めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

都会とネット社会の落とし穴

2015-05-14 14:33:14 | ネット社会

昔の集団就職の時代から、都会への憧れは
経済的に豊かになるだけでなく、あらゆる好奇心を満たす
ワンダーワールドへの強い欲望の表れでも有りました。

街を歩けば、煌びやかなファッションや素敵なショップが目に付き

次々に現れる驚きの光景に人々は酔いしれるのです。
それと共に、都会に住む多くの著名人や有名人に憧れ、
その存在に心を躍らせたりもします。

しかしながら、それ程にも感激をするという事は、自分自身の

存在の無さを確認する事にもなるのです。
歩けば人にぶつかるほどの人波に揉まれていても、自分の
存在を気に掛ける人や知り合いに合う事は滅多に有りません。
まるでテレビの画面を眺めるかの様に、自分と周囲の人々
更には環境にすら、次第に違和感を覚える様になってしまいます。

田舎に居れば、うるさい位周囲の人々が関わって来るのに、

都会で生活すれば、ビジネスや友人関係以外、全く空気の様に
存在すら無視されてしまうのです。
その為、一時の強烈な好奇心の日常が、いつの間にか淡々とした
毎日の繰り返しとなり、心の躍動も消えて行くのです。

私達は、自分の存在をいかに自覚できるか、更には生きて行く意味が

理解できているかによって、幸せにも不幸にもなりかねません。
自分の存在と言っても、自分自身が証明できる人はまずいないでしょう。
殆どの場合、周囲の環境や人々が与える影響を感じて、今の自分が
どうなのかを判断しています。その為、人がどの様に自分を思っているか、
人々に自分がどの様に映っているかを気にします。

今流行のSNSにしても、多くの人々が、関わる人々から発せられる

自分へのメッセージに一喜一憂しています。
それ故、その情報が得られなくなると、途端に自分自身の存在が解からなくなり
パニックに陥ってしまいます。

人は良しに悪しきに、周囲からの自分への評価に拘り、それを生活の

判断基準にしがちです。人がどう言おうと自分の生きる道をまい進できる人は
ネット社会においては増々少なくなっています。
それ故、一番の苦痛は、その情報を遮断される事です。
つまり、学校内に於いても、社会においても、最大の苦痛は、シカトです。
存在を無視されることが人にとって一番の苦痛と成り得るのです。

戦いであれ友好であれ、人同士が関わり合う事が生きる証と成り得るのです。

あらゆる物が手に入る大都会に在っても、手に入れた物はしょせん物であって
それと共に多くの人々との関わり合いがあってこそ、自分の価値を見出せます。

子供達が有名タレントに憧れるのも、人々が裕福な生活に憧れるのも、

実際は、タレントでも、お金でもなく、それに伴う人々からの関わり合いが
自分の存在を認めてくれることが重要なのです。

憧れの象徴である有名人や豊かな生活は、実際にその環境になった時、

意外と感動は無いものです。何故なら、情報として見ていた憧れの生活には
人々からの賛同は無いからです。
でも、その時、多くの人々からその価値を知らされたり、認められたりすると
初めて、自分の行った目的の達成感が生まれるのです。

今の日本は、発展途上国に比べれば、はるかに豊かな生活が出来ます。

街には華やかな店が並び、世界の食品が集まり、世界中から人々が集まり、
まるで年がら年中お祭りの様です。
そんな地に住み、世界中の美味しいものを食べ、素敵な住まいで生活しても
そんな自分を認めてくれる人々が居るかいないかが問題です。

善い行いをする人も、法を犯す人々も、元は自分の存在価値を見出すために

選択した行いに過ぎません。
悪い行いを選択しない社会を創っていくのが大切なのですが、自分自身に於いても
生きて行くうえで一番大切なことは、自分は一体誰なのか、を認識できる環境や
仕事を見つけて行く事が大切です。

その為には、自分自身の意思で行動し、周囲の反応を感じられる能力を育て

自分の存在を周囲に示す事が大切です。
大都会に住んでいるという事は、あらゆる情報が手に入るネット社会に居る事と
非常に良く似ていて、自分から情報を出さずとも、あらゆる情報や欲しい物が
手に入りがちです。その為、一見便利で幸せそうに見えますが、実際はどうでしょう、
便利と言う名のもとに、自分の存在が解からなくなって、自分は一体誰であり
何をしたらいいのか解からなくなっている人が実に多いのです。

情報が満ち足りた、物品が満ち足りた生活がいかに人々を苦しめて行くか

あらためて考えて行かないと、ネット社会ですら、東京砂漠と同じものになって
人々を苦しめる事にもなりかねないのです。



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