めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

トランプ外交戦術とは

2017-11-07 14:15:06 | 政治

トランプ外交の本質は、対北朝鮮対策ではなく、如何に対日貿易赤字を
解消するか、つまり、何とかアメリカの商品をより多く買わせるかが
本音と言えます。
当然予想通り武器の大量購入を口にし、車などの赤字を促進していると
思われる物品に対して強い要望を行って来ると言えます。
日米安全保障条約の下、北の脅威から日本を守ると言う外交的言葉の裏で
貿易摩擦によるアメリカのリスク軽減を図って来るのは言うまでも
在りません。

日本国民に対する最大のアピールは、目下の不安と恐怖を取り除くと言う
強い決意を示し、さらには、拉致被害者たちに対する親身なる態度は、
彼の持つ、外交手段である事は明らかです。
彼はアメリカ大統領と言う以前に、アメリカ財界からの代表として、
アメリカの利益を全面に押し出した外交をしているのです。
韓国に於いても、彼の態度は日本に対する考えと何だ変わらず、
アメリカの最前線としての役割を如何に果たすかを迫っていると
思われます。

つまり、日本も韓国も、アメリカの北朝鮮や中国、ロシアからの脅威を

軽減もしくは阻止するための大切な防衛戦線であり、更には、アメリカの
利益を目論むための大切な市場と言えるのです。
となると、今回の日本や韓国に対する要望は明らかであり、如何に
アメリカに利益をもたらす事が出来るかが会談の趣旨と成るのです。

日本訪問で、北朝鮮に拉致された人々を招待したのも、韓国が

慰安婦と大統領との面会を行えるようにしたのも、彼の人間としての
暖かさや思いやりと言うよりも、商人としての巧みな戦略が見えるのです。
北朝鮮には、韓国民も日本人以上に拉致されていて、両国とも、様々な
精神的苦しみを受けている事に対する理解を示す事で、両国民からの支持と
理解を得る為と言えます。

当然、両国に対する外交利益を今以上に要求する事は明らかであり、例え

それが、両国民の生活を圧迫しようと、アメリカの利益が得られる事が
第一なのです。
商人の外交努力とは、如何に、利益が得られるかと言う事に掛かっています。
トランプ財団が世界に名を成す事が出来たのも、利益優先の商業手段が
成せる業であったのは明らかであり、それを、例え大統領になったからとして
変えることは無いのです。

日本政府も韓国政府も、各国の首脳であっても、トランプ大統領を政治家として

相手にしていると思いがけないリスクを負わされる事と成るのです。
彼の頭の中は、例え、北朝鮮と韓国日本両国が戦争に成ろうとも、アメリカに
大きな被害が及ばず、膨大な利益が得られるなら、戦争も厭わないのです。

アメリカ国内では、銃保持に依る悲惨な事件が起っていて、銃社会の問題が

常に取り上げられているのですが、国が保持する武器の膨大さはその比でなく
アメリカとしては、余った武器、古い武器を世界中に買って欲しくてたまりません。
これまで、世界中の紛争に頭を突っ込んできたアメリカの最大の目的は、
戦争により大量の武器を消費し、更には、戦地に駐留する事で、その国からの
多大な利益を得る事でした。

世界のポリスと言うのは、あくまで世界の人々を納得させるためのリップサービスで

その中身は、戦争を利用した国内景気の触発と発展、さらには、大量資源食料の
確保であった事は周知の事実です。
極東で戦争が起これば、同盟国である日本や韓国に大量の武器が輸出できます。
しかも地球の裏側の遠い所での争いを高みの見物の様に見守る事で利益が得られる
これは願ってもみない展開と言えました。

ただ、唯一これまでと違ったのは、北朝鮮がICBМを開発したとするからです。

もし戦争と成ったら、核弾頭を付けたミサイルがアメリカ本土に撃ち込まれる
可能性が出て来た事です。
何か不穏な状況が生じたら、すぐにでも派兵して鎮圧しようと言う考えは、
なり立たなくなって来たのです。

となると、最前線の日本と韓国をアメリカの為に要塞化するしか有りません。

その為にも、大量の武器を売り、国土防衛を推進するのです。
今後、韓国から中国に渡るとされますが、最大の貿易相手国である中国は
トランプに優るとも劣らない商人的考えが出来る国家です。
今や、世界中に広がる中国製品は、如何に、中国経済が世界経済の要となって
大きな力を持っているかが解ります。

アメリカとて、日本と同じく、日用品から様々な生活必需品がメイドインチャイナ

と成って国内製品を圧迫しています。
しかし、排除するにも、国内製品より格安の中国製品を除外する事は、国民経済や
国民生活にとって大きなリスクと成ってしまいます。
アメリカ経済を揺り動かす中国製品の力は、例えとランプとて、彼の独断で対処
する事は難しいのです。

出来るだけアメリカの利益を損わない様に要請はしたとしても、強要する事は

両国の力関係に於いては得策とは言えないのです。
ならば、彼の今回の訪問は何かといえば、日米韓の様々な北朝鮮に対する処置は、
決して中国の不利益とならないと主張する事しかないのです。
つまり、北朝鮮に対する最大の貿易大国は中国であり、如何に日本やアメリカが
制裁処置を行ったとしても、中国が陰で輸出入を繰り返している限り効果は無く、
中国も連携して制裁に協力する確約を取りたいと思っているのです。

もし戦争となって、北朝鮮が負けたとすれば、北朝鮮と中国の国境にアメリカが
進出して来る事と成るのです。
この事は、ロシアにしても、同じ脅威を抱く事と成るのです。
北朝鮮の存在は、私達にとっては脅威ですが、中国やロシアにとっては、日本や
韓国の様に、自国を守る防波堤の役目を果たすのです。

中国やロシアにとっては、北朝鮮が戦争で負ける事は、自分達の国がアメリカの
軍事的脅威に直接さらされる事と成るのです。
今回のトランプ阿部会談で、一体何が話し合われたのかは、メディアからは十分に
知る事は出来ません。しかし、私達国民が知る事を許されない事も話し合われた事は
明らかであり、両国首脳の会談と言うのは極めて極秘性の高い物と言えるのです。

とは言え、先月の選挙も日米首脳会談も、国家的事業が行われたとはいえ、

この事で、私達国民に対する利益は、還元されて来るのでしょうか。
バブル崩壊以来、様々な政策が打ち出され、対外的にも日本が関わる様々な事業が
展開されていますが、いずれも、一部の方々の話で終わっていて、一向に
私達日本国民の生活が潤って来ないのは何故なのでしょう。

もはや、国民と言うのは、選挙の時の一票は持っていても、自分達の生活を

向上させる術を持ち合わせていないのかも知れません。
国の行事を牛耳っている方々の青写真の下、ただ、ひたすら汗を流し、
僅かな給料で日々耐えて行かなければならないのでしょうか。
この生活格差は年々酷くなって行く傾向が有り、管理する側とされる側は、
もはや、人間として平等とは言えない状態と成っているのです。

人としてお互いに助け合う社会より、争い競い合う事を推奨する社会は、

益々個人として孤立して行く事に成ってしまいます。
様々な社会問題が、人々の心の闇から生まれて来る事も多く、子供の頃から
外見的な豊かさしか心の基準を持てない、寂しい日本国民が増えています。
しかし、不満をお互いに話し合わない、自分の事しか考えられない人々は
管理者にとっては最適と言えます。

いわば、この社会は、上に立つ人に都合よく作られている社会と言えます。

しもべ達は、手と手を取り合うことなく、常に上を見て、まるで池のコイの様に
より美味しい餌が投げ込まれる事を望んでいます。
コイ達の未来は、餌を投げる人の胸三寸で決まるのです。
国民とリーダー達の差は、池の鯉と人間ほどにとんでもなく広がっているのです。

つまり、同じ人間ではなく、単に、この社会を維持するための働き手でしか

国民は見られていないのです。
その彼らが、時折示す、狭い池ではなく、広い川に放してあげると言う甘言が
選挙演説と言えます。しかし、終わって見れば、誰も、池の外には出られず、
ただ美味しい餌を待つだけの人生なのです。

この様な国家の仕組みは、太古の昔から続くものであり、人間として

この様な差別は有ってはならないと思う方も多いのですが、国家というものは、
この人間とコイの様な関係でなければなり立たないのも事実なのです。
もし、何処でも泳いでいける川にコイを放てば、自分達で餌をさがし、
主人の下にはいなくなってしまいます。

今の二極化が続く為には、何処にも逃げられない条件を与え続ける事なのです。

国民は、決して豊かにしてはならないのです。しかし、そう思っても、決して
口に出してはならず、目に見えないロープで首を絞めておかなければ
ならないのです。
私達日本人は、世界の発展途上国に比べて豊かな生活を送れる人が多いです。
しかし、豊かというのはあくまで表向きであり、誰もが、社会で決められた
様々なルールに拘束されています。

このルールは、人が生きて行く為の道徳的人間的なルールでは有りません。

この社会を作っている人に従う為のルールです。
従う事で、生きて行けるだけの生活費は稼げます。しかし、それ以上と成れば
必ず人と争い競争をして孤立して行かなければなりません。
今の世の中は、国民が共同して社会を変える様には作ってないのです。
国民一人一人が孤立する事で、人間としての不平不満が少なくなり、
国家転覆の脅威を免れるのです。

そんな中で行われた日米首脳会談。内容はともかく、どんなに報道されても

国民の心に伝わるものでは有りません。
つまり、餌を与える人間の考えを、コイは理解できない様になっているからです。
しかし、このまま、日本人の心のストレスが溜まり続けた時、いつの日か、
爆発するかも知れません。
温和で我慢強い日本人が切れた時、この時、国家の存在は無くなります。
自分達の作り出した社会と餌で誤魔化せきれなくなった時、
本当の日本社会が生まれるのかもしれません。



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