便利なネットに支配される世界

私達は、今やネットの世界にどっぷりと浸かっていて、
仕事も日常生活も、ネットが無ければ何もできなくなってしまいます。
しかしながら、今回、このどうしようもない状態に陥ってしまいました。
先月末から急にネットが繋がらなくなり、年が明けても回復の目途が立たず
ブログだけでなく、仕事上の作業も全てストップしてしまいました。

コンピューターに詳しい人に診てもらったところ、マイクロソフトの新たなる
システムと私の持つコンピューターの相性が悪く、上手く繋がらないと言います。
日々システムアップをして行くネットの世界で、自分のコンピューターが
付いていけないとは思ってもみませんでした。

購入して2年程の、決して古い機種では無いのですが、一部の機種に不具合が生じ
今やそのトラブルに見舞われている人は私だけではない様です。
マイクロソフトが新たなる対策を講じるまで、トラブルが続くと言いますが、
何とか、立ち上げる事は出来ても、再起動するとまたもやフリーズしてしまい、
今や、電源を切らない状態で繋げています。

しかしながら、たとえネットが繋がらなくても仕事が出来る私の場合はともかく
ネットを利用して仕事をしている人にとっては死活問題です。
とは言え、この問題は、私達の様に個人的な問題と言うだけでなく、今や
国民全体、更にはグローバルな世界に置いても、もろ刃の剣であると言えます。

社会生活のみならず、自分達の日常に於いてもネットに支配される事に依って、
私達の未来は、ネットによって、いか様にも変わってしまうのです。
特に、支配者側にとっては、鬼に金棒と言うべきものであり、多くの人びとを
思うがままに支配できる理想的な道具と言えます。

今や、その兆候は年々強くなり、国民は、一部の支配者の思うがままに操られ、
自分達の未来すら決められなくなっている状態です。
多くの人びとが、便利で豊かになったと思いがちですが、その世界は、決して多くの
一般の国民が欲する世界ではなく、利益を一部の人達が得る為に、意図的に
作られた世界と言えます。

つまり、その世界を楽しみ利用するには、常に、膨大なる支出を強いられ、
様々な施設を利用し、魅力的な物品を手に入れたとしても、それは一時的な満足であり、
常に消費を求められ、個人個人の幸せに繋がっていないのが現状なのです。
とは言え、そんな便利で豊かな生活が幸せであるとする生産者側の洗脳は日常的であり
多くの国民が、欲求に任せて、出来るだけ多くの物を手に入れる事が幸せと信じています。

国も企業も、消費経済を薦め、より多くの物を手に入れ消費できることが人生の目的と
思わせる事に躍起となっています。
しかしながら、次から次に新しい物を手に入れて来た日本人が、本当に幸せに成ったか
と言えば、様々な疑問が浮かんできます。

人としての繋がり、家族の絆、友との信頼関係、会社の中で学校の中での人間関係
これら、日本人にとって、生きていく上での大切な物が失われれているのです。
小さい頃から、誰よりも秀でる事を奨励され、格差社会の中の支配者となる事を
人生の目的とする人々が実に多いのです。
学校の成績の様に、少しでも点数が高い事が人の価値であるかのような人生は、
いつまで経っても、自己満足を満たす事には努力しても、他人の心を知る努力は
怠りがちです。

子供の頃は、学校の成績で価値が決められ、大人になれば、支配者たちの査定に
支配される生活が、人々の心を豊かにするはずは有りません。
物事も、対人関係も、比較をする事でしか判断が出来ず、その基準は、単純に
自分の欲望であり、自己満足に過ぎないのです。
その為、自分の目指す価値観が、経済的な豊かさに在る為、常に、他人よりも
豊かな生活を望み続けます。

それ故、他人に対する見方も、社会的地位が有るか無いかと言った
人としての価値が見いだせず、益々、人の気持ちが理解できず、人としての価値を
考える人達の心が見えなくなってしまいます。
問題は、そんな我欲が強い人が、多くの人々の上に立ったり、社会を動かす地位に
就いている事です。

今や、この不幸が、多くの日本人の心を傷つけ社会を不穏な状態にしているのです。
国民の生きる道を示すべきリーダー達は、その弁舌は豊かであっても、心の底は
自分達の生き残りが第一であり、その地位は、自分達の欲望を満たす為でしか無く
国民は、自分達の生活を守り満たすための道具に過ぎないのです。

そんな時、彼らの欲望を満たすために出現したコンピューターは、人々の生活を
便利に豊かにすると言うより、自分達の思い通りに動かすために最適な道具と
成ったのです。
ネットを利用すれば、たとえ一億の人間が居ても、あっと言う間に、その生活から
考え方から把握する事が出来るのです。
常に動向を監視する事が出来れば、確実なる利益を得る事も可能となるのです。

国民の消費内容をコントロールする事も、考え方を一律化する事も難しく無く、
究極の独裁政権を得る事が出来るのです。
今や、戦争でさえも、リーダー達は、机の上のコンピューターだけで、多くの人々を
殺戮する事が可能なのです。
ネットを利用し、様々な条件を入れ込むだけで、機械が勝手に爆弾を目的に届けます。
この事は、アメリカがイラク戦争で行った戦術に多く利用され、無人機に依る偵察と
コンピューター制御されたミサイルによる攻撃が多くの人々を傷つけ殺戮しました。

この事実は、戦争と言った異常な事態での出来事ではなく、日本に於いても、
現に、リーダー達が国民に行っている政策と何だ変わりません。
私達は、経済的に豊かな生活をする事に依って、自分達が幸せで平和な社会に生きている
と勘違いしているだけであって、私達日本人は、生まれてから死ぬまで、彼らにとって
都合の良い社会で生かされているに過ぎません。しかも、死ぬまで消費経済に苦しめられ
心の安らぎと、人としての成長を止められたまま生きているのです。

しかし、現実の華やかな社会やメディアの情報からは、全く危機感は感じられず、
与えられた環境で頑張って生きて行けば幸せに成ると多くの日本人は考えて居ます。
しかも、日常的に繰り返されるメディアによる洗脳は、人々に、そんな日本社会に従い
生きて行く事を人生の道と思わせます。

ところが現実はどうでしょう。
多くの若者が仕事を失い、自分の生活をするだけで精一杯で家庭を持つことも出来ず、
常に求められる生活支出に苦しんでいます。
将来を夢見ることも出来ず、結婚すら諦めている若者がどれ程多く居るか、毎日の生活に
困らないリーダー達には解らない事です。

国民に、多くの若者達に、支出させる事ばかり考え、人々の生活基盤を作れない富裕層は
自分達の利益を得る事だけが、いずれ、自らの首を絞めて行く事になる事が解っていません。
私達は、基本的に、衣食住が満たされれば、生活が苦しくとも生きて行く事が出来るものです。
しかし、この全てに不安を抱かせ、更には、健康不安を抱かせる社会は、どんなに経済的に
豊かに見えても、人々の心は、いつまで経っても豊かにはならず、その不安と不満から、
社会的に多くの問題を生む事になるのです。

かつての高度成長期から現代に至るまで、振り返って見れば、決して国民一人一人が
心豊かになったとは言えないのです。
便利で豊かな生活が本当の幸せとは言えない事は、これまでの歴史を見れば一目瞭然であり
日本国民の一部の方々の欲望のままに日本列島が破壊され、自然が失われ、日本国民の
心と身体の健康が失われて来たのが解ります。
しかしながら、数々の負の遺産を創り上げて来た人々にとっては、これらの悪行は
自分達の進歩の歴史の様に映っていて、この事が、いつまで経っても、日本国民が
心から満足できる生活を得られれない原因となっているのです。

今や、便利なネット社会と成って、誰もが、世界中の情報を簡単に手に入れられ
素晴らしい未来が開けている様に思いがちですが、これとて、一部の人達には
大いに利用されるも、殆どの国民にとっては、逆に管理され、自由を失う事と
成っている事を知らなければなりません。

現代日本で、日々広がっている大きな問題は、この便利な社会に在りながら、
日本人同士の心の繋がりが無くなってきている事です。
同じ環境における問題意識や対人的な感覚を身に付ける事が無くなり、常に
外からの情報に自分の考えや価値観が左右されていて、身の回りの人達とは
その共通の情報の確認でしか関わり合いが無くなっているのです。

人は、家族であっても、一人一人全く違う個性の持ち主であり、其々が求める
人生を歩む権利が有ります。
その違いを理解し、お互いに助け合って生きて行く事が大切で有り、メディアや
ネットからの情報を基準にしていては、人としての成長もおぼつかないのです。

今や、多くの情報を持っている人や地位や名誉のある人がもてはやされ、
彼らの考えが世間の考えに成りがちです。
メディアによる社会への浸透性が、日本人の個性を失わせ、地域の魅力や特異性を
消してしまっているのです。
１０００人の日本人の考えを知るには、たった一人の考え方を知れば解ると言う様に
人々の思考も浅く一方的に成っている事が問題なのです。
この事は、非常に危険な状態なのです。

一人を洗脳できる方法が見つかれば、全ての人々を洗脳する事が出来る、つまり、
支配者たちの思うがままと成ってしまうのです。
ネット社会というのは、どの様に利用するかで、人々を幸せにも不幸にもしてしまい
どんなに便利だと言っても、これまで、日本人が幸せに成れない所を見れば
明らかに、一部の人達の為に使われていると言わざるを得ないのです。
とは言え、様々な不平不満をネットに載せることが出来る今は、まだまだ日本を
国民の為に変える事が出来る可能性が有るのかもしれません。
かつての暗い時代の様に、直ぐに捉えられて自由を奪われない事を願わざるを得ません。