羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

鞍馬苔から憶うこと多し

2011年09月06日 14時19分27秒 | Weblog
 野口先生の西巣鴨の庭は、飛び石の間にびっしりとクラマゴケが繁茂していた。見事な成長ぶりで、表面を手で触ったり、軽く押してみると、地面から5~6センチくらいの厚みがあって、その弾力は植物とは思えない力強さを感じさせてくれた。若草色に近い緑から、しっくりと深緑まで、色の濃淡が微妙に違って脇役を超えた存在感をみせていた。
 クラマゴケは「鞍馬苔」と書き、苔とはいえ、岩檜葉科の多年性常緑シダ植物なのだ。山林の陰地に生える。茎はとても長く叉状に伸びていく。地を這い、岩を登り、三十センチにも及ぶ。葉は鱗片状で、長楕円形のものは左右に並び、別に極めて小さい葉が茎の上面を二列に覆っている。そのためにふかふかした弾力が独特の触感を生み出している。主に作庭の際には、石や岩の周りに植えて緑を添えることで庭が自然な落ち着きを醸し出す。

 生前、先生のお宅から一握りの鞍馬苔をいただいてきた。薄い鉢に植えておくと短い時間で鉢一杯に殖えていく。六年前には一抱えもある大きな鉢に一杯になって、自宅の改築に当たって植物を預かってくれた松庵から、サジさんが車で我が家まで届けてくださった。道々、助手席においた鞍馬苔の鉢のなかでは、胞子が飛びはねて音まで聞こえた、と話しておられた。

 ところが数年前に猫が殆ど食べ尽くしてしまった。そこで残った鞍馬苔を大事に育て直し、とりわけ今年は北側の塀の脇に、幅40センチ、長さ138センチほどの空間をブロックで囲って、その土の上に鞍馬苔を少しずつ移植した。一日中太陽の光が射すわけではなく、山地の陰地とまではいかないが、湿っぽい空間で育てる事にしたのは6月頃の事だった。
 そして8月も無事に育って、全体の三分の二くらいの地面にふかふかとした株がいくつかのまとまりをみせている。
 最近では野良猫や飼い猫があまり入り込まなくなった。このまま順調に育ってくれたらいい、と祈っている。
 びっしりになりそうだったら、一部を鉢植えにしたい。
 飛び石を置ける庭があれば、所々に植えて繁茂させるといいのだけれど、残念至極。
「雨が降っても、小雨だったら水やりはするんだよ」
 実際に野口先生は、水やりを事欠かなかった。
 濡れた石と鞍馬苔は、その周りにおかれて幾種類もの植物と調和し、とりわけ岩檜葉との相性は素晴らしくよかった西巣鴨の野口庭はすでにない。サジさんが撮影した写真で忍ぶことができるのだが。
 
 さて、今月は彼岸月である。そろそろ月も秋色に染まり始める頃。
 大震災、大津波、原発事故から半年を迎え、鬼籍に入った方々を忍び、災害で命を落とされた方々の冥福をしずかに祈りたいと思っている。
 鞍馬苔から先生の庭を想いつつ。

 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

震度7を体験

2011年09月05日 14時37分16秒 | Weblog
 駅前の広場で防災に関するイベントが行われている。
 震度体験ができるトラックがまず、目に入った。ここでは4名が同時に体験できるということで、待つこと数分、一人、二人と集まって、30代くらいの男性3名といっしょに乗り込むことになった。
 靴を脱いで上がり、用意されているテーブルの下に頭を保護するように、正座で潜り丸くなる。そしてそしてテーブルの脚につかまって準備する。
 最初は震度5で、これは3月に体験しているだけに、余裕だった。
 次に震度7の10秒間は長く感じた。これが突然にやってきたら、恐怖感は相当なものだ!階段で遭遇したら転げ落ちる可能性もある、と思った。地震ではないとわかっているので、丸くなりながら力を抜いて10秒をこらえていた。しかし、実際の地震ではこんなわけにはいかないだろう、と想像がついただけでも体験してよかった。とにかくどこかつかまるところがないと不安でしかたがない。
 地面に降り立ってからも、少しの時間だがからだのなかに揺れが残っていた。

 それから「防災スタンプラリーカード」というA4の紙を渡された。
 体験した後だけに、素直にコーナーを回る気になった。
 警察署・消防署・自衛隊・東京ガス・NTT東日本・水道局・耐震診断相談、そして最後に輪投げ。
 各コーナーで問題を解いてスタンプを押してもらうとお土産がもらえる。
 
 自宅に帰って中身をテーブルの上に並べてみた。
「オーッ」
 薄手だが滑り止めがついていて使いやすそうな軍手、ウェットティシュー、給水の時に便利な背負える3ℓポリ袋、熱湯15分・水では60分で食べられるアルファ米、伝言ダイヤル「171」が印刷されたしっかりした綿袋、絆創膏、テッシュ、東京水、防災用クラッカー、それらが全部おさまるとじ口つきポリ袋、その他防災の心得等々。
「役立つ物ばかりもらってきたわね」
 母は、嬉しそうに自ら品物を点検し袋に入れて、そそくさと玄関近くに袋を置きにいった!

 9月25日には、近くの小学校で防災訓練がある。今年は参加してみようと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Dropbox

2011年09月03日 08時43分58秒 | Weblog
 今、使っているMoile meはiCloudに移行し、その中のiDiskは使えなくなると聞いたことは前のブログにも書いた。そこですすめられたのがDropboxだった。世界のどこにいてもフォルダを開いて呼び出せる機能らしい。
 現在、Scanして保存している資料は、iDiskのなかのDocumentsにも保存している。それがつかえなくなるということは、バックアップがなくなるのだ。
 今朝、さっそくDropboxをダウンロードした。2GBまでは無料だ。しかし、これから資料が増える事を見越して有料に契約をした。

 で、デスクトップ上で開けるようにして、フォルダを移行したら、そっくり入ってしまって、いままでの位置から消えてしまった。それがなんだが不安になって、何度も行ったり来たりしてみた。
 大丈夫だ、とおもうのだが、今のところ戻したままになっている。もう一度、Dropboxにうつしてみよう、とおもっているが、いまいち不安だ。
 なぜって、昨日、このサービスのことをサジさんに電話で話をした。ご友人の写真家が、ご自身の写真をすべてここに同期したそうだ。終了するまでになんと一日かかったとか。でも、私の資料はファイルをひらいてそのまま移動するだけで、カチャという音がするだけで移行している。それが不安に駆られる理由だ。

 とにかく支払い金額もドルで表示されている。アメリカの会社らしいこともあって、Web上だけでおこなう操作は、いまだに落ち着かない。しかし、乗ったからにはやるしかあるまい、とすでに清水の舞台からは飛び降りているのだから!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

電車で席を譲られなくなった

2011年09月02日 08時18分39秒 | Weblog
 先週の土曜日のことだ。朝日カルチャーのレッスンを終えて、いつも通り新宿駅から電車に乗った。
 この時間帯は、ラッシュ時とは比較にならないが、たいていいつも込み合っている。数年前から、座席の前のつり革につかまると、殆どの場合席を譲られるようになっていた。始めての時には、ハッとしたことを未だに記憶にとどめている。最近では譲られることが当たり前になっていた。
 ところがである。私の顔をみてもだれも席を立ってくれなかった。毎週、発車する電車を見送ってくれるMさんが窓の向こうから笑いをこらえているのが、はっきりと見えた。
 つまり、8月中旬からためしにやりはじめて、その前日にやったことの結果だった。
 母の染髪用のヘアダイを買いに行った際気づいた品物があった。それは「白髪ぼかし」という名称の染髪剤だった。
「最初は控えめにお試しください」
 そういわれてパンフレットをもらい、とりあえず一押しのナチュラルな色ものを求めてきた。
 始める前にもらってきたパンフレットを読むと理容院用、つまり男性向き用だった。
《白髪あるのは自然さりげなく見せたい》とある。目立ちすぎる白髪を、自然にぼかして少しずつ目立たないようにするのが目的らしい。
 なんと放置時間は3分~5分で、全体に10分で仕上げるというもの。
 一回目は殆ど変化なしに仕上がった。
 ところが二回目は、二回目ということもあって、たった2分で相当程度染まったのが先週の金曜日のことだった。
 さすが理容美容院専門の問屋さんだけあって、同時購入したシャンプーやリンスなどもよい物だった。
 かくして新しい染髪が、男性を中心に求められ、それに対応する製品が作られていることを知った。

 さて、その結果いろいろなことが起こった。ひとつ、ふたつ、書いておきたい。
 まず、最近知り合いになった若い人が垣根を取り払って、話しかけてくれるようになった。これまではなんとなくお年寄りというスタンスで距離をとっていたことに、気づかされた。そうだったのか。
 もう一つは、すれ違う時に言葉もなく挨拶をする程度の町内会の世話役女性に道で声をかけられた。そして「防災訓練に参加してほしい」と、わざわざ戻ってきて伝えられた。実は、この町内に住む女性で染髪をしていなかったのは私ともう一人筋向かいの女性だけだった。ふたりとも少々変わり者に見られていたのかな。それが髪の色が変わっただけで、誘われるようになったのだ。そんなもんなのね!
 向こう三軒両隣は、普通に良好なおつきあいがあったが、ちょっと離れて会話をする機会をもたない人は、警戒心が先に立つのかもしれない、と得心した。

 歌は代につれ代は歌につれ、というけれど、ま黒黒の髪ではなく《ほんのりぼかしキラッと光るのを抑えて、黒髪になじませる》パンフレットより。
 そんな美意識もありっていう時代になったのね。
 
 それにしても席が譲られなくなるなんて、予想だにしなかった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

iBooks iCloud  そのほか

2011年09月02日 07時19分21秒 | Weblog
 昨日で資料整理の方向が見えた。iBooksは、基本的にstoreで購入した書籍や雑誌用の本棚である、ということ。その事を認識していなかった。PDFという表示があったからだが、いずれにしても容量の問題だ。
 今、1979年で止めておいてよかった。クラウドの使い勝手がみえてきたところで、今後のバックアップを考える事にした。
 必要な情報をその都度iPadには同期して、できるだけ軽くしておくことにしよう。
 この件は半分落着というところだ。学割がきくうちにMac BookかMac Book Airか検討してみた方がよいかもしれない。

 上の件とはまったく関係ないことだが、母の介護保険利用の要介護度のこと。おそらく引き下げられそうだ。今週始めに医者の訪問を受けて、そんな気配を感じた。同居している私でも年相応の衰えがすすんでいることがわかるのだが、常用している薬もなく、日常生活の介助は、今のところ私で出来る範囲でおさまっていることが理由だ。医者を送り出す時に「先生にお世話をおかけするのは、これからですわ」と言う母だった。事に応じて柔軟性をもって対応することにした。毒舌が聞かれなくなったことが寂しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりのApple Ginzaで、「パソコンは死なず!」

2011年09月01日 19時22分33秒 | Weblog
 3・11の大震災の日は、自宅にいてパソコンで仕事をしていた。
 その日、もし外出していたら、私も帰宅困難者の一人となっていただろう。
 数日後には、Apple Ginzaで「One to One」の予約がしてあった。これは一年間有効で、無料で教えてくれるサービスである。さすがに銀座へ出るのが怖くて、その日はキャンセルさせてもらった。

 今日はAdapterを買いに銀座まで出る事になったので、この予約をとって、いくつかの問題を解決してもらおうと思った。

 Keynoteでつくったプレゼンを、大きなスクリーンに映し出すときに、プロジェクターに接続する方法をきいた。
 他にはiBooksに同期した資料のうち、なぜか画面が真っ暗になってしまう原因と対処法を教えてもらった。これまでにScanしPDF化したものが重すぎたようだった。結局、iPadのボタンをダブルタップして下にずらりと並んだアプリのうち一つを長押しして、それぞれの「-」をどんどん消して終了させ、一旦、システム終了をかけ、再び起動させると読めなかった資料も読めるようになる、と教えられた。この操作は初歩的なことだとインストラクター氏はおっしゃる。たいていの問題はここにあるとか。
 その操作を行うとあっけなく問題解決した。

 自宅のパソコンのデータのバックアップに、iPadとiPhoneに同期していたのだが、それにも限界がありそうだ。今秋iCloudになるとPDF情報は保存できそうにない事も知った。Dropboxというクラウド・サービスを教えられた。
 また、これ以上PDF情報が増えて来るとさすがに重すぎるかもしれない。

 もうひとつの問題は、プロジェクターに接続したiPadをリモコンで操作できないか、という質問だった。
 これは、まったく愚問だった。iPadは画面にタッチして操作するもので、iMacのようにコードレスマウス使用ではない、ということだ。ついiPad4やiPad5になってもダメなんですね?などと聞いてしまったことへの答えだった。つまり、iPadはとても重宝なんだけれどそれなりの限界がある、というかまったく機器のコンセプトが違うという事なのだ。
 結局、すすめられたのはMac Book Airだった。ムムムムッ!!

 いよいよ9月。授業の準備をはじめた。
 本日の実感。
 どんなにiPadやiPhoneが便利でも、まだまだ「パソコンは死なず!」でありまーす。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする