上下巻もの。タイトルが面白いのでついつい気になってしまった。しかし借りてから知ったけども、この物語の前に「ドゥームズデイ・ブック」があるんだな。「グレイマン」シリーズに引き続き、また順番間違えちゃったよ(笑)。
ざっと読んでみた感じでは、スラップスティックなタイムトラベル。横暴なレイディ・シュラプネルが捜し求める「主教の鳥株」の手がかりを探しに、史学生ネッドは21世紀から1940年に「降下」を繰り返していたが、挙句の果てに疲労困憊でタイムラグ――「タイムトラベルぼけ」的な症状――に陥ってしまい、「療養」と称して1888年ヴィクトリア朝に送られることになる。
そこでネッドが出会う人々や犬や猫がいちいち個性的すぎて、もうなんだかそれだけでいい感じ(笑)。ボートでの航行とか金魚好きの大学教授とか、「ボートの三人男」の本物が登場するとか。
雰囲気的には、自分が読んだことのある作品の中から言うと「タイタンの妖女」と「銀河ヒッチハイク・ガイド」を足して2で割った感じか?(あくまで個人の感想です。)おかげさまで上巻では全然謎解きが進んでない感じもするんだが、もうそれは最後に帳尻合わせてくれればそれでいいかなって。
下巻もやっぱり基本はドタバタ、そしてミステリ、ラブコメ風味。でもちゃんとSFしている。ネットの謎、主教の鳥株の謎、ミスターCの謎。歴史は結果としてひとつだけど、結果になるまではカオス系。いくつもの過去に翻弄されつつ、カオスがちゃんと連続体に収束する謎解き(種明かし)がお見事である。
それにしても、ネッドも大変だがとにかくベインを応援したくなる(笑)。タイムトラベルというネタが柱なので第一義的にSFになるのだろうけど、SF苦手な人でも楽しめるエンタテインメント要素は充分に持ってるんじゃないだろうか。
登場人物の台詞に聖書や文学作品(しかも詩とか。特にテニスン。全然知らないけど。あとシェイクスピア)からの引用が多いんだけど、出典元を全然読んでもいないのに、意外にややこしくは感じない。ドタバタだらけで話が進んでるような進んでないようななんだけど、ヴェリティのヴィクトリア朝への適応っぷりとか、思わぬところでフィンチ登場! にはけっこう笑わせてもらった。フィンチ、語りが大真面目に天然っぽいし。本当は違うけど。
あと、なんといってもテレンスのシリルへの溺愛っぷりと、シリルの表情の描写がかわいすぎる(笑)。プリンセス・アージュマンドともども、ネッドへの懐きっぷり&寝床の占領などのお邪魔ぶりも相当笑える。全体的に、大森氏の訳が作品にぴったりなんだろうなぁ。
まあ、最後は犬より猫って感じになっちゃったけど、それはもういいや。一応みんなにとってのハッピーエンドだったし(笑)多分。
しかし、この作品が読んでてこれだけ楽しいとなると、本家(っていうのもちょっと違うが)ジェロームの「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」も読まなくてはならないではないか(笑)。さらにそれをウィリスが知るきっかけになったハインラインの「大宇宙の少年」も、やっぱり読まないといけない気になるではないか! いつになるかわからないけども。
ざっと読んでみた感じでは、スラップスティックなタイムトラベル。横暴なレイディ・シュラプネルが捜し求める「主教の鳥株」の手がかりを探しに、史学生ネッドは21世紀から1940年に「降下」を繰り返していたが、挙句の果てに疲労困憊でタイムラグ――「タイムトラベルぼけ」的な症状――に陥ってしまい、「療養」と称して1888年ヴィクトリア朝に送られることになる。
そこでネッドが出会う人々や犬や猫がいちいち個性的すぎて、もうなんだかそれだけでいい感じ(笑)。ボートでの航行とか金魚好きの大学教授とか、「ボートの三人男」の本物が登場するとか。
雰囲気的には、自分が読んだことのある作品の中から言うと「タイタンの妖女」と「銀河ヒッチハイク・ガイド」を足して2で割った感じか?(あくまで個人の感想です。)おかげさまで上巻では全然謎解きが進んでない感じもするんだが、もうそれは最後に帳尻合わせてくれればそれでいいかなって。
下巻もやっぱり基本はドタバタ、そしてミステリ、ラブコメ風味。でもちゃんとSFしている。ネットの謎、主教の鳥株の謎、ミスターCの謎。歴史は結果としてひとつだけど、結果になるまではカオス系。いくつもの過去に翻弄されつつ、カオスがちゃんと連続体に収束する謎解き(種明かし)がお見事である。
それにしても、ネッドも大変だがとにかくベインを応援したくなる(笑)。タイムトラベルというネタが柱なので第一義的にSFになるのだろうけど、SF苦手な人でも楽しめるエンタテインメント要素は充分に持ってるんじゃないだろうか。
登場人物の台詞に聖書や文学作品(しかも詩とか。特にテニスン。全然知らないけど。あとシェイクスピア)からの引用が多いんだけど、出典元を全然読んでもいないのに、意外にややこしくは感じない。ドタバタだらけで話が進んでるような進んでないようななんだけど、ヴェリティのヴィクトリア朝への適応っぷりとか、思わぬところでフィンチ登場! にはけっこう笑わせてもらった。フィンチ、語りが大真面目に天然っぽいし。本当は違うけど。
あと、なんといってもテレンスのシリルへの溺愛っぷりと、シリルの表情の描写がかわいすぎる(笑)。プリンセス・アージュマンドともども、ネッドへの懐きっぷり&寝床の占領などのお邪魔ぶりも相当笑える。全体的に、大森氏の訳が作品にぴったりなんだろうなぁ。
まあ、最後は犬より猫って感じになっちゃったけど、それはもういいや。一応みんなにとってのハッピーエンドだったし(笑)多分。
しかし、この作品が読んでてこれだけ楽しいとなると、本家(っていうのもちょっと違うが)ジェロームの「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」も読まなくてはならないではないか(笑)。さらにそれをウィリスが知るきっかけになったハインラインの「大宇宙の少年」も、やっぱり読まないといけない気になるではないか! いつになるかわからないけども。