life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

なんとなく鎌倉方面に行ってみた。

2013-11-30 23:59:51 | 【旅】ぼちぼち放浪
 特に何を観る予定もなく、単に「梅之助梅太郎」の梅干しジャーキーを補充することを主目的に(笑)。

 でもまず、あてはないけど(笑)とりあえず北鎌倉で降りて歩き始め……たとたんに、ちょっと気になるお店を発見。早速テイクアウトしてみる(笑)
 スープは6種類あって、漢方の観点から体調に合わせて選ぶといいよ、みたいなメニューになっている。今回は葱と生姜、牛蒡主体のピリ辛スープ。具だくさんでおいしかった! ほかのもまた試してみたい。

 そしてぶらぶら歩いて鶴岡八幡宮にたどり着き、お参りし、境内を降りて、毎度のことながら(笑)小町通りの「腸詰屋」で熱々のハーブフランクを食す。
 で、江ノ電で長谷へ向かう前には、これまた例によって(笑)駅ナカ売店で「鎌倉ハム」のおつまみ系を買ってしまう羽目に。ドライベーコンが旨いんだよね……。今回はサラミもつけちゃった。

 長谷ではまず「梅之助梅太郎」に直行……と思ったら途中の駄菓子屋さんで「オリオン」のココアシガレットの鎌倉大仏バージョンなんぞが1個50円で売っていた。パッケージも素晴らしくチャーミングだった(笑)ので、お土産に最適だ! とばかりにがっつり買い込んだ(笑)
 そして目的の梅干しジャーキーと干し梅やらを仕入れ、(さっきスープ食べたばっかなのに)さて昼飯とばかりに、すぐそばの「鎌倉土鍋ごはんkaedena.」へ。

 季節限定メニューから「炙り牡蠣の土鍋ごはん」に。季節限定はほかに2品あり、定番メニューは湘南といえば……の、しらすをはじめ5、6品あったかな? もう少しあったかも。
 ごはんはだし汁で炊いてあって、味噌汁と、鎌倉野菜と旬の魚のサラダ、里芋の練り豆腐(食感は胡麻豆腐に似てるかも。味は違うけど)、鶏肉と野菜の炊き合わせ、と盛りだくさん。どれも優しい味つけで食が進む♪ 全メニュー食べてみたい!(笑)
 そのあとはデザートに(笑)「鎌倉ジェラート」をやはり食べておく。甲州ぶどう、おいしかった♪ ちなみに小町通りの「イル・ブリガンテ」もミルク系が濃厚なのがとても良いんだけど、今回はそれに合わせたい好みのフルーツ系が少なかったので断念してこっちにしました。

 あとは、せっかく長谷に来たので長谷寺へ……というところで、メインストリートが混んでいるので1本脇の道に逸れたら、別のお寺にたどり着いた。光則寺というお寺で、小さいながらお庭にいろんな植物が植わっていて、特に味のある梅の木が多かったので、季節になったら良さそうだな~と思った。
 道を戻って相変わらず盛況の長谷寺に向かい、観音様を拝んで、ちょっと散策をしたあと、さらにおやつを探す。←どんだけ食い続けるのか(笑)

 今回は、ワインでちょっと1杯やる感じのお店「MARE」で、テイクアウトで出している包み揚げピッツァ。しらすとチーズにしてみる。熱々で、油はしっかりしてるんだけどそんなにしつこくなく、食べやすい。しらすとトマトもあって、そちらも魅力的である。

 いい加減食べ尽くしたあと(笑)、横浜まで出て元町に寄る。関東に来た時にしか寄れない「MANO garment complex」を見てみたかった。ここのスーツが自分の体型にいちばん近い気がして好きなのだ。今回も、ネイビーにワインレッドのストラップの入ったスーツが、ふだん赤系をあまり買わないんだけどそれだけに「あってもいいかも」という感じで買ってしまいました……2点セールやってたし。
 そして終着(笑)は中華街。「大新圓」にてゆでワンタンと焼きワンタン、豚バラ煮込み(花巻付き)など食す。もういい加減食い過ぎなので(笑)かなりゆる~いペースで食っていたが、ワンタンの海老がぷりぷりで旨かったな~。ゆでワンタンはつるっとしてていくらでも食べられそうだった。今日は無理だったけど(笑)

 最後はふらふらと土産を物色し、中華街だけど「横濱シルクアーモンド」を見つけちゃったので買ってしまう(笑)。個人的に、横浜で1、2を争う好きなお土産ものお菓子なんだけど、空港には置いてないのでなかなか買う機会がないのだ。
 まあ、歩くには歩いたので疲れはしたけど、いっぱい食べたし(笑)無駄金遣いな気はするけど収穫もあったし(無駄金ならば無駄なのでは……)堪能できましたっ。

で、ターナー展。

2013-11-29 23:46:44 | 【旅】ぼちぼち放浪
 17時も過ぎたら、東京ももうすっかり夜やなーと。札幌よりは遅いにしても。

 ターナーは、勝手に、精密画タイプだと思い込んでたけど、晩年はほとんど印象派か抽象画かと思うような、色彩だけで描かれてるような作品が多かった。けっこう好きだけど、印象派はものすごく好きというわけではないので、やっぱりちょっと違いがあるんだろうなぁ。
 あと、素描っぽい仕上がりの水彩画も多くて、実はそういうのこそじっと見入ってしまったりして。なんだろうな、画家の持つタッチというか、根本の描写力が一段とリアルに感じられるような。だから、習作の出品も多いんだけどそれもまた味があって良かった。

 年明けには国立博物館と東京都美術館で「日本美術の祭典」と銘打って3連発があるらしい。3つ全部行けるのか? 行けるなら共通前売券が絶対お得なのだが……迷う。(笑)
 あとサントリー美術館の「伊万里」も気になる。それにしてもフライヤーが相変わらず秀逸なサントリー美術館。いいなぁ。

「日曜美術館」を観て、

2013-11-29 22:56:43 | 【旅】ぼちぼち放浪
 「光悦」展をやってると知って、初めてここに来た。
 書が多かったので、読めないから(笑)そっちは全然わからないけど、宗達とのコラボレーションは好きだし、なんと言っても茶碗が良いなぁと。赤と黒なら、好みは黒楽。黒がこんなに深く見えるなんて……としみじみ思う。茶の湯、禅、宇宙……眺めてて全く飽きなかった。眼福。

「ある秘密」(著:フィリップ・グランベール/訳:野崎 歓)

2013-11-24 22:30:42 | 【書物】1点集中型
 ひとりっ子の「ぼく」が日夜思い描く空想の兄。しかしある日、彼は本当に兄がいたのではないかと思える形跡を見つける。家族には何か、自分に知らされていない秘密があるのではないか。疑問を持ちながらも常に両親を深く敬愛する「ぼく」が、中学校で第二次大戦の記録映画「山」を見たことをきっかけに、その秘密に踏み込むことになる。

 大きな題材は戦時下のユダヤ人への迫害でありホロコーストだけれども、この家族にはさらにマクシムとアンナとタニヤの微妙な関係がある。その2つが絡まりあって、あの時代の流れがたくさんの家族に対してもたらしたさまざまな破局のうちのひとつが描かれていくのだ。
 それらの秘密を知り、自分がかつ知ったそれらのことを両親に秘密にしたまま成長した「ぼく」は、兄の生きた証を別の形で見つける。そしてついにそれをきっかけに、両親がずっと抱き続けてきたのであろう後悔や痛み、つまり「秘密」という荷から、両親たち自身を解放することを選ぶ。両親にとっては、本当に戦争が終わったのはそのときとも言えるかも知れないそのシーンが、とても心に残る。

 静かに明かされていく「秘密」は、人間の感情の生々しい部分も包み隠さない。そこには圧倒的なリアリティが感じられる。でも、そのリアリティは単にこれがフィクションではないということだけが理由なのではないと思う。著者が「残ったのは骨の部分だけでした。結局、それだけが必要だったのです」と語った、装飾性のないシンプルな文体。だからこそ、そこに描かれる場面のひとつひとつを妙にはっきりと想像できるような気がするのだ。
 大仰には決してならず、無駄がなく、主観的になりすぎず……なので、ひとつひとつのシーンが区切られるごとの余白に感じる余韻が、うまく言葉にはできないけど、なんだか心の底のほうに静かに雪が積もっていくように残るのである。

 クレストブックスのサイズが微妙なのとちょっと高いので、文庫で欲しいなー。本文フォントは今のままで。(最近の新潮文庫の高村薫作品と同じだけど、雰囲気があって大好きなのだ! このフォント)

「石の猿(上)(下)」(著:ジェフリー・ディーヴァー/訳:池田 真紀子)

2013-11-23 23:50:22 | 【書物】1点集中型
 ちょっと間が空いてしまったけどリンカーン・ライムシリーズ第4弾。スピード感のあるものが読みたいときはこれに限る。

 さて今回、ライムとサックスの関係もすっかりチーム公認の仲となり、通じ合いっぷりがどんどん堂に入ってきてる。ライムに「必ず連れ戻す」なんて言われたら、そりゃーサックスも冥利に尽きるというものでしょう(笑)。
 そして今回のゲスト、ソニーのキャラクターが今までのライムシリーズとちょっと毛色が違ってて面白い。一見ふらふらしてるように見えて、でも、あのライムに存在をちゃんと認めさせる実力もある。

 ……と、面白くなってきたところでまさかの事態。フレッドー!!と叫びつつ(笑)下巻へ進んでみると、アメリアの鑑識範囲はついに海中にまで広がっていた。うう、しかし、沈没船の描写はホラーになるなぁ……
 ライムが一生懸命献本の辞を書いていたあたり、ソニーの運命が見えちゃったのは悲しかったが、彼は最後の最後までしっかりチームの一員だったんだなぁ、と思わせる演出が心憎い。それを拾うライムの心情は「臨場」や「遺留捜査」みたいな世界に通じるんじゃないかと思う。

 「石の猿」はある意味ダブルミーニング的に使われていたのだなと、読み終えて納得。それにしても、これだけできたらサックスは役者にもなれるのではなかろうか(笑)。まあ、デルレイなんかはすでにまるっきり役者だけど。
 しかし、ゴーストの逮捕後にまだだいぶページが残っていたので、この後何が? という感じだったのだが、そこにもう一山持ってきてくれるあたり、ディーヴァーのサービス精神の旺盛さに頭が下がる。ありがとー!!

 そしてこの先、チーム・ライムにどんな事件が待っているのかな。そしてライムとサックスの関係は、形が変わってくる可能性もあるのかな?
 私はこのライムシリーズ、「いちばん怪しい奴は怪しくない」とか「で、結局裏切り者は誰なんだ?」とか考えながら読むのがすっかり態になってしまった(笑)。でもきっと次も読む。

「危険な世界史」(著:中野 京子)

2013-11-23 20:44:16 | 【書物】1点集中型
 「怖い絵」を読んで以来の中野氏。これの文庫が出ていたので気になって借りてみた。もともとが「ベルばらKidsぷらざ」に連載されていたものなんだそうな。だから各エピソードの紹介がアントワネットの生没年なのか?
 「世界史」だけど中身はほぼほぼヨーロッパ史。カタカナ名前が苦手で世界史が全然理解できないタチなのだが(笑)、国と国との関係がこうやって人間関係の側面から語られると、少し呑み込みやすくなるなーと思う。どちらかというとゴシップ的なネタが多いので、小ネタ集という感じでとっつきやすいのがいいのかな。

 それにしても、時代とは言え、これを大真面目にやってたんだから怖いと言わざるを得ない奇行、トンデモ話だらけ。そりゃあドラキュラだの青髭だのという話が出てくるはずだなぁ……とか思ったり(笑)。
 でも(家康の六男)忠輝の書かれ方は、一言とは言えちょっとかわいそうだったなー。山岡壮八が書いた忠輝は(小説とは言え)かなり家康に愛されていたので、ちょっとギャップが。←あの忠輝、哀しいけど好きなキャラクターなので

「卵をめぐる祖父の戦争」(著:デイヴィッド・ベニオフ/訳:田口 俊樹)

2013-11-17 22:41:51 | 【書物】1点集中型
 かなり前だけど本屋で文庫を見かけて、タイトルが気になったのであらすじを見てみて、やっぱり中身も気になったのでそのうち読もうと思いつつ、ややしばらく経ってしまったもの。

 第2次大戦中、人民が飢餓に喘ぐドイツ包囲下のレニングラードで、上官の娘の結婚式のために1ダースの卵を調達するよう命じられた「祖父」レフと、「脱走兵」コーリャの道行き。卵はおろか、鶏を育てることすら困難な環境にあって、彼らはまさに「血で血を洗う」としか言いようのないいくつものできごとに遭遇する。
 だが、コーリャはとにかくめげない。死の恐怖すら超越してしまっているのではないかと思わせるほどに。口を開けば下ネタばっかりだし、ちょっとネジが飛んでるくらいの雰囲気だ。しかし実はその様子が人間の生命力そのものを象徴しているのかもしれない。
 コーリャと行動を共にするなかで、レフが己の恐怖を体当たりで克服――というよりは、死に物狂いで恐怖を振り切るという感じだが――していく様子は、痛々しいながらも生き抜くための力強さを感じさせるものでもある。

 彼らの卵は、彼らの命のために役に立ったかどうかわからない。それでもレフは永らえることができたし、ヴィカはレフを探し当てた。コーリャがにんまりと笑うのを、おそらく2人とも感じていただろう。コーリャの存在は寂寥とともに、しかし人生のなかで失うべからざる記憶であり魂の記録として、レフが一生抱き続けるものであるに違いない。

 読み終えてみて、これがなんで「ポケット・ミステリ」のくくりに入っているのかよくわからんのだが(笑)それはまあどうでもいいとして、原題の「CITY OF THIEVES」を、この妙に惹きつけられる邦題にしたのだからすごいなぁと思う。「祖父の」戦争、というところが本当に言い得て妙だし。

「革命の倫敦(ブックマン秘史1)」(著:ラヴィ・ティドハー/訳:小川 隆)

2013-11-16 22:21:11 | 【書物】1点集中型
 歴史改変もの……というよりは、パラレルワールドに近いかな。蜥蜴の姿を持つ一族が支配するヴィクトリア朝英国という設定で、首相がモリアティ、ヤードの警部にアイリーン・アドラー、そして政府筋にはやっぱりマイクロフトがいたり、チャールズ・バベッジの名はもちろん、バイロン卿やら果てはジュール・ヴェルヌやネモ船長(という名前では出てないけど)まで、実在・架空取り混ぜてさまざまな人物が登場する。
 自動人形とか出てくるあたりは、まさに「ディファレンス・エンジン」なスチームパンク風。さらに蜥蜴族はただの蜥蜴ではなく(笑)実は異星人だった! というところがよりSFっぽいのだが、主人公に絡んでくる異星人(人と言っていいかどうかは謎だが)が蜘蛛の形をしているとか、「指輪物語」みたいなファンタジー系の香りもしてきたりして、もう何でもありである。

 主人公オーファンが失われた恋人ルーシーを取り戻すために「ブックマン」と取引し、ブックマンが求めるものを探しに行くというのが大筋なんだけど、オーファンはなんだか周りの事件に振り回されっ放し。流されるまま出たとこ勝負な感じで個々のトラブルに立ち向かうような雰囲気なので、オーファン自身がどうしたいかというのが見えにくい気はする。ルーシーのことだけ考えた結果と言えばそうなんだけど。
 あと、キノコがこんなに重要な位置を占めている(ように見える)意味ってなんなんだろう。って、意味があるのかどうかわからないけど(笑)。でもキノコの筏は、想像するとちょっと乗ってみたくなるなぁ(笑)

 3部作だそうだが、ここでブックマンとの対決は一応一段落したように見えるので、あとの2作でオーファンがどうなっていくのか、何をするのか、気にはなる。次作ではミレディがサイボーグで登場するらしいが(笑)、じゃあアラミスも再登場するのか? アトスとポルトスは? じゃあダルタニャンは? とか、妄想もどんどん膨らむ(笑)。
 物語自体はオリジナルなんだけど、知った名前があまりにもたくさん出てくるので、2次創作っぽく見えちゃうかも。まあ、おかげでとっつきやすくなってはいるかもしれない。

「にょにょっ記」(著:穂村 弘)

2013-11-13 21:55:20 | 【書物】1点集中型
 「にょっ記」から続く、ほむらさんの日記仕立てエッセイ。ほむらさんの「言葉」に対するアンテナって、やっぱり尋常じゃないと思う。ハチミツの「お子さまたちに!」なんて、人間の脳が「お子さまたち(の健やかな成長とかなんとか)に!」みたいに補完しちゃう情報を、その一歩手前で「待て」ができちゃうってことなのだ。
 「わたみ」みたいに、結局聞かなきゃわからないネタなのに文字で書かれていても妙におかしいネタになってるのも、「ジュテーム投げ」で妙に生々しいエロス(笑)が発揮されるのもほむらさんらしいし。「私の男」から「男女は非対称的な存在」に結論が飛ぶのもすごい。実はこのネタは真面目に共感してしまった(笑)。

 ほむらさんて、天然ぽく見えてしまうけど(実際そうなのかもしれないけれども)それは要するに、たとえば私なんかが知った気になって見過ごしているものを、いちいち一つひとつ気に留めることができるってことなんだろうな。しかもほむらさんにしかない、ゆる~いようで異次元的な視点で。まさに愛すべきクリエイター。
 しかし、昭和の本の自由さったらない(笑)。こういう突き抜けたもの、今の時代では出てきようがないんだろうなぁ。ある意味ネット系メディアがそうなのかもしれんけど、この素朴なのに相当おかしい表現は、やっぱもう出てこないと思う。