言わずと知れた奥田氏のアテネオリンピック観戦記。つまり、北京どころかアテネの話を今さら読んでいる私、というわけですが。
文中いたるところで炸裂する、痛快なる奥田節。「海外旅行なんて、好きじゃない」とのたまいつつ、行けば行ったで当然野球のみならず柔道も陸上も見れる競技はすべて、そしてアテネの街も食い物もしっかり楽しんでおられます。いいなぁ。
個人的にとてもおかしかったのが、ヘリニコでの野球観戦でチャイニーズ・タイペイの応援が「空耳アワー的に聞こえ」るというくだり。
「土地返せ! 土地返せ!」こんなふうにも聞こえた。
おまえら、尖閣諸島は日本の領土だからな。知らず知らずのうちにこっちも目が吊り上がる。
……とまぁ、まさしく今の社会情勢にどんぴしゃになってしまっていて、変なツボに入りました。いや、こんにちの問題は笑い事ではないのですが、それは置いといて、各競技場の観客席での「領土問題」には笑えたし、これもお国柄の違いかぁと思うと妙に感心してしまうところもありました。
肝心の野球に関して言えば、私自身はアテネの野球チーム内には思い入れを持ってる選手も多かったこともあって、奥田氏の見方すべてに首肯はできないのは事実です。ノリが銅メダルをそれでも「うれしい」と言ったことは、シドニー(で初めてプロがアマに割って入ったのにメダルを逃した)のことがあったからだと思っているし。
が、奥田氏のご意見ごもっともな部分は多々あります。つーか、前述のような細かいこと以外は「そうそう! そうだよね!」って話が多いです。今さらながら自分のオリンピック観戦の様子(かなりちょこっとしか見てないけど)をメモした過去blogを見返して、上原氏に相当とほほな思いをしたのを改めて思い出したし(笑)、オーストラリア戦9回の城島のセフティバントで勝負を諦めたのも思い出したし。観客席から変な声が聞こえてきたのも思い出したし(笑)。
しかし今さら改めて思うのは、日本野球のナショナルチームとしてこの苦い経験があったのに北京がアレだったことですよ……。
まあ、アテネの野球のことをそれこそ今さらほじくり返しても仕方ないわけですが(笑)
それより何より、この本ではやっぱり奥田氏のスポーツの楽しみ方を見る(読む)のが楽しかったです。テレビ等で過剰にショウアップされた商業イベントとしてのオリンピックでなく、競技としてのスポーツが世界最高のレベルで見られることを純粋に楽しむ。「スポーツにおけるファースト・プライオリティは美しさ」、これには全く同感です。どんな競技であれ、高みにある選手は必ず何か、「美しい」と見惚れさせる一瞬があると思います。
そういう意味では将棋や碁でも、対局中に、人を惹きつける表情を見せてくれたりするし。スポーツらしいスポーツではないけど、ああいったものもある意味、スポーツだと思います。思考のスポーツ。精神力に伴う体力だって必要だと思うので。
さて、こうなったら「野球の国」もやっぱり読まないといけないかなー?
文中いたるところで炸裂する、痛快なる奥田節。「海外旅行なんて、好きじゃない」とのたまいつつ、行けば行ったで当然野球のみならず柔道も陸上も見れる競技はすべて、そしてアテネの街も食い物もしっかり楽しんでおられます。いいなぁ。
個人的にとてもおかしかったのが、ヘリニコでの野球観戦でチャイニーズ・タイペイの応援が「空耳アワー的に聞こえ」るというくだり。
「土地返せ! 土地返せ!」こんなふうにも聞こえた。
おまえら、尖閣諸島は日本の領土だからな。知らず知らずのうちにこっちも目が吊り上がる。
(「泳いで帰れ」本文より)
……とまぁ、まさしく今の社会情勢にどんぴしゃになってしまっていて、変なツボに入りました。いや、こんにちの問題は笑い事ではないのですが、それは置いといて、各競技場の観客席での「領土問題」には笑えたし、これもお国柄の違いかぁと思うと妙に感心してしまうところもありました。
肝心の野球に関して言えば、私自身はアテネの野球チーム内には思い入れを持ってる選手も多かったこともあって、奥田氏の見方すべてに首肯はできないのは事実です。ノリが銅メダルをそれでも「うれしい」と言ったことは、シドニー(で初めてプロがアマに割って入ったのにメダルを逃した)のことがあったからだと思っているし。
が、奥田氏のご意見ごもっともな部分は多々あります。つーか、前述のような細かいこと以外は「そうそう! そうだよね!」って話が多いです。今さらながら自分のオリンピック観戦の様子(かなりちょこっとしか見てないけど)をメモした過去blogを見返して、上原氏に相当とほほな思いをしたのを改めて思い出したし(笑)、オーストラリア戦9回の城島のセフティバントで勝負を諦めたのも思い出したし。観客席から変な声が聞こえてきたのも思い出したし(笑)。
しかし今さら改めて思うのは、日本野球のナショナルチームとしてこの苦い経験があったのに北京がアレだったことですよ……。
まあ、アテネの野球のことをそれこそ今さらほじくり返しても仕方ないわけですが(笑)
それより何より、この本ではやっぱり奥田氏のスポーツの楽しみ方を見る(読む)のが楽しかったです。テレビ等で過剰にショウアップされた商業イベントとしてのオリンピックでなく、競技としてのスポーツが世界最高のレベルで見られることを純粋に楽しむ。「スポーツにおけるファースト・プライオリティは美しさ」、これには全く同感です。どんな競技であれ、高みにある選手は必ず何か、「美しい」と見惚れさせる一瞬があると思います。
そういう意味では将棋や碁でも、対局中に、人を惹きつける表情を見せてくれたりするし。スポーツらしいスポーツではないけど、ああいったものもある意味、スポーツだと思います。思考のスポーツ。精神力に伴う体力だって必要だと思うので。
さて、こうなったら「野球の国」もやっぱり読まないといけないかなー?