コニー・ウィリス「犬は勘定に入れません」を読んで以来、読みたいと思いつつ延ばし延ばしにしていたが、旅行のおともにと思いいよいよ(借りて)読んでみた。
語り手J氏とその友人ハリスとジョージ、そしてJ氏の飼い犬モンモランシーが、「休息と気分転換」のためにボートでテムズ河へ繰り出す。このボートの上の姿を描く和田誠氏の表紙イラストがこれまた秀逸で、三人男もそうだけどモンモランシーがかわいい(笑)。
ボートに乗り込むまでにも、何を持っていくか決まるまでのあれやこれやがあったり、チーズについてのJ氏の苦い記憶が切々と語られたりするのだが、まあこのチーズのくだりなんかがいかにもイギリス小説のナンセンス! みたいな感じでたまらない。河に出たら出たで、大好きなパイナップル缶詰はあれど缶切りがなく悪戦苦闘する3人組やら、闇鍋まがいのアイリッシュ・シチュウやら、釣果のサバ読みの話やら、ナンセンスは果てしなく続く。何気なく生真面目なバカバカしさ。要所要所のモンモランシーの存在感。ウィリスやダグラス・アダムスはもう明らかにこの路線を行っている(笑)。
でも実は笑い一辺倒でもなく、河の周辺の風景描写なんかは妙に美しくて、彼らの旅を彩った風景を想像するのも楽しい。なので、もともとはユーモア小説のはずではなかったというのは、そう言われるとなんとなくわかる気がする。個人的には第十章の《夜》の詩的な感じが好き。
と言いながら、目標の2週間を待たずして雨に負けるしょうもない3人組、というオチもおかしみを誘う。勢いで読めちゃうと言えば読めちゃうけど、やっぱり河の旅の如く、体も心もゆる~い状態でのんびり茶でも飲みながら読むのがいいかなと思う次第である。
語り手J氏とその友人ハリスとジョージ、そしてJ氏の飼い犬モンモランシーが、「休息と気分転換」のためにボートでテムズ河へ繰り出す。このボートの上の姿を描く和田誠氏の表紙イラストがこれまた秀逸で、三人男もそうだけどモンモランシーがかわいい(笑)。
ボートに乗り込むまでにも、何を持っていくか決まるまでのあれやこれやがあったり、チーズについてのJ氏の苦い記憶が切々と語られたりするのだが、まあこのチーズのくだりなんかがいかにもイギリス小説のナンセンス! みたいな感じでたまらない。河に出たら出たで、大好きなパイナップル缶詰はあれど缶切りがなく悪戦苦闘する3人組やら、闇鍋まがいのアイリッシュ・シチュウやら、釣果のサバ読みの話やら、ナンセンスは果てしなく続く。何気なく生真面目なバカバカしさ。要所要所のモンモランシーの存在感。ウィリスやダグラス・アダムスはもう明らかにこの路線を行っている(笑)。
でも実は笑い一辺倒でもなく、河の周辺の風景描写なんかは妙に美しくて、彼らの旅を彩った風景を想像するのも楽しい。なので、もともとはユーモア小説のはずではなかったというのは、そう言われるとなんとなくわかる気がする。個人的には第十章の《夜》の詩的な感じが好き。
と言いながら、目標の2週間を待たずして雨に負けるしょうもない3人組、というオチもおかしみを誘う。勢いで読めちゃうと言えば読めちゃうけど、やっぱり河の旅の如く、体も心もゆる~い状態でのんびり茶でも飲みながら読むのがいいかなと思う次第である。