殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

今さら年末

2021年01月13日 08時24分30秒 | みりこんぐらし
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。

コメントをくださるかた、応援やいいねのポチを押してくださるかた

本当にありがとうございます。

いつも感謝しております。

ひねくれたオバさんのブログですが、今年もよろしくお願いいたします。



『犬』



“おばあさまのコタツでご休憩なさるリュウさま”


少し長くお休みさせていただいた。

何のことはない、原因は犬よ。


10年前から飼っているパピヨン犬のパピだけだったのが

昨年12月中旬、知人の娘が飼いきれなくなって

生後3ヶ月のダックス犬とビーグル犬のミックスが

うちへ回ってきたことはお話しした。

捨てられたり殺されるよりはと、シブシブ引き受けたものの

シモのことを始めとする躾が全くできてないのと

当たり前だが先住犬のパピの機嫌が悪いのとで

犬にかまけながら、年末進行に奮闘。


うちの子になったリュウは、あんまり賢い犬ではないようだ。

身体だけは順調に大きくなっているが

できるようになったのは“おすわり”のみで

シモの方は、家中がトイレ状態。

いつも粗相をしては誰かに叱られ

タレ耳とタレ目をますます垂らしてシュンとしている。


「これではいかん…」

私は考えるようになった。

リュウのためではない。

粗相の後始末に忙殺されるのが、ほとほと嫌になったからだ。


そんなある日…正確には12月25日のクリスマス。

例のごとく、同級生ユリちゃんの実家のお寺で

料理を作ることになった。

大掃除に勤しむ檀家さんに、昼ごはんを出すのだ。


その時、ユリちゃん夫婦が兄のように慕う例の兄貴に

リュウのことを話したのだが、彼が言うには

「ペットを叱る時、名前を呼ばないように」

ということだった。

名前を呼ばれたら叱られる…そうインプットされてしまうので

言うことを聞かなくなるそうだ。

「名前を呼ぶのは、余裕のある時に優しくね」

兄貴は言った。


心あたりがあった。

粗相だけでなく、電気のコードをかじる時も

家族の靴をくわえて走る時も、パピの食事を奪う時も

「こら!リュウ!」

ずっとこれでやってきたのだ。

日々繰り返す狼藉(ろうぜき)に、この頃のリュウは長男に

「危犬(きけん)」、「魔犬」

「暗黒の貴公子」、「褐色の魔獣」などと

リングネームまで付けられている。


兄貴の言葉に深く反省した私は

以後、叱る時に名前を呼ぶのをやめ、家族にも徹底。

そして年が明けた。

リュウはだんだん落ち着いてきて、粗相やイタズラが減ってきた。


子供もこうして育てればよかった…と思ったが

あとの祭なのはともかく

リュウが落ち着いてくると問題の根源が見えてきた。

リュウが家族を振り回すというより

家族を振り回しているのは義母ヨシコだった。


環境が変化すれば、年寄りは興奮するものだ。

リュウが来たことで、ヨシコも興奮していた。

リュウの一挙一動に騒ぐので、家族は対応しなければならない。

我々は、それに忙殺されていたのだ。


ヨシコは寒がりのリュウと一緒にコタツに入るのが好きだが

これをやると、リュウのおしっこが間に合わない。

「あら、おしっこみたいよ。

あらあら、あ〜!やった〜!」

日に何度もこれだ。

「これじゃあ、私は死んでしまう!」

リュウが何かやらかすと、そう言って騒ぐのも毎日。

どうぞ!と本心を言うわけにもいかず、なだめながら後始末をする…

この繰り返し。


リュウを躾けるより、ヨシコを躾けた方が早いと悟った私は

ヨシコの訓練に励むようになった。

リュウとコタツに入るのは

夫の姉カンジワ・ルイーゼが来る午後のひとときだけで

あと先のリュウは台所で生活させ、会いたい時はヨシコが台所に来る…

といった決まりを設け、ヨシコを慣れさせるのだ。

娘が来ている間、ヨシコは絶対に騒がないからである。

これは娘の実家帰りを全力で隠蔽するという

40年に渡る習慣を利用した策だ。


ただし、この決まりには

ヨシコの台所滞在時間が長くなるという弊害があった。

台所で仕事をしながら、しょうもない話を延々と聞かされるのは

そりゃもう消耗する。

消耗するだけでなく、一人になれるまとまった時間が取れなくなり

言いわけがましいが、ブログの更新もできなかった。

が、忍の一字で耐える。

その甲斐あってか、リュウは何とか一人前のペットになりつつある。



『餅』

毎年、お雑煮の白餅はほとんど買わない。

ある会社から年末の挨拶代わりとして

御用納めの28日に届くからだ。


ところが昨年末、相手がうっかり夫の名前を書き忘れたらしく

餅の入った段ボールの宛名が夫でなく会社になっていた。

会社宛てということで、例の昼あんどん…

いや、今は変態とニックネームを変えた藤村が

横取りして持ち帰ってしまった。

こうも鮮やかに奪うということは、以前から狙っていたらしい。


餅を奪われたことを残念そうに告げる夫。

たかだか餅で、藤村と争奪戦をやるわけにもいかないだろう。

「あいつらは旧正月を祝うんじゃないん?!

雑煮を食べるん?!」

私は腹を立てたが、怒ったところで餅が湧いて出るじゃなし

大晦日に望みをつなぐことにした。

大晦日には、生協に注文した正月用の食品が届く。

その中に、わずかだが白餅も入れているはず…。


そして迎えた大晦日、餅が届いた。

ひとパック。

8個。

お雑煮には足りない。


ここで立ち上がったのがヨシコ。

次男と買い物に出て、餅をたくさん買って来た。

30個入りの大袋を2つ。

いつもチビチビとケチくさいヨシコにしては

信じられないほどの爆買いだ。

藤村に餅を奪われたと聞いて、怒りに燃えたらしい。

我が子や我が孫を苦しめる藤村を

誰より憎んでいるのはヨシコだったようである。


ちなみに藤村は、営業所長の肩書きを剥奪された。

本人は知らないが、春には福岡へ左遷と言われている。

あくまで予定なので、どうなるかわからない。
コメント (4)
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