まだムーミンは読んでないけど、先にこれを読んでみた。ヤンソン画になる表紙も素敵で、ずっと気にはなっていた作品。
物語は冬の朝から始まる。北欧の海辺の田舎町の、厳しく静かな冬の情景が目に浮かぶ。土地の暮らしの風景と雰囲気を感じ取らせてくれる、豊かで落ち着いた描写がすばらしいと思う。
犬を介した2人の女性の姿のありようが、言葉にはしにくいけど、人と人が接するときの軋みや共感を表しているような。カトリとマッツとアンナのそれぞれが見い出した次の道が、それは決して優しさばかりに満ちてはいないけれども、それでも雪解けを縫ってほの明るく見えた気がする。
ある意味純文学的な感じで、私などは深読みして言えることはないけれど、まるで鰊の匂いさえしてきそうな雰囲気を味わうためだけにでも読み返したいと思えた作品ではあった。寒いけど、いいなぁ、北欧。なんて、漠然としてるけど。冨岡氏の解説はさすがです。
物語は冬の朝から始まる。北欧の海辺の田舎町の、厳しく静かな冬の情景が目に浮かぶ。土地の暮らしの風景と雰囲気を感じ取らせてくれる、豊かで落ち着いた描写がすばらしいと思う。
犬を介した2人の女性の姿のありようが、言葉にはしにくいけど、人と人が接するときの軋みや共感を表しているような。カトリとマッツとアンナのそれぞれが見い出した次の道が、それは決して優しさばかりに満ちてはいないけれども、それでも雪解けを縫ってほの明るく見えた気がする。
ある意味純文学的な感じで、私などは深読みして言えることはないけれど、まるで鰊の匂いさえしてきそうな雰囲気を味わうためだけにでも読み返したいと思えた作品ではあった。寒いけど、いいなぁ、北欧。なんて、漠然としてるけど。冨岡氏の解説はさすがです。