この世は、経済的なメリットがある事が最優先され、
いかなる手段を講じても、人は、利益を得る事に拘るようです。
何十億もの人類がひしめく地球に在って、自らの生活に於いて
如何に経済的に豊かであるかが、己の夢や要望を叶える事と成り
他人よりも高い地位や豊かな財産を持つことでしか、評価する事も
される事も出来ない、人は、やはり、思いやりや労りを持っては
幸せに近づけないと言えるのかもしれません。
私達は、小さい頃から父や母から、人として如何にあるべきかという
家庭教育を受けて育ちました。
学校に於いても、学問を身に付けるだけでなく、集団の中での、
様々な礼儀を習い、如何に社会で争うことなく楽しく生きて行くかを
習ったのです。
しかし、近年の世間や学校における人間教育は、余りにもずさんであり、
強調されるのは、如何により高い点数を獲得し、人よりも豊かな生活を
獲得するかと言う教育です。
人間的に問題が有っても、成績が高ければ高く評価され、この事は、
様々な試験を勝ち抜くにも有利であり、より高い地位と給料を得る会社に
努める事が出来る条件とも言えます。
この家庭や学校における教育方針が、様々な社会的問題を起こしていても
絶対的な日本の国益に反しなければ、というより、より経済的にプラスと成る
のであれば、人としての問題が有ろうが目をつぶると言うのが、
現代日本の社会に於ける実情と言えます。
そんな人を踏みつけ蹴落としても良しとする人が社会のリーダーと成れば、
当然、自分の利益しか考えないのですから、国民は幸せに成る事は難しいと
言えるのです。
より冷静に、人の苦しみなど何も感じず、ただひたすら欲望を貫くことを
信条とした人たちが増えてくれば、争いは生まれても、人間として成長した
心豊かな人々の住む社会は作られないのが当然と言えます。
自分が、自分の欲望を叶える事を目的として生きていれば、当然、周囲の他人も
同じような人が多いと言え、我が身を守る為には、アメリカの様に、銃の保持を
考えなければならないのでしょう。
多くの海外からの観光客の人達が日本を訪れて驚く事は、夜道を平気で
女、子供が歩いている事です。他人を見たら強盗か変質者としか考えない社会の人は
日本の様に安全な国を見ると、非常に驚くのです。
しかしながら、社会の安全を図るシステムは優れているとはいえ、日本の現状は、
決して国民が守られている状態とは言えないのです。
安心した未来を思う事も、日々の生活を送る事も、決して安易な事ではないのです。
本当に自分の日常と未来に不安を持っていない日本人は、ほんの一握りと言え、
殆どの国民が不安な毎日を送っていると言っても良いのです。
働いた以上の出費を求められ、生きる事で毎日の生活に追われている人達が
年々増えているのです。
自分の生活を守り、将来の生活を案ずる必要が無い様にするには、膨大なる資金が
必要なのです。
高齢者に対する国の様々な補助が有るにせよ、それは、誰にでもと言う訳でなく
やはり補助を受けれれるだけの生活基盤が無ければならず、やはりいつまでも
豊かな老後は送れないのが実情です。
しかしながら、今回の御令嬢とお爺ちゃん、いや、イヴァンカ氏とトランプ大統領の
接待に、安倍首相は、どれだけ多くの費用を使ったでしょう。
娘への57億円にもなる支援を二つ返事で行えば、大統領のご機嫌も良くなるでも
考えたのでしょうか。
しかしながら、実際にトランプ大統領が日本政府に要求した利益供与は、そんな
お年玉の様なものでは有りません。
直接日本経済に影響を与えるほどの物であり、さらには、日本がアメリカの盾に
なるべき多くの兵器購入です。
とは言え、日本政府のメディアを通した発表は、日本が置かれている危機に対する
アメリカの安全対策であり、条約に基づく北に対する防衛強化です。
より強力な制裁措置を講じ、更なる安全を図ると言う事を前面に出し
日本を北の脅威から守ると言う、日米の決意表明です。
しかし、この中身は何も伝わって来ません。
日本を守るにあたって、日本政府がアメリカから強要される様々な責任、更には、
日米の貿易摩擦を引き起こしている関税規制の撤廃など、アメリカのメリットに成る
様々な項目を認めさせようとしているのです。
アメリカ軍が日本に駐留しているだけで、私たち日本人は税金の中から、毎日、
イヴァンカ氏に出した金額以上が支払われている事を考えると、阿部首相にすれば
大した金額ではないのかもしれません。
しかし、この大判振る舞いが、日本国内の人々にされる事はまず有りません。
そう、庶民は、税金を納める方であって、豊かな生活を送る側では無いからです。
何十年も働いて、その中から年金を絞り出し、やっとのことで老後を送っていても
それは頑張って働いた事に依る報奨金では有りません。
いわば、国に預けておいた貯金を返してもらっているに過ぎないのです。
日本人の生活は、世界で一番やせ我慢の見た目の豊かさで作られていると言えます。
誰もが、先の見えない苦しさと、日々の生活に追われる事で疲れ果てているのです。
豊かな人々が創り上げた、消費せざるを得ない社会で、一生心に足かせを付けて
顔で笑って心で泣いているのが現代日本に生きる庶民の実態なのです。
人に会う時、海外の方と出会う時、外出する時、生活の実態とは裏腹の出で立ちと
目いっぱいの幸せ感を出しながら生きなければならないのです。
日本人は、人目を気にする人種です。お互いに相手の事を気にするだけでなく
自分がどの様に見られているかを気にする人種です。
その為、世間の常識にとらわれやすく、外見的に同じ様な生活様式をする事で
安心を得ようとします。
良いも悪も、極端に目立つことを嫌い、常に周囲を気遣って生活しています。
この事が、日本人の誠意と成って、海外の方から好感を受ける理由でも有るのですが、
誰もが、同じ様な生活レベルであれば良いのですが、生活が苦しくなったとしても
外見的には変わらない様に努めようとする為、中には、毎日生きる事さえ辛い人が
増えてくるのです。
人に知られず死んでいく高齢者であったり、苦しみを誰にも訴える事が出来ず
一家心中をしてしまう方々等、悲しい事件が非常に多くなっています。
この様な、ニュースになるようなことは少ないかもしれませんが、潜在的には
いつも安心と豊かさを共有している日本人は非常に少ないと言えるのです。
何故、日本人が何年経っても豊かにならないのか、見た目の発展だけで
満足させられているのか、やはりこの大きな原因は、私達を豊かにすべき人たちが
国民の事が全く解っていないと言えるのです。
自分達を豊かにしてくれる人や、守ってくれる人に対しては平気で無償の支援を
いとわず、守るべき国民をなおざりにしている事が国民を苦しませているのです。
確かに、日本を火の海にすると豪語する危険な国家から国を守る事も大切です。
しかし、その前に、自分達が行わなければならない事をなおざりにしておいて
週刊誌ネタに成っているだけでは、余りにも日本の代表としては情けないです。
日本人の殆どが、老後を心配しています。
例え、多くの収入を得て、経済的に豊かな老後が保証されている人たちでさえ
老後の人生に不安を覚えているのです。
いや、お金が沢山あれば幸せだろうと思うのは、経済性しか考えないで生きて来た
金欲物欲で頭が一杯の人達です。
高齢者は、豊かな生活が出来る方々ばかりではなく、様々な病気を抱えていたり
食べて行くのもやっとの生活の方も多く居るのです。
そんな中で、自分だけ豊かな生活をしている事に喜びを感じる人は少ないのです。
いるとすれば、よほど人間的に成長できなかった、残念な人生を送って来た
寂しい人達でしょう。
長い人生を送って来ると、誰もが、この国に生きてきてよかったと思いたいのです。
しかも、自分だけでなく、同じ世代の人達や仲間たちと共に共有したいのです。
しのぎを削って、競争社会で戦い続けた現役の事と違って、仕事をリタイアして
競う事をしなくなった人たちは、人間としての生きがいを感じたいのです。
しかし、日本のリーダー達は、そんな思いの彼らにも、所得差による差別を作り
死ぬまで人間としての優しさを抱くことを認めてくれません。
生まれてから死ぬまで、人の価値を経済的な豊かさの差として考える事は、
日本人にとって、決して好ましい生き方とは言えないのです。
アメリカ社会の追随は、豊かな経済社会を築くと言うのはまだ良いとして、
人間同士の関わり合いまで、同じような差別を生んで行く様では、
日本人の豊かな心が益々荒んでくると言えるのです。
今のままでは、経済的豊かさだけでなく、アメリカ社会の抱える苦悩の部分まで
受け継ぐことと成り、いずれ、誰もが、我が身を銃で守らなければならない
日本人が決して願わない社会と成ってしまうかもしれないのです。
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