社会情勢に疎すぎる自分を何とかしたく(笑)池上氏の講義ならきっと! と思って読んでみた。期待通りのわかりやすい語り口で、基本として押さえるべきポイントから解説してくれる。特に「中東」なんて今までの自分の認識がいかに漠然としていたかあらためてよくわかって、社会人として赤面ものだったくらい(笑)。
唯一、「オウム真理教に理系大学生がはまったわけ」は、実際には「わけ」の部分はあまり見えないので章題と内容がちょっと違う印象があったけど、世界一般の宗教意識と日本の独自性の対比は面白かった。テーマをどのへんまでさかのぼって紐解いていけば(現在の)話がわかりやすくなるのかという見本みたいな感じ。
最終章の「君が日本の技術者ならサムスンに移籍しますか?」は、技術者たる東工大生にさりげなく自覚を促すさすがのテーマ。
学生それぞれの意見もいろいろな視点があるし、前の発表者の内容を受けてのものになっていたり、議論として成り立つものにもなっていて、池上氏の言う「『正しいこと』を自分で見つける」という作業そのものになっている。社会に出るとどうしても、自分の仮説を正しさを立証するために必要なものばかりを探す作業に気を取られがちなのだが、「物事を批判的に受け止めること」によって新しい視点が生まれ、そこから得るものも決して少なくはないはずだと、もう一度肝に銘じ直さなければならないとも思った。
唯一、「オウム真理教に理系大学生がはまったわけ」は、実際には「わけ」の部分はあまり見えないので章題と内容がちょっと違う印象があったけど、世界一般の宗教意識と日本の独自性の対比は面白かった。テーマをどのへんまでさかのぼって紐解いていけば(現在の)話がわかりやすくなるのかという見本みたいな感じ。
最終章の「君が日本の技術者ならサムスンに移籍しますか?」は、技術者たる東工大生にさりげなく自覚を促すさすがのテーマ。
学生それぞれの意見もいろいろな視点があるし、前の発表者の内容を受けてのものになっていたり、議論として成り立つものにもなっていて、池上氏の言う「『正しいこと』を自分で見つける」という作業そのものになっている。社会に出るとどうしても、自分の仮説を正しさを立証するために必要なものばかりを探す作業に気を取られがちなのだが、「物事を批判的に受け止めること」によって新しい視点が生まれ、そこから得るものも決して少なくはないはずだと、もう一度肝に銘じ直さなければならないとも思った。