いや、なんてことは無い・・
良く遊びに行くブログに、時々、本の紹介が載る。
その方は「読んだ本を忘れない為にブログに残すことにした」と言う。
そうだよな~などと思い、俺もやろうと思ったのだ。
んだが、僕は最近ますます活字から遠ざかる日々。
まあ、月に2冊だにゃ・・・
さて、記事。7月の完読本。これは引き込まれて、あっという間であった。
「沖縄力の時代」・野里 洋 ソフトバンク新書 2009・3・24発行
著者は琉球新報社の記者、そして、最後は常務を歴任後、退社をした方である。
石川県出身だが、沖縄暮らしで、40年。たぶんウチナー(沖縄県人?)として、沖縄に同化したような記者であろうと思う。
まあ、それも書かれているが、いわゆる政治本ではない。
沖縄の県民性とか、文化とか、歴史とかに触れつつ、政治や経済に切れ込み、やがて、今沖縄の抱える県や地域としての「課題や問題」にまで、見事に書かれています。
何より、文章が良く練られ、読みやすく、あっという間でした。
1・「基地は出てゆけ」と言ったって、基地がお金を生み、暮らしてゆける(経済のジレンマ)。
2・観光立県と言うが、沖縄の地場の資本は育っているのか?
3・真の沖縄の魅力は?
などなど、沖縄に行くたびに、ちょっと来た観光客が生意気言えないと思っていた「後ろめたさ」や「疑問」が十分解消されました。
ちょっと圧巻だった部分を、僕なりにまとめて、本日終了します。
① 基地問題の解決は、政府が本気になるかもあるが、県民の覚悟があるかにもかかっている。
② 復帰特別措置法は、もはや半世紀にわたり、沖縄産品の税の軽減・公共事業の高率補助(例えば、離島に架ける200億の橋は、他県なら100億の負担だが、沖縄は20億で済む)などが続いている。
③ 公共工事依存の経済にどっぷり浸かり、それほど必要の無い工事が行われ、自立どころではない事態が生まれている。
④ 他県の企業は、経済の危機に、さらなる技術開発やコストや人件費の削減など「努力」で乗り越えてきたが、沖縄は困ると「特別に経済措置」を訴える。
⑤ 語るときには、今でなく、将来を見据えてだ。
改めて、基地はいらないと思った。本土資本に食い物にされない、現地資本を育てるような支援こそ、沖縄に押し付け頼ってきた、ヤマトンチュウの仕事だと、思ったのだ。
先の展望を見ながら語るので、今実際のとこはどうなのよ、とつっこんでも、愛情があるからすんなり入る、という、いい本なんやね。
やっぱり、基地はいらないと、確信が持てた、本でした。
さすが、地元で40年も暮らした人は、発言権あるね。
その通りだ!
本土の資本って、えげつないで。
公共事業に頼らざるを得ない雇用。
自立といったって、産業の育ちようがない。
官庁がすべての許認可権を握ってる現状では東京に近くないと効率が悪いし、結局吸い上げられるように本社を東京に置き、税も都に納める。構造を変えないと、抜本対策にはならないんやない?
中央集権と、官僚機構。
政治と利権。
官僚機構そのものの、天下りに代表される、利権の構造と、根深い。
この辺りが、これからの選挙の、メルクマールかな?
沖縄に魅せられて再度行くと誓っていますが、まだまだ表面さえも知らないです。
いつかこういう本も読んでみたいです。