「バッテリー」はまだ最後まで読んでないけど(自分で買ってないから。←買えよ)これは1冊完結らしいので、夏の各社文庫フェアにつられるように買ってしまいました。はい。
まずのっけから「にや」ってなっちゃったのが秋庭さんと陽ちゃんの最初の会話で、「BANANA FISH」の、アッシュとマックス・ロボの刑務所でのやりとりを思い出した(笑)。まあ秋庭さんはマックスほど軽いノリは持ってないけどねー。
実際、あさの氏なら「BANANA FISH」ぐらい読んでいても全然不思議ではないとは思うが、意識してそうなのかたまたま(実は全然知らないということも含めて)そうなのか、勘繰ってみるとそれはそれでやっぱり「にや」ってなる(笑)だからどうってこともないが。
あと、陽ちゃんの声の魅力あるいは魔力や、明帆の本当は閉じられた心というか性格というか、そういう表現がそこかしこに散りばめられたが故に、一瞬何かこうSFちっくなものを感じたりもしていた。短絡的だけど「NIGHT HEAD」とかね(笑)もちろん、あそこまで難解なわけはないんだけど、なんとなーく。
藍子も含めて、この少年少女たちはどこにでもいそうで実はいないんじゃないかと思わせるところがある。逆も然り。いなさそうに見えて、実はどこに転がっていてもおかしくない話。ありそうでなさそうな話、なさそうでありそうな話、どっちとも取れる。と、私は思った。
ミステリーという感じはしないけど、それでもちょっとした謎解きの感もある。ただ、藍子と機桐の、上辺じゃない本当の関係は大体想像がつくようにはなってるし、だから種明かし自体は最初からしてある。結局、そこにたどりついていく彼らの内面の話だよね。描かれているのは。
陽も明帆も、藍子も闇を持っていて、藍子はそれを開いてみせる誰かが(結末はともかくとして)いるにはいたけど、陽と明帆は「他人のことはよくわかるけど、自分のことは案外わからない」ような状態だったりした。それがいつしか、補完では決してないけど、平行に伸びる2本の道のようにつかず離れずの関係になって……気がつけば、陽も明帆も自分の中にある闇を受け入れていた。その上で、互いに少なくとも失いたくないと思うだけの存在になった。それで充分だといえば、それはそうだ。
藍子がいて、でも突然いなくなってしまったから彼らはこうなったんだろうとも言えるけど。ただ、陽がもし明帆を失ったら……というよりは、明帆が陽を失ったら、彼の心の闇は彼自身を呑み込みそうな気はする。陽はなんか、痛みを抱えながらでも歯を食いしばって生きていきそうな感じ。
読後感は悪くない。悪くないって言葉も良くないけど、端的に「良い」っていうのともちょっと違う。爽快とまではいかないけど、何かが残ってる。陽と明帆はこの先、それぞれにどうやって歳を重ねていくんだろうかというところが気になるくらいには。ってか、あさの氏は続きを書くつもりなのか? と思えば思える終わり方だしねー(笑)
まあつまるところ、個人的には好きな作品になったということです。最後の短編の絵美ちゃんとか見てると、人はこうやって恋を覚えていくのかぁ~とか思って、妙に清々しい気分にもなったりするし(笑)←いい大人の言うことですか?
でも、陽ちゃんの声と、明帆の頭があったら、もしかしたら何でもできちゃうかもよ、それがたとえまっとうな人間のすることじゃなくても。とかもちょっと思ったりした(笑)
話は逸れるが、この本と一緒に買ったのが池宮彰一郎「事変 リットン報告書ヲ奪取セヨ」。森村誠一の「悪魔の飽食」にも食指が。こっちはまだ買ってはいませんが。
なので次は「事変」を読もうと思っていたら津本陽「信長私記」を貸してくれる人がいたので、そっちになっちゃった(笑)これはコンパクトなエッセイ集(らしい)からすぐ読み終わるとは思うけど。今さらながら「下天は夢か」も貸してもらえるかもしれない。ふふふ。
まずのっけから「にや」ってなっちゃったのが秋庭さんと陽ちゃんの最初の会話で、「BANANA FISH」の、アッシュとマックス・ロボの刑務所でのやりとりを思い出した(笑)。まあ秋庭さんはマックスほど軽いノリは持ってないけどねー。
実際、あさの氏なら「BANANA FISH」ぐらい読んでいても全然不思議ではないとは思うが、意識してそうなのかたまたま(実は全然知らないということも含めて)そうなのか、勘繰ってみるとそれはそれでやっぱり「にや」ってなる(笑)だからどうってこともないが。
あと、陽ちゃんの声の魅力あるいは魔力や、明帆の本当は閉じられた心というか性格というか、そういう表現がそこかしこに散りばめられたが故に、一瞬何かこうSFちっくなものを感じたりもしていた。短絡的だけど「NIGHT HEAD」とかね(笑)もちろん、あそこまで難解なわけはないんだけど、なんとなーく。
藍子も含めて、この少年少女たちはどこにでもいそうで実はいないんじゃないかと思わせるところがある。逆も然り。いなさそうに見えて、実はどこに転がっていてもおかしくない話。ありそうでなさそうな話、なさそうでありそうな話、どっちとも取れる。と、私は思った。
ミステリーという感じはしないけど、それでもちょっとした謎解きの感もある。ただ、藍子と機桐の、上辺じゃない本当の関係は大体想像がつくようにはなってるし、だから種明かし自体は最初からしてある。結局、そこにたどりついていく彼らの内面の話だよね。描かれているのは。
陽も明帆も、藍子も闇を持っていて、藍子はそれを開いてみせる誰かが(結末はともかくとして)いるにはいたけど、陽と明帆は「他人のことはよくわかるけど、自分のことは案外わからない」ような状態だったりした。それがいつしか、補完では決してないけど、平行に伸びる2本の道のようにつかず離れずの関係になって……気がつけば、陽も明帆も自分の中にある闇を受け入れていた。その上で、互いに少なくとも失いたくないと思うだけの存在になった。それで充分だといえば、それはそうだ。
藍子がいて、でも突然いなくなってしまったから彼らはこうなったんだろうとも言えるけど。ただ、陽がもし明帆を失ったら……というよりは、明帆が陽を失ったら、彼の心の闇は彼自身を呑み込みそうな気はする。陽はなんか、痛みを抱えながらでも歯を食いしばって生きていきそうな感じ。
読後感は悪くない。悪くないって言葉も良くないけど、端的に「良い」っていうのともちょっと違う。爽快とまではいかないけど、何かが残ってる。陽と明帆はこの先、それぞれにどうやって歳を重ねていくんだろうかというところが気になるくらいには。ってか、あさの氏は続きを書くつもりなのか? と思えば思える終わり方だしねー(笑)
まあつまるところ、個人的には好きな作品になったということです。最後の短編の絵美ちゃんとか見てると、人はこうやって恋を覚えていくのかぁ~とか思って、妙に清々しい気分にもなったりするし(笑)←いい大人の言うことですか?
でも、陽ちゃんの声と、明帆の頭があったら、もしかしたら何でもできちゃうかもよ、それがたとえまっとうな人間のすることじゃなくても。とかもちょっと思ったりした(笑)
話は逸れるが、この本と一緒に買ったのが池宮彰一郎「事変 リットン報告書ヲ奪取セヨ」。森村誠一の「悪魔の飽食」にも食指が。こっちはまだ買ってはいませんが。
なので次は「事変」を読もうと思っていたら津本陽「信長私記」を貸してくれる人がいたので、そっちになっちゃった(笑)これはコンパクトなエッセイ集(らしい)からすぐ読み終わるとは思うけど。今さらながら「下天は夢か」も貸してもらえるかもしれない。ふふふ。