life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

赤いくつした

2013-10-31 22:53:06 | 【スポーツ】素人感覚
 久々にリアルタイム映像で野球の試合を見た……(笑)。←ネット中継だけど
 ほんとよかった。上原氏。まさかこれほどに素晴らしい舞台での姿を拝むことになろうとは!

 しんどいしんどい言いながら、毎試合とても充実した表情を見せてくれていた。何より、マウンド上での躍動感が素晴らしかった。そうだよ、戻ってきたよ、この感じだよ~~! と、何度拳を握ったことか(笑)。
 毎年毎年、いい調子だと思ったら怪我に泣かされて、こんなもんじゃないのに! ……ってきっと本人がいちばん思っているんだろうなぁと思いつつ、ひっそり横目で(←おい)追っかけていましたが。でも、今年はDL入りがなかった! それが実は何より良かったのかもしれないなんて、今さら思ったりして。

 ……とにかく、御託は抜きにして、心からおめでとうございます!
 田澤もいつのまにか別人の如く身体が大きくなっていてびっくりしたけど(笑)。2人ともチームに本当にとけこんでいて、必要とされているのがよくわかるシーズンだった。
 まずは、短いオフだけど(しかも相当あちこちに引っぱり回されそうだけど)体をいたわってほしいと思います。お疲れさまでした。来季も是非、怪我なく(←ここいちばん大事)今年に負けず劣らず、あるいはそれ以上の活躍や進化を見せてくれることを願っています!

「つぎはぎプラネット」(著:星 新一)

2013-10-30 22:25:23 | 【書物】1点集中型
 過去、書籍化されていなかった氏の作品もろもろを集めた「新作」が出ると知って、心待ちにしていた1冊(相変わらず図書館からだけど)。ショートショートのほかに、「SF川柳・都々逸101句」なんてのもあって、そういう作品も遺しているんだなーと興味深く読む。
 子供向け学習雑誌や企業PR誌の掲載作品などは、そっちにかなり強く寄っている感じ。だから若干面白みが薄い部分もあるけど、SF的あるいはミステリ的なアプローチは氏らしいところかなと。

 高井氏の解説によれば、なんせ作品数が半端ではない作家のこと、タイトルの重複などにより改題もままあるらしく、未収録作品の発掘には本当に大変な労力がかかったらしい。おかげさまで今、こうしてまとめて眼にする機会を得ることができた。そして氏の仕事の幅広さを知ることができ、あらためてその「書き続ける力」に感嘆した。
 「星新一コレクターズアイテム」みたいな雰囲気はあるけど、新しい発見のある本。読んだら、「星新一ショートショート1001」(新潮社)にいつか絶対トライしよう! という気持ちが新たになった(笑)。3冊あるうえ、1冊平均約1,600ページというお化けみたいな本らしいが(汗)。

「コズモポリス」(著:ドン・デリーロ/訳:上岡 伸雄)

2013-10-17 20:42:08 | 【書物】1点集中型
 文庫の裏表紙の粗筋に「サスペンス」という言葉があった。見返しの著者紹介には「毎年のようにノーベル文学賞候補としてその名が挙がる」との文言があった。サスペンスとノーベル文学賞がどうも結びつきにくい感じがあったのだが、主人公の思惟を描く冒頭数ページ読んだ時点でも、やっぱりあんまりサスペンスっぽい雰囲気を感じなかった。で、読み進めて読み終えてみたら、やっぱり私の中では最後まで、ほとんど一瞬たりともサスペンスという印象は受けなかった。
 サスペンス的なものを読むつもりで読み始めたので、そういう意味での拍子抜けはあった……が、全体として実はかなり、読んでよかった! と思っている。デリーロ作品を読んだのは初めてだったが、非常に好みである。っていうか、28歳とは思えないよエリックの頭の中。合田雄一郎かと思ったよ(笑)。

 エリックのリムジンの中に並ぶディスプレイ・ユニットやスパイカメラ、声や動作だけで操作できるシステム、スクリーンにもなる腕時計の文字盤といったギミックとか、0と1の流れがかたちづくる世界のイメージ、それに「ディスク上で生きることができる」というキンスキーの言葉とか、そこここにSFっぽい空気も感じる。それでいて、ひとつひとつの出来事はどこまでも今この時代にあって不思議ではないことばかり。
 彼が、自分で打ち抜いた自分の「手が人生すべての痛みを抱えている」。スタンガンで撃たれること。彼が想像したいと思った、焼身自殺した男の苦痛。物理的な痛みがあるから、人間は物体としての存在の限界を知るのだ。肉体を超越したいと思っても、「ディスク上で生きる」ことはやはり不可能なのだ。思考も、身体も、形あるものもないものも、すべてが自分だから。0と1にはなり得ないから。

 ……と、こう言うと、自ら好んで読んでいる、人間がサイバースペース上にデータ化された世界を描くSFを否定するような形にもなるのだけれども(笑)。でもそれこそ0か1か=存在するかしないかの話ではなくて、存在としての人間がどれほど割り切れないものであるか。人間を人間たらしめるものは何か。実際、SFでも、デジタルな世界を描くことによってそういう点を引き立たせているものが多いと思うし。形に残る痛みも、残らない記憶も、他の誰でもないその人にしかないもの。そういうことなんじゃないかなと思う。
 なんか久しぶりにハマる作家に出会った、と思えるのがいちばん大きな収穫かな。何が核心の事件なのか、山があるのかないのかわからないようなストーリーだけど、主人公の思惟に引き込まれて妙に癖になる。その思惟そのものを読み返したくなる。「アンダーワールド」と「ホワイト・ノイズ」あたりは是非読んでみたい。

「KGBから来た男」(著:デイヴィッド・ダフィ/訳:山中 朝晶)

2013-10-12 23:56:41 | 【書物】1点集中型
 借りてきて、原題とは全く違う邦題なのに驚いた。でも邦題に惹かれたわけなので、まんまと乗せられているとも言う(笑)。

 旧ソ連のグラーグ(収容所)で生まれ育ち、現在はアメリカで「調査」の仕事をしている元KGBのターボが、とある銀行家から誘拐された娘の捜索の依頼を受ける……というところから、物語が始まる。ターボはソ連からはるばるアメリカに渡って来たのに、そんなところで元妻に出会ってしまうのだった。さらに、結果的に受けざるを得なくなる銀行家の依頼の捜査を通して、浅からぬ間柄のロシアン・マフィアと再び相見える羽目になってしまう。
 邦題からガチガチのスパイものかと思っていたんだけど、ターボの相棒は一匹狼のコンピュータプログラミングやネットワークのスペシャリストであるフーズ(とそのペットのヨウム、ピッグペン)だったり、ターボの仕事のコーディネーターが元CIAの弁護士だったり、キャラクターの立て方が面白い。それらの人物(とヨウム)とターボとの会話に、それぞれの個性がしっかり出てて、なかなかそそられる。

 グラーグでの生活の苛酷さはそれほど描かれているわけではなくて、グラーグにいたことからターボがKGBで舐めた辛酸のほうが、対立するキャラクターたちとの中でより浮かび上がる。女検事ヴィクトリアとの恋(なのか?)は、味つけがハードボイルドタッチ。ま、ターボ自身も、自分を曲げないハードボイルドさは当然あるけど。
 そういった、一筋縄ではいかない人間関係、お互いに抱く感情の複雑さが、ストーリーにさまざまなニュアンスを与えているように思う。ターボに密接に関わる人物がそれぞれに魅力的なので、ぜひシリーズ化してほしい。ターボと「ペトローヴィン」とのその後も気になるしね(笑)。

「23分間の奇跡」(著:ジェームズ・クラベル/訳:青島 幸男)

2013-10-07 23:18:56 | 【書物】1点集中型
 作者クラベル氏が、当時6歳の自分の娘から、彼女が学校で初めて登校した日に受けた授業の内容を聞いたときの衝撃から生まれた作品らしい。占領下にある敗戦国のある学校の教室に、新しい先生がやってくる。
 本当に短い、挿絵はないけど絵本のような感覚で、子どもでも読めるように書かれた作品。でも、「作者の後記」にある「たとえば、意味もわからぬのに……(中略)……教えて何の役に立つのか、とか、人間の考え方を変えたり、何かを吹き込んだりするのは、なんと容易なことなのか、とか、自由とは何か、そしてそれを説明するのは、なんと難しいことか」という言葉がそのまま、この教室にやってきた新しい先生の、最初の授業の23分の間に起きた物語となっている。そしてそれこそが、作者がこの物語で書きたかったことだ。

 物語には、作者の主観を示すような言葉はない。ただできごとが綴られているだけ。問題は、読んだ自分がこの物語に描かれていることをどう受け止めるか。与えられるものを、自分の言葉で語れるまで考え抜くことができるか。それに尽きると思う。
 もしかするとこの「新しい先生」も、彼女がこの23分間で施したのと同じ「教育」を受けてきたのかも? と思うと、やっぱりちょっと背筋が寒くなりますね。

「死の接吻」(著:アイラ・レヴィン/訳:中田 耕治)

2013-10-07 22:09:05 | 【書物】1点集中型
 確か、何かの雑誌の書評とかで見たんだったような。それか「診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち」の巻末の広告だったか。

 生まれ持った美貌を武器に、財産目当てに富豪の娘と結婚する野望を持つ主人公が、その成就への障害となる人物をを次々と、しかも怜悧な策略と非情さをもって手にかけていく。この「診断名サイコパス」のすぐ後に読んだからだと思うけど、自分の目的を達するためだけに周りの人間を利用するさまが、まるでサイコパスの行動を見るよう。
 しかし、最初の殺人のあとの精神の乱れを見ていると、実はサイコパスとはちょっと違う。彼は復員兵で、戦闘のなかで敵兵を殺害したこともあり、それがトラウマとなっていることが窺える。そして母親に蝶よ花よと育てられてきたという経緯もある。彼にこうした犯罪を企む精神上の要因を与えたのは、どちらかというと後天的なものらしい。

 物語の仕立てがなかなか凝っていて、第1部は財産家の末娘である恋人ドロシイの妊娠を知り、しかしたとえこのまま結婚しても財産が手に入らないとわかっていることから、最初の殺人を自殺に見せかける完全犯罪として計画する。「陽のあたる場所」のような……と言われることが多いらしいのだが私はそれを観ていないので、頭をよぎったのは「青春の蹉跌」だったりする。
 で、第2部は妹の「自殺」に疑問を抱く次姉エレンが「妹殺しの犯人探し」を始めるのだが、その様子が彼女の恋人であると思われる「バッド」に宛てての書簡を交えて描かれる。この「バッド」がどんなふうにストーリーに絡んでくるのか気を惹かれるし、エレンが「犯人」と目星をつけた男たちとのやりとりがそれぞれ、毛色の違う緊迫感があって面白い。さらに種明かしの瞬間、読む側には曇っていた視界が晴れ渡るとともに、180度方向転換するエレンの運命に慄然とさせられるのである。
 第3部には長姉マリオンが登場。主人公の野望がついに果たされる準備が整うのだけれども……結末としては、そんなに意外ではない。落とすべきところに落としたという感じかな。第2部でけっこうテンション上がるので、第3部を読み終えたらなんとなく「終わってみたらそれほど珍しさは感じない話」って感じもする。でも、主人公の母親が登場することによって、主人公の犯罪の数々の帰結にもの哀しさを加えているようには思える。

 話の展開としては第2部がいちばんエンタテインメント。書簡を通してのエレンの一人称と、三人称での語りを使い分けることでメリハリが感じられるし、何より読み手が自然と頭のなかでエレンの「捜査」に加わった気になる。その犯人探しの間に読み手を引っかける伏線が上手いし、ここで主人公の正体を明かすという手法も面白い。ガントのキャラクターも良かったな。この2部はちょっと読み返したくなってしまった。
 全体を通して見るとそれほど特異な話にはなっていないというのは、この作品が処女作ということもあるのかな? でも(繰り返しになるけど)第2部を見てるとやっぱり作家としての力はすごく感じるので、サタニズムに絡んだ不気味な物語という触れ込みもある代表作「ローズマリーの赤ちゃん」がちょっと気になっている。

雨の柳川にて

2013-10-05 22:33:43 | 【旅】ぼちぼち放浪
 うなぎのせいろ蒸しを食す。ごはんにも味がついてるので、強めの味ではあるがうなぎはふっくら。そして、食べてる間じゅうずっとさめない! せいろ恐るべし。おいしかった。

 本当は川下りがしたかったのだが本降りだったので断念し、北原白秋の生家の建物である記念館に行ってみる。海産物問屋から造り酒屋になった旧家だそうで、かなり広く感じる。掘割の中に水草が生い茂っているのも風情があってよかったなー。あと、ザボンの木が……もう大きくなってきている実がいくつも下がってて、重そう! でも枝は折れない。なんかすごい。

 そのあと「御花」という、柳川藩主であった立花家のお邸を観に行く。洋館と和のお邸との両方が、松濤園という庭園を取り囲むように建てられている。この日は結婚披露宴も行われていて、庭園を望むお部屋に宴席の準備がされているのが見えた。保存されてある調度品や、併設の史料館では立花家代々の甲冑が見せてもらえたりする。甲冑はいろんなデザインがあって面白かった。特に兜の仰々しさが……(笑)。いろいろ、大将をより大きく、より威厳を持たせるためと思わせる装飾があって。
 見て回ったのはそのへんだけなんだけど、このあたりの掘割は倉敷を思い出す雰囲気があったように思う。倉敷をちょっと小さくした感じ。他のエリアも含めて見るとまた、スケール感は変わると思うけど。

 夜は天神で、ここの鶏皮がいいんだよ! と連れて行かれた「かわ屋」でまず軽く焼鳥。店内はレトロな感じで、次から次へとお客さんがやってきて賑やか。そしてぎゅっと丸めた感じの鶏皮がこんな感じでカウンターに準備され、オーダーされるのを待っている(笑)。お店の人がここから取って焼いていたので、二度焼きなんだと思う。

 で、実際に出てきたのがこれ。なんか京都のあぶり餅を思い出すサイズ。焼き色から想像できる通り、とても香ばしい! 味つけは若干甘めなんだけど、癖になる。注文のときは10本単位くらいで一気に頼むのが普通らしい。この日は2人で20本いただきました。(笑)
 ほかに、ささみのしぎ焼きなんかも食べた。ささみがけっこう大きかったのと、お肉が柔らかかった~。そして一見ごまだれに見えるたれに、めっちゃわさびが利いていて鼻に抜けまくった(笑)

 焼鳥で小腹を満たしたあと、すぐ近くにある蕎麦屋さん「いしい」へ。こちらはおしゃれな店内で落ち着いた感じ。
 まず前菜的に湯葉をいただく。もともと湯葉は好きだけど、この湯葉は豆乳の癖みたいなのが全然なくてとても口当たりがよい。手前のは突き出しの小皿。おひたし的なものだけど、ちょっと出汁がきいてて個人的にはすごく好み。

 そのあと天ぷら少々、舞茸のホイル焼き(絶品!)、牛肉の一口カットステーキ的なもの(これがまた相当旨い。絶妙のミディアムレア。)などなど堪能させてもらって、〆には蕎麦を。鶏南蛮で。量はそんなに多くないので、〆にちょうどいいと思う。出汁も主張しすぎないけどしっかりした味だし、お肉も柔らかいし。お腹はけっこう膨れていたもののもうちょっと食べたくなる味だった。満足。

 結局、またしても食道楽ツアー的になったけど(笑)まあ、旅の目的って半分以上、食だったりもするので。でもラーメンは食べていないし、柳川の川下りもちゃんと行きたいので、今度は頑張って自分で(出張ついでじゃない)遊びに来よう。ごちそうさまでした。

研修も無事に終わり、

2013-10-04 23:20:45 | 【旅】ぼちぼち放浪
 今日の晩飯は、現地の人に連れられて、ちょっとお洒落なもつ鍋屋さんへ。
 内容はなんと、松茸(!)ともつ鍋のコース。焼き松茸&土瓶蒸しに、天ぷらやら上品なお味の明太子やら、さらにもつ鍋はすき焼き風というユニークさ。もつ以外にもハツとか数種類の部位と野菜に生卵を絡めて食べる。んまかった!

 写真は焼く前の松茸さん。土瓶蒸しには海老や銀杏、鶏肉に鱧(!)と一緒に。かぼすを搾っていただくのが最高!
 ちなみに、松茸のお料理は季節だからで、この部分は例えば夏だと鱧メインになるそうな。鱧の炙りとか食べてみたいなぁ。

何故か福岡に。九州初上陸。

2013-10-03 18:23:25 | 【旅】ぼちぼち放浪
 今日明日と、研修にて何故か福岡に。
 初の九州がこんなんでいいのかな?? とか思いつつも昼、海鮮丼&鯛茶漬のセットをいただく。胡麻だれがおいしい♪ 福岡といえばもつ鍋を思い出すので肉のイメージが強かったけど、考えてみたら海も近いし、うまい魚も豊富らしい! 食い道楽には嬉しい環境です。(笑)