃厚な卵の黄身が絡んで、とても美味♪ 刺身に生のしらす、あとしらすのお吸い物と小鉢にと、食べきってみるとなかなかのボリューム。満足!

 朝は曇り模様だったけど、このころには晴れてきて、湘南の海の眺めも素敵だった。まさに海日和。今度はbillsでパンケーキを食べてみたい。←食べてばっか(笑)

GWなので、久しぶりに

2012-04-27 23:52:52 | 【旅】ぼちぼち放浪
 休みを取った!
 展覧会巡りだ!

 というわけで初の根津美術館。相当今さらだけど、行ったことなかったの……行けてないうちに改装期間に入っちゃったし。
 今回は見たまんま、光琳展なのだが、去年の春に開催予定だったのが震災の影響で中止になってしまったので、まる1年待ったことになる。待ちに待ちましたよ、根津美術館初体験も含めて。

 数はそんなに多くないんだけど(展示品リストでは25点)、燕子花図屏風と八橋図屏風が並んでるのはやっぱり壮観。思ったほど混んでなかったので、ゆっくり見られたし。逆に点数少ないのも良かったのかも。
 あと、抱一の「光琳百図」が見られたのも嬉しかった! 特に寿老人と鶴を描いた掛軸の写しのやつ。かわいすぎて見とれてしまった(笑)←どっちかってーと実は光琳より抱一の方が好きなのか? 自分。って感じがしてくる今日このごろ。

 それと、同時開催のテーマ展示も一通り見てみた。螺鈿細工が良かったなぁ~。精緻だし、図柄も素敵なものが多い。ストーリー性のあるものとか、蒔絵と合わせたのもやっぱり綺麗! 見る角度で色が変わるのも螺鈿ならでは。
 あと、「初夏の茶」のテーマ展示で抱一の掛軸が見れたのも良かった♪

 霧雨模様だったけど、庭園も少し散策して雰囲気を味わってみた。花の季節にまたゆっくり歩いてみたいなぁ。

 そして、そんなに強くはないもののなかなかやまない雨の中、駆け足で上野へ向かう(笑)

「黄金比はすべてを美しくするか?」(著:マリオ・リヴィオ/訳:斉藤 隆史)

2012-04-25 22:27:55 | 【書物】1点集中型
 副題「最も謎めいた『比率』をめぐる数学物語」。1:1.618...という数字はなんとなく知っていたけど、それがなぜ「黄金比」とされるに至ったのかが具体的にわかった本。
 そもそもの数の概念の起源、5という数と黄金比の結びつき、さらにフィボナッチ数列との関係性までをも紐解いてもらうと、Φの持つ規則性のエレガントさに感嘆するほかない。なんといっても、それが数字で見る規則性としてだけでなく、黄金樹やフラクタルなパターンという「形」としても見ることができるものだから。

 とはいえ、黄金比そのものが美しさを内包することは疑いようがないが、美しいと感じるものがすべて黄金比に基づくかといえば決してそうではない。「美しさ」というのはあくまで主観に基づく言葉であるから――というのが著者の主張でもある。
 確かに、規則性から生まれる図形や繰り返し(あるいはπやΦのような全く繰り返しのない数字の列)に対して、美だけではなくたとえば居心地の悪さを感じる場合も、人によってはあるだろうとは思う。こじつけもほどほどに、という話でもあるが、本書が示す数学の世界には充分魅了されたし、このようにエレガントな数論の示すものが、私個人にとっては華麗なマジックを見るような驚きとともに、「美しさ」のひとつの表れに対する気づきをもたらしてくれるものであることも事実である。

 こうやって何かの数が、別の何かに対する関連性を明らかにされ、その関連性がさらに科学の分野にまで繋がっていくのを見ると、数論って面白いものなんだなと思う。が、もうそれこそ酸度の飯より数学が好きで、あらゆる方向と方法で数をいじくり回すことに没頭する人々でなければ生み出せないものでもあるなぁとも思う。やはり何事も、次の一手をひねり出すためのアイディアが大事なのだ。

「順列都市(上)(下)」(著:グレッグ・イーガン/訳:山岸 真)

2012-04-12 23:26:08 | 【書物】1点集中型
 懲りずに読んでみるイーガン。この人の長編は、(当然だとは思うけど)短編より設定が入り組んでくる感じがするので、その土台を大体飲み込んで読み進めるのにエンジンがかかるまでに時間を要する(笑)。でも、基本的にはやっぱり「人間とは何ぞや」というところ。そういう意味では、表現は違えど「ディアスポラ」の世界にも通じてくるので、イーガンはここではどう答えを出すのだろうと興味深く、辛抱強く(笑)上巻を読み進めた。
 マリアが病の母に対して抱く想いと、<コピー>のポールがオリジナルのダラムに対して抱く想いと……トマスの、罪を犯した自らに対する想いと。それらがいよいよ繋がったときにポールの出した答えが下巻にあるのかなぁ、と思いつつ……。

 TVC宇宙(エリュシオン)が生まれる場面は、画を思い浮かべてちょっとわくわくした。しかし哀しいかな、肝になる「塵理論」をまともに理解できてないまま読み進めていたのだが、ストーリーの進行を追ううちに気にならなくなった(本当はそんな読み方じゃ魅力半減なんだろうけど)。
 造られた世界の中で創られた法則が、その世界そのものの在り方を変えてしまうというパラドックスが呼ぶ結末。無限の世界の創造と崩壊――この崩壊は「宇宙消失」も思い起こすクライマックスである。人間とは、生とは、死とは。
 トマスのどろどろな苦悩も人間っぽくていいけど、個人的にはピーの、突き抜けた感じのキャラクターが好きだ。すべてを受け容れて、かつ自由な。「唯一である自己」を取り戻したいと思うダラムの選んだ道には共感を覚えるが、ピーには羨望を感じる。

 しかしイーガン、例によって時間の規模があまりにも壮大で気が遠くなる(笑)。相変わらず長編は半分も読めた気がしていないが、やっぱり懲りずにこの先も読んでしまいそうな気がする。「ディアスポラ」もなんとなく再読しちゃったし(笑)。短編ももっと読みたいな。

「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」(著:福岡 伸一)

2012-04-06 22:02:15 | 【書物】1点集中型
 福岡氏の著書は「フェルメール 光の王国」以来2作目。当然、氏の専門分野は初めて読むことになったわけだが、平易な文章で門外漢にも理解しやすく書かれてあるので助かった。「脳にかけられた『バイアス』」はわかっているようで実はわかっていなかった錯覚の世界を理解させてくれるし、「ダイエットの科学」なんかもネタがネタだけにとっつきやすいし。
 生物の成り立ちは単に部品の組み立てからではなくて、常に流れ、流れながら変化することで平衡を保つものこそが生物だということ。それぞれが独立した器官のようでありながら、実はそうではない生命の構造。当たり前のようでいて、でもそれは今まで自分ではきちんと認識していなかったことだ。
 あと、やっぱり最後の「エレファントム」でのメイトリアークとシロナガスクジラのエピソード紹介が……人間などには窺い知ることのできない、生命の可能性の広がりを示しているように思う。

 最近、宇宙物理学方面の本を読むことが多かったので、生物学系というのもまた新鮮。読んでみて思ったのが、この「動的平衡」な考え方を、たとえばイーガンの(私自身が最近イーガンづいてるから)人間をソフトウェア化したら……というような世界と、どーにかして混ぜてみたらすごく面白い世界ができそう、とか。どうやって混ぜたら良いのかはわからないけども(笑)。