映画「オデッセイ」の原作になったという「火星の人」は読んでないが、こちらは平積みされていた表紙が目に入り、気になって読んでみる。
通常のポーターの仕事の傍ら、地球からの密輸品ビジネスもこなしてい主人公たジャズが、生活のためにちょっと(だいぶ)危ない仕事に手を出してみたら、依頼人が消される羽目になって梯子が外されてしまった。結果、金も入らないうえに、依頼人を狙った何者かに追われる身になって踏んだり蹴ったりなのだが……というのが上巻での大体の話。
いろいろ因縁はあるものの能力としては頼れるジャズの周りの人々が、最終的には1つのチームとして機能していって、話がだんだん盛り上がってくる。特に治安官という立場のルーディと、ジャズと恋人を取り合った過去のあるデイルのそれぞれのジャズへの接し方が、単純に人間模様としても読んでいて楽しい。産業と政治に関わる話が絡みつつ、足元の自分の命を何とか守らなければならないというジャズの状況が、クライマックスではアルテミス全市民の存亡にかかわる事態を引き起こすことに。どんどん話が大きくなる(アルテミスの規模自体は小さいんだけど)冒険活劇だ。
ジャズの語り口調のノリがいまいち自分に合わないんだけど、月面都市アルテミスという環境は面白い。月という環境ならではのさまざまな制約と、EVAにしろポーターにしろ、カプセル・ルームにしろ、ジャズの生活の泥臭さの両方にリアリティが感じられるからかな。月面の環境だからこそのディテールが綿密に描かれているんだけど、いわゆるゴリゴリのハードSFほど理学寄りな感じではなくて、人体に与える影響とか目に見える部分で説明されるので、とっつきやすい。
最終的にはジャズにはまだもう一つ難関が残っていて、それがまた妙な解決に。なんつーか、まるっと収めました! って感じで、そこは妙にあっさりしたけど(笑)自治の強い世界というのは得てしてこんな社会なのかもしれないなぁ。まずは誰かが引っ張っていかないと、という状態か。その意味では、大森望氏の解説の「開拓時代」という表現がぴったりなのかも。
通常のポーターの仕事の傍ら、地球からの密輸品ビジネスもこなしてい主人公たジャズが、生活のためにちょっと(だいぶ)危ない仕事に手を出してみたら、依頼人が消される羽目になって梯子が外されてしまった。結果、金も入らないうえに、依頼人を狙った何者かに追われる身になって踏んだり蹴ったりなのだが……というのが上巻での大体の話。
いろいろ因縁はあるものの能力としては頼れるジャズの周りの人々が、最終的には1つのチームとして機能していって、話がだんだん盛り上がってくる。特に治安官という立場のルーディと、ジャズと恋人を取り合った過去のあるデイルのそれぞれのジャズへの接し方が、単純に人間模様としても読んでいて楽しい。産業と政治に関わる話が絡みつつ、足元の自分の命を何とか守らなければならないというジャズの状況が、クライマックスではアルテミス全市民の存亡にかかわる事態を引き起こすことに。どんどん話が大きくなる(アルテミスの規模自体は小さいんだけど)冒険活劇だ。
ジャズの語り口調のノリがいまいち自分に合わないんだけど、月面都市アルテミスという環境は面白い。月という環境ならではのさまざまな制約と、EVAにしろポーターにしろ、カプセル・ルームにしろ、ジャズの生活の泥臭さの両方にリアリティが感じられるからかな。月面の環境だからこそのディテールが綿密に描かれているんだけど、いわゆるゴリゴリのハードSFほど理学寄りな感じではなくて、人体に与える影響とか目に見える部分で説明されるので、とっつきやすい。
最終的にはジャズにはまだもう一つ難関が残っていて、それがまた妙な解決に。なんつーか、まるっと収めました! って感じで、そこは妙にあっさりしたけど(笑)自治の強い世界というのは得てしてこんな社会なのかもしれないなぁ。まずは誰かが引っ張っていかないと、という状態か。その意味では、大森望氏の解説の「開拓時代」という表現がぴったりなのかも。