life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

Roddick said, "I got to play."

2012-08-31 23:20:37 | 【スポーツ】素人感覚
 8月も終盤になってんのに全然涼しくならない中で、例年通りGSの最後を飾る全米OPの季節ともなった。モバイルアプリが使えるようになって、スコア追っかけが非常に楽なのでありがたい(ATP/WTAライブスコアアプリも含めて)。

 ……と、試合中継は見られないまでもライブスコアとかダイジェストムービーである程度楽しめている(?)中で、とても残念なニュースが。ロディックが自身30歳の誕生日に、この大会を最後に引退を表明したとのこと。奥さんとも話しながらじっくり考えたことだそうだけど、「今は選手としてテニスを続ける事より、他に多くの物に興味が」って話、そういえばサフィンも引退のときにそういう意味合いのコメントしてなかったっけ(これはものすごくうろ覚えなので、全く嘘っぱちかもしれない。)。
 "I got to play."って、ものすごく簡単な単語で組み立てられた一言だけど、悲しいかな、私の貧弱な英語能力では、この一言の真意を正確に訳すことができない(泣)。ただ、プレイヤーとしてのロディックのすべてが詰まった言葉だということが、ひしひしと感じられるだけで。もちろん、そういう印象を受けさせるだけに、本当に素晴らしい見出しであると思うんだけども。この記事の。

 ここ数年の試合ではやっぱり(きっとあちこちで同じことが言われてると思うんだけれども)、'09年のウィンブルドンのファイナルvsロジャー。とにかくこの大会はロディックが強かった。この試合もサーブ絶好調、なんせサービスゲームの連続キープ37、見るからにメンタルも揺れがなく、最後の最後までほとんど隙がなかった。ファイナルセットは本当に50ゲームくらい普通に行くんちゃうかと思っていた。それくらい(フェデラーもそうだけど)安定していた。
 そんな状態のロディックの、最初で最後の隙を捉えたのがフェデラーだったわけだけれども、試合のインパクト以上に試合後のロディックの雰囲気がまたすごかった。今さら具体的に表現はできないけど、言ってみれば壮絶そのもの。とにかく、そんな場面も含めてロディックの試合としてはもう、私にとっては一生忘れられないだろう試合。

 超速のサーブで観客を魅了し、かと思えば審判に食ってかかってはネタになっていた、我らが愛すべきテキサスの暴れん坊。渾身のショットを放つときのあの、ほっぺたの膨らみ方が思い出される。これは実際、ネタでもある反面(笑)本気の感慨でもある。"a model of consistency"、まさにそれだからこそ、短気でもイラチでも暴言吐いても(笑)コートに立ってるアンディを見てるのが楽しかったのだ。

 ただ、ロディックの全米OPはまだ終わってないのが幸い。とは言ってももうすぐ、10時間もしないうちに次の試合が始まるんだけど。引退を決意する要因のひとつに間違いなく年齢(によるフィジカル面の不如意)があることを考えると、対戦相手が若手有望株のトミックだというのも、なんか感慨深いものがある。
 負けた試合がすなわち引退試合になってしまうわけで、やはりいざこうなるとそれを目の当たりにするのはできるだけ先延ばしにしたいので(笑)、1試合でも多くロディックがコートにいてくれると良いなと、強く思う。感傷もないとは言わないけど、正直な思いでもある。

 ていうか、実はキムも引退を決めているという話に今ごろぶち当たった(汗)。エナンといい、帰ってきてくれて嬉しかったけど、もう少し見たかったなぁ。そういえば、ロディックがキムに"Tennis loves you!"ってTweetしてたのが素敵だったなー。
 けどキムもまだミックスが残ってるので、そちらで1つでも多く試合してくれますように。アンディもそうだけど、お疲れさまを言うのは本当に全部終わってから。

 あと、"A-Rod"って、そうか! 言われてみれば確かにロディックもA-Rodだよね! と、今さら気づいた(笑)。

「ナチの亡霊(上)(下)」(著:ジェームズ・ロリンズ/訳:桑田 健)

2012-08-28 22:53:01 | 【書物】1点集中型
 当時最先端だったナチの科学技術のうち、謎のまま痕跡を残す「釣鐘」。その歴史的事実を題材に描かれた物語であるという点に惹かれて読み始めてみた。ヒマラヤ、ドイツ、南アフリカのできごとが少しずつ繋がっていく中で、生と死の境目を危なく綱渡りしていく登場人物たち。特にグレイの周りでは、シグマフォースの面目躍如か、一層緊迫感あり。科学者たちの議論も興味深く読める。
 ペインターがどうなるのか、モンクとキャットは幸せになれるのかとか(笑)気になることをたくさん抱えたまま、本格的な謎解きを期待して下巻へ進む。

 ……と、主要人物たちが南アフリカに集結したところで、敵の姿もいよいよ鮮明になるんだけど、はっきりしたらしたでまぁものすごく悪役らしい悪役たちではあった。この、敵対する側に対してどちらも葛藤を抱く必要がないくらいかっちり線が引けるのが、アメリカっぽい(笑)。けっこうなアクションがあるので、映像化したら面白いのかも。

 最後、ペインターに施した釣鐘の「治療」はちょっとしたファンタジーにも見えて、若干拍子抜けしたところもあるが、なるほど量子論をそう解釈するか~って感じでもあった。これまで、わからないなりにも量子論の本を多少読みかじったりしたおかげか、この作品で少し易しく解説しなおしてもらったような気にもなったりして。
 グレイはちょっと傷心することになりそうだけど、ひとまず落ち着けそうなモンクは指輪を取り返しに行くのかなぁ(笑)。そういう人間ドラマ的な点は気になるので、そういう意味で続きを読んでみるのもいいかなーとは思った。

「スクールボーイ閣下(上)(下)」(著:ジョン・ル・カレ/訳:村上 博基)

2012-08-24 22:52:06 | 【書物】1点集中型
 スマイリー3部作の2作目。「ティンカー、テイラー……」で苦労したおかげで(?)ストーリーの追い方がちょっとだけ進歩できた気がする(笑)。

 上巻ではスマイリーが、宿敵カーラのサーカスに残した密やかな足跡を辿るべくチームを動かしていく、その手際の鮮やかさに目を瞠る思い。明らかになるコウの半生とコリンズの不穏で締めくくられているが、謎解きはまだ序の口といったところか。個人的には、会議場でのスマイリーと外務省の駆け引きや、コニーとフォーンのキャラクターが面白かった(でも下巻も後半になると、そのフォーンのキャラがだんだん笑えなくなってくるくらいにして……)。

 下巻になるとまさにタイトル通りといったところで、「スクールボーイ」ジェリーの独壇場の雰囲気。工作員としての精力的な活動と、リジーに対する想いが二律背反になり、ルークの事件で文字通り「切れ」てしまったジェリーが迎える結末……。ジェリーとスマイリーが、お互いに気遣いあっているにも関わらず、ジェリーがリジーを愛したことから食い違いが生じていくのが、終末を不吉に暗示するようでもあった。
 そして、スマイリーにとっては犠牲を払ってやっと得た勝利のはずが、彼に従う人々にとっても、決して快い「再生」はもたらされなかった。スマイリー言うところの「世の中すべてを陰謀という見地から解釈することを覚えた」人々がさらけ出す虚無が、余韻として残る。

 ジェリーの姿に、高村薫「リヴィエラを撃て」のCIA工作員、ケリー・マッカンを思い出した(もしかしたら「照柿」の野田達夫にも似ているかも)。あの作品も大好きだし、ジェリーのそういう姿とスマイリーの内なる懊悩を見るにつけ、この誰も救われないような結末を見るにつけ、高村氏がル・カレに影響を受けている作家であるということがますます納得できた。

午前半休とって、

2012-08-16 22:46:38 | 【日常】些事雑感
 これを観てきた。@久々の道立近代美術館。

 輪郭線をはっきり描いた絹本の「南天」はとても端正で、風景画とは一線を画していてちょっと新鮮。一線を画すといえば、人物を描きこんだ(あの有名な自画像以外に)作品があるのも、珍しくていいなと思う。

 個人的に好きなのはやはり、北欧の「白夜光」。もう、どんだけ眺めていても飽きない(笑)。最初の1周はゆっくりでも1時間くらいで間に合っちゃうんだけど、予定が2時間あったので3周くらいして、中でも「白夜光」の前に座ってる(ちょうど休憩用の椅子があったから~)時間をこれでもかというくらいとった。
 あとは、「青響」や「残照」はもちろんだけど、水墨と見せて実は彩色の「雲湧く山峡」と、こちらは本当に水墨の六曲一隻屏風「山峡朝霧」なんかもたまらない。山を覆って煙る雲と、余白の使い方と、その静寂にため息が出るばかり。

 桜ものは、かの「花明り」と、「宵桜」の2作品。個人的には「宵桜」の方が好み。月と桜の花の形がはっきりしているのと、ぼんやりして見える山とのコントラストが好きだ。
 〆の2枚が、「行く秋」「夕星(絶筆)」なのも心憎い。「行く秋」は意外に立体的というか、上から樹の根元を覗き込んでいる感じが……なんか、自分が絵の中に入っているような気にもさせてくれる。「夕星」はもう雰囲気です。雰囲気。絶筆だからそう感じるのかもしれないけど、画家の命が描かれているように感じる。

 惜しむらくは、スポットライトのせいか、アクリル板への写り込みが強すぎて観にくい作品がけっこう目についてしまったこと……特に、同系色の微妙な階調を駆使して描かれた作品が観づらくなる。「郷愁」なんか大好きな作品なのに、どこから見ても納得できない(涙)。それでも必死になって、見るのに少しでもいい位置探したけど(笑)。

 鑑賞後は、美術館の西隣の区画にあるスープカレー「SOUL STORE」にてランチ。初めてのお店だけど、リーズナブルさにつられて(笑)ランチ限定の「鶏ごぼうと春雨豆腐のカリー」をいただいてみる。噂の揚げごぼうは拍子木のよう。でも絶妙にやわらかくなっていて、スプーンでも切れるくらい。
 スープはあっさり系だった。ハーブがいっぱい入っている。辛さは「2(普通)」にしたけど、辛いのが苦手(でもカレーは好き。)な私としては、「2」と「1(辛くない)」の間でも良かったかもと思った。もう少しコクがあってもいいかな? と思ったので、+100円のBOSSAスープの方がもしかしたら、私好みだったのかもしれない。でも、多めに見えたスープも食べてみればご飯と一緒に間食できる量だし、具だくさんでよかった。

「ディファレンス・エンジン」(著:ウィリアム・ギブスン&ブルース・スターリング/訳:黒丸 尚)

2012-08-11 23:27:10 | 【書物】1点集中型
 文庫の上下巻。著者名長くて文字制限に引っかかったので書けなかった(笑)。

 これを読もうと思ったのは、伊藤計劃の「The Indifference Engine」(一応2回読んだけど、感想をメモするタイミングを逃している)がきっかけ。円城塔との共著解説が載っていて、それがまたいかにもな感じの難解さで、じゃあ「これを書かせる本編はどんな話なんだ?」あるいは「この解説が指す『私』って結局何なんだ?」というわけで、その謎を自分なりに解明したかった、というか。
 しかしこの解説、解説だけど上巻についてるというあまりないパターン。不思議といえば不思議だが、解説と言っても一見相当意味不明とも見えるので、上巻を読み終わった時点で「これ(解説)下巻まで全部読まないと意味が理解できないんじゃないか?」と感じたのは事実である――だから今回本編読んだんだけど。そういう意味ではさすが、心憎い解説だ。

 時代設定が産業革命だからか、ガチガチのSFっぽいイメージはそれほど強くない。「機関(エンジン)」の具体性についてもそれほど詳しくは出ていないし。下巻を開くまで「差分事典」の存在に気づかなかったから、なんだよ~これ上巻にもつけてくれよ~とか思ったりして(笑)。
 だからどちらかというと、(上巻の時点では)ミステリ的な要素の方が強く感じられた。でもこういういかにも英国の時代ものっぽい雰囲気、好きだなぁ。暗い空と若干気障な紳士たち。そして陰謀。

 上巻が終わったところでは、謀略が垣間見えてきたような気がしたけど、その核心であるだろう紫檀の箱とその中の機関用カードの正体はまだわからない。それを媒介に最終的にはシビルとマロリーに接点が出てくるということかな? さらに何故か、からくり人形を携えた福沢諭吉をはじめとする日本人グループまで登場した日には、いったい下巻にどういう展開と結末があるのか全然想像できないなぁというところだった。

 で、いざ下巻に入ってみると……ぶっちゃけ、シビルとマロリーの直接の接点はなかったのである(笑)。その周りの人々とは結びつくけど。
 結局、ばら撒かれた謎はすべて解き明かされたわけではなく、なんとなくとっ散らかったままの印象もあるのだが、それでもやっぱり最後の2ページがすべて。うまく説明できないけど、この2ページに「ディファレンス・エンジン」の世界が丸ごと詰まっていることが、すとんと腑に落ちる。分岐した電光の枝、それらこれら5つの「反復」の物語なのだろうなと。だからつまるところ、起承転結を楽しむというよりは、蒸気機関で覆われたパラレルワールドそのものを堪能せよ、といったところか。ガーニーが走ってる姿とか想像しただけでけっこう楽しいと思っちゃうし、実際。

 世界観やこの時代の雰囲気は気に入っているので、それだけに自分にもともとの歴史に関する知識がほぼゼロなのが痛かったなーとは思う(まあ、わけがわかってないなりにも活劇的に楽しめたのは事実だが……それこそ雰囲気で)。おそらく、虚実の境界がわかる程度に史実を把握していれば、もっと面白く読めるんじゃないかなぁ。ぜひそうなってからもう一度チャレンジしたい、もっと理解したいと思わせる世界だった。せめて「差分事典」の半分くらいは呑み込めてる状態で(笑)。
 なので、なんかこう……この時代の壮大な歴史小説ないですかね。そういうの読んでからもう1回トライしたい(笑)

彦根城といえば

2012-08-04 22:30:02 | 【旅】ぼちぼち放浪
 外すわけにはいかない。
 ひこにゃん!!

 30分間限定の登場だけど、相当フォトジェニックなひこにゃん。動きも超――キュートで、ついアホみたいに撮りまくってしまった(笑)

 ひこにゃんには非の打ちどころはない(笑)けど、陽射しが強い分、影も強く出てしまったのが唯一残念な点。なので、秋冬の方が良く撮れるかも? とは思った(笑)
 でも、ひこにゃんの魅力には変わりありません!←わかったわかった(笑)

一昨日、昨日と

2012-08-04 22:20:24 | 【旅】ぼちぼち放浪
 滋賀に出張だったので、ついでに延泊して彦根城に行ってみた!

 天守閣の大きさは犬山城くらい? の印象。大手門橋から入って歩く距離はそれほど長くないので、疲れる前にたどり着ける。天気が良くて相当汗だくにはなったが(笑)
 強い陽射しが天守閣の白い壁に映えて綺麗だったー!

 西の丸まで一通り見て下るのが黒門山道だと思うんだけど、こちらの道は大手門橋側の大手山道に比べるとだいぶ険しい。なので、なるべくなら大手門橋側から上がる方がいいと思う。

 あと、彦根城博物館にも寄ったけど、思ったより展示点数や種類が多くて良かった(とは言えもちろん、大きいわけではないんだけども)。持って帰れる説明書きも展示ジャンルごとに細かく置いてあったし。
 能舞台とか、表御殿とかの建物がそのまま見られるのも良い。駆け足で回ってしまったけど、時間があったらもっとゆっくりしたい場所だな~。

 さて、これで国宝4城は3城制覇。あとは松本城を残すのみ!←って、いつ行くのか??