タマキング久々のアジア紀行ということで、例のぶっ飛んだ感覚を期待していた。帯にずらっと並んだ諸々のお題もタマキングらしい肩透かし的表現が満載だったし。
……が、いざ読んでみるとその期待が見事に裏切られた。他の著作でも触れられたことのある謎の足の痛みを著者はこのたび〈ペリー〉と名づけており、その〈ペリー〉と自身にとって経済的な意味で生きる糧ともなっている「旅」のあり方に向き合うことが主題なのである。のっけからいきなりMRIかなんかで宇宙に富んでいくとか、いつものように普通の顔して変な表現を織り交ぜているが、笑わせようとする雰囲気は全く感じられず、真面目な顔して自分の中へ中へ入り込みながら語っているとしか思えない。
哲学的とまでは言わないが、思惟する旅。って、実は「おわりに」で「私の旅は思索的深みの足りない観光旅行に過ぎない」ときっぱり書かれてるんだけど(笑)もの思う感覚がそこここに溢れているように、私には思えたのである。それがたとえタマキングらしい妄想であろうとも。いちいちネタを挙げていたらきりがないのだが、特に「シュノーケリングボートの男」「お前の存在など、単なる関数に過ぎない」あたりはすごく好きだ。
繰り返すが、私はこの本に、過去の著者のアジア紀行文にあったようなくだらな系爆笑旅行記を期待していたのである。なのに、爆笑ネタなんてほとんどないのである。にも関わらず猛烈に再読したくなったのである。
何気なさの中に適度な(ここ大事)深みを感じさせるのは、著者の経験のなせる業だろうか。自分自身、現実逃避したくなると目的もなく飛行機に乗りたくなる質なので、著者がこれらの旅に求めた感覚はとても納得いくものだった。
あと、ときどき表現が更に捉えどころのないSF風味になるところも個人的にはとても好き。そういう雰囲気も含めて、タマキングものとしては紀行文より日常エッセイに近い空気感があると思う。なんか結局そういう空気感に触れたくてこの人の本を読んでるのかもしれない。まあ、その一方でやっぱりアホアホ紀行文も読みたいわけだけど。とりあえずタマキング、早く小説書いてください(笑)
……が、いざ読んでみるとその期待が見事に裏切られた。他の著作でも触れられたことのある謎の足の痛みを著者はこのたび〈ペリー〉と名づけており、その〈ペリー〉と自身にとって経済的な意味で生きる糧ともなっている「旅」のあり方に向き合うことが主題なのである。のっけからいきなりMRIかなんかで宇宙に富んでいくとか、いつものように普通の顔して変な表現を織り交ぜているが、笑わせようとする雰囲気は全く感じられず、真面目な顔して自分の中へ中へ入り込みながら語っているとしか思えない。
哲学的とまでは言わないが、思惟する旅。って、実は「おわりに」で「私の旅は思索的深みの足りない観光旅行に過ぎない」ときっぱり書かれてるんだけど(笑)もの思う感覚がそこここに溢れているように、私には思えたのである。それがたとえタマキングらしい妄想であろうとも。いちいちネタを挙げていたらきりがないのだが、特に「シュノーケリングボートの男」「お前の存在など、単なる関数に過ぎない」あたりはすごく好きだ。
繰り返すが、私はこの本に、過去の著者のアジア紀行文にあったようなくだらな系爆笑旅行記を期待していたのである。なのに、爆笑ネタなんてほとんどないのである。にも関わらず猛烈に再読したくなったのである。
何気なさの中に適度な(ここ大事)深みを感じさせるのは、著者の経験のなせる業だろうか。自分自身、現実逃避したくなると目的もなく飛行機に乗りたくなる質なので、著者がこれらの旅に求めた感覚はとても納得いくものだった。
あと、ときどき表現が更に捉えどころのないSF風味になるところも個人的にはとても好き。そういう雰囲気も含めて、タマキングものとしては紀行文より日常エッセイに近い空気感があると思う。なんか結局そういう空気感に触れたくてこの人の本を読んでるのかもしれない。まあ、その一方でやっぱりアホアホ紀行文も読みたいわけだけど。とりあえずタマキング、早く小説書いてください(笑)