館林ロストシティーランブラーズ・フォークソングシングアウト

フォークを歌って43年の坂を今登坂中。世間に一言あってこそフォーク。軟弱アコースティックミュージックにシングアウトだ!

文化で戦う・・・笠木さんの言葉。

2015-03-08 06:59:03 | 笠木透さんのこと。


今回も長いでよ・・・興味少なき方は、流し読み・・お願いします。


さて、「文化で闘う」

かっこいい文句だが、実は、僕は実態をつかめないでいる。

いや、深い確信・・というべきか・・・・・僕の中で、発酵しきれていないのだ。

よるすべなく、文化運動に関わってきたから、せめて文化で闘うのか?

歌しか歌えないから、歌で戦うか?

そんなうすっぺらで、何の力になるのか?

「文化で闘う」・・・・・・次回に続く(のかぁ?)



などと、前回書き放ってしまい・・・もんもんと数日が過ぎ・・やがて、花粉で思考力がなお更落ちて、今日に至るなり。

この笠木さんの言葉は、「お前たちも自分の歌は自分でつくれ!」と、同程度の、難解なものだが、この言葉を聞いて十数年・・掴みたいものであった。
「もっと論議したかったなぁ・・・」と、笠木さんを思うたびに、無念なのであった。

「歌しか歌わない」と、時に一緒に行動を共にする、左翼陣営の方々に陰で言われながら、30年以上地域で歌い続け、その実践で言葉をねじ伏せてきた。

我がロスト・・・監督のツブクは良くしゃべる。歌より長いと、お叱りを受けるほどしゃべる。だが、ほかのメンバーは体育会系アツコ以外は(彼女も好んではしゃべりたがらない)実にシャイで、ステージはあまり好きじゃなくて、まして、人前でMCするなんぞはもってのほかなのだった。たぶん、僕以外がステージでしゃべるのを聴いた方はすくないだろう。

だが、言わずにおれない社会の事態に、歌うことで表現できる喜び・・・それが、ロストを愛しみ・ここで歌えることの喜びにつながっているのだ。
「歌わずにいられない」事態に、歌えることを抱きしめているのだった。

薄弱ながら「文化で戦う」姿では、あろう・・・・


「文化」を哲学すれば

「人間が作り出した生活の仕方(くらしの仕方)。それに結びつく価値観のあり方の総体が文化。」だ。

衣食住・・・その1つ1つの多様性と、風土と相まった「生活の・くらしの」ありようのようなものだ。


ーー文化と科学・芸術ーー

それはまた、科学と芸術の協力で「あり方」が成り立っても居る。

くらしのしかたは、人とモノ、そして人と人が大きな要素だ。
風邪を引いたら医者に行く・腹が減ったら蕎麦屋へ・汗をかいたらシャワーがいいね・さて、俺が死んだら坊主にお経をあげてもらうのか・と、文化という生活の仕方が現れる。


ーー文化と政治・経済ーー

この文化に、政治や経済が影を落とし、恣意的に文化に乱入したり、操作したり、経済の中の立ち位置が、文化に影響を落とす。

ここに、笠木さんの「文化で戦う」の芯があると、僕は思っている。

政治の作るプロパガンダ。危機をあおり「欲しがりません勝つまでは」という、非人間的暮らしを甘受してしまった歴史が、政治が作るベクトルの最たるものだったろ。そして、経済はまた、その貧困やら、今ある豊かさのためなら「原発も受け入れてしまう」人間らしい暮らしのゆがみを作るのだろう。

だからこそ、僕らは、時代に生きる人間の生活のありよう・・・・・その価値観を、常に「より人間らしいものに」してゆく努力が必要なのだ。
その努力が、文化を創る、文化で挑むことなのだと思う。

子供に安全で、安心な食材を選び、心意気で味付けした「おかあさんの(おとおさんでもよい)料理」が文化なのだと思う。

武器はいらない・・・歌で・絵画で・劇で・活字で・・・・手にかなう「文化で」ゆがみに挑むことは、長く・苦しく・「何も変わらない」と時に絶望さえするような行動に違いないが、命には優しいのだ。そして、命にやさしいから、受け入れられ文化になってゆくのだと思う。憎しみを生まないから受け入れられ、文化になってゆくのだと思う。文化で戦うが、受け入れられ育ち、文化になってゆくのだと思う。

さて、その「歌」。


「弱者の歌」は弱者が作る・・・これが笠木さんの歌なのだが、作るのは難しい・・・

既成の歌を歌う・・・その時点で、すでにある仕上がった「商品としての歌」をめぐって、人前で歌うことは結構勇気が居る。
プロの、その元歌に比較され、「下手だ」とくる・・・
確かに、自分で作った歌なら、誰も知らないから、ウマイも下手もないわな。

僕は、既成であれ、自分の作った歌でもどちらでもよいと思っている。

「一人ひとりが、自分の心や考えを表現し伝えるために、歌や踊りや楽器、詩や文学や演劇、映像や絵画などを楽しみながら吸収する。そのことが個人の自立を促し、人間としての成長も助けてくれるのだと思います。人を育む力こそ芸術や文化の持っているすばらしいところだと学んだのです。」(笠木透・CDブック「ひとつだけの村」P197)

非暴力で人種差別に抗議し、何か月もバスを使わず歩き続けた・・たくさんの人々が歩き続けたことで、差別に打ち勝った。モンゴメリー・バスストップ・・・マーティン・ルーサー・キングのワシントン大行進・・アパルトヘイトを白人を受け入れることで乗り越えた、ネルソン・マンデラ。
こうした極近い、昨日のような歴史に学べば、文化で戦うということが、少しわかったように僕は思うのだった。


文化は多様性を認め、尊重することが属性にあると思う。
だからこそ、知らなかった食べ物に、知らない地域で出会い、感激したりするのだ。
違うことを認める・あなたを尊重するから、僕も尊重してほしい・・・

文化で戦う・・・勇ましく、かっこいいが、腹を据えないとな!

なんせ、「歌った以上、そのように、生きなければならないからねぇ・・・」。


さて、おお与太の笠木さんは、これにて終了・・・・・

もしかしたら「外伝」で、「最近の笠木さんの歌は難しいのよね」「昔の歌のほうがよかったわ」・・・僕らの音楽会をいつも協力してくれるたくさんのおばあ達の言葉について、書くかも?
いや?これは、地雷かもしれないな・・・
書かないかも・・鴨。


コメント (2)
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