「その女アレックス」の前日譚。というか作品(「ヴェルーヴェン警部3部作」)としては実際にこっちが先なんだけども、一大ブームになったのが「アレックス」の方だったので知らずにそっちを読み、「イレーヌ」の存在を知り、戻ってきたのであった。
「アレックス」でもかなり具合の悪くなる壮絶な惨劇の描写があり、「ううう(汗)」となりつつもこれを一体どう始末つけてくれるのかが気になりすぎて読み進めるしかなかったのだが、ご多分に漏れずこちらものっけから人間業ではない殺人現場描写のオンパレードである。で、その前代未聞の犯罪を追うヴェルーヴェン班の面々がこれまた、「アレックス」でも語られてはいたけどシリーズ第1作ということでより精細に描かれているように思えた。ルイとアルマンだけじゃなく、ルイとマレヴァルの人物コントラストも面白い。
混迷する複数の惨殺事件の傍らでは、カミーユと妻イレーヌの愛情がやや大げさなくらいに描かれている。あまりにもカミーユがイレーヌに夢中なのが、却って切ないような気持ちになる。だからこそ結末が引き立つんだろうなと思うけど。
しかしこの物語の何よりもの仕掛けは、「第一部」の終了間際に現れる「名前」と、開かれる「手紙」であろう。だから第一部がこんなに長かったのか……。いわゆる劇中劇に近いような印象も受けるが、一瞬、自分がここまで追ってきた物語はどちらなのか判然としなくなる。そして、その混乱を収束させるために、カミーユとともに結末へ向かう。避けられない終末へ。
フランスのミステリを読むのはおそらくこのシリーズが初めてで、海外ドラマでもあまりフランスものはやってないので、何かすごく新鮮に感じられる。なんというか、ロートレックの描いたムーラン・ルージュのような……凄惨な事件はいっそ華やかなほどに人目を惹かずにおかないし、それでいて犯人の狂気には退廃を感じずにはいられない。そんな印象をルメートルの作品から受けた。
もうここまで来たら、せっかくの3部作なので、カミーユが一体どこへ向かうのか最後まで見届けるために、3作目を図書館に予約した次第である。とは言えこっちはまだまだ皆さんも同じような思いらしく、かなり順番待ち行列になってるけど(笑)。
「アレックス」でもかなり具合の悪くなる壮絶な惨劇の描写があり、「ううう(汗)」となりつつもこれを一体どう始末つけてくれるのかが気になりすぎて読み進めるしかなかったのだが、ご多分に漏れずこちらものっけから人間業ではない殺人現場描写のオンパレードである。で、その前代未聞の犯罪を追うヴェルーヴェン班の面々がこれまた、「アレックス」でも語られてはいたけどシリーズ第1作ということでより精細に描かれているように思えた。ルイとアルマンだけじゃなく、ルイとマレヴァルの人物コントラストも面白い。
混迷する複数の惨殺事件の傍らでは、カミーユと妻イレーヌの愛情がやや大げさなくらいに描かれている。あまりにもカミーユがイレーヌに夢中なのが、却って切ないような気持ちになる。だからこそ結末が引き立つんだろうなと思うけど。
しかしこの物語の何よりもの仕掛けは、「第一部」の終了間際に現れる「名前」と、開かれる「手紙」であろう。だから第一部がこんなに長かったのか……。いわゆる劇中劇に近いような印象も受けるが、一瞬、自分がここまで追ってきた物語はどちらなのか判然としなくなる。そして、その混乱を収束させるために、カミーユとともに結末へ向かう。避けられない終末へ。
フランスのミステリを読むのはおそらくこのシリーズが初めてで、海外ドラマでもあまりフランスものはやってないので、何かすごく新鮮に感じられる。なんというか、ロートレックの描いたムーラン・ルージュのような……凄惨な事件はいっそ華やかなほどに人目を惹かずにおかないし、それでいて犯人の狂気には退廃を感じずにはいられない。そんな印象をルメートルの作品から受けた。
もうここまで来たら、せっかくの3部作なので、カミーユが一体どこへ向かうのか最後まで見届けるために、3作目を図書館に予約した次第である。とは言えこっちはまだまだ皆さんも同じような思いらしく、かなり順番待ち行列になってるけど(笑)。