羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

電車で席を譲られなくなった

2011年09月02日 08時18分39秒 | Weblog
 先週の土曜日のことだ。朝日カルチャーのレッスンを終えて、いつも通り新宿駅から電車に乗った。
 この時間帯は、ラッシュ時とは比較にならないが、たいていいつも込み合っている。数年前から、座席の前のつり革につかまると、殆どの場合席を譲られるようになっていた。始めての時には、ハッとしたことを未だに記憶にとどめている。最近では譲られることが当たり前になっていた。
 ところがである。私の顔をみてもだれも席を立ってくれなかった。毎週、発車する電車を見送ってくれるMさんが窓の向こうから笑いをこらえているのが、はっきりと見えた。
 つまり、8月中旬からためしにやりはじめて、その前日にやったことの結果だった。
 母の染髪用のヘアダイを買いに行った際気づいた品物があった。それは「白髪ぼかし」という名称の染髪剤だった。
「最初は控えめにお試しください」
 そういわれてパンフレットをもらい、とりあえず一押しのナチュラルな色ものを求めてきた。
 始める前にもらってきたパンフレットを読むと理容院用、つまり男性向き用だった。
《白髪あるのは自然さりげなく見せたい》とある。目立ちすぎる白髪を、自然にぼかして少しずつ目立たないようにするのが目的らしい。
 なんと放置時間は3分~5分で、全体に10分で仕上げるというもの。
 一回目は殆ど変化なしに仕上がった。
 ところが二回目は、二回目ということもあって、たった2分で相当程度染まったのが先週の金曜日のことだった。
 さすが理容美容院専門の問屋さんだけあって、同時購入したシャンプーやリンスなどもよい物だった。
 かくして新しい染髪が、男性を中心に求められ、それに対応する製品が作られていることを知った。

 さて、その結果いろいろなことが起こった。ひとつ、ふたつ、書いておきたい。
 まず、最近知り合いになった若い人が垣根を取り払って、話しかけてくれるようになった。これまではなんとなくお年寄りというスタンスで距離をとっていたことに、気づかされた。そうだったのか。
 もう一つは、すれ違う時に言葉もなく挨拶をする程度の町内会の世話役女性に道で声をかけられた。そして「防災訓練に参加してほしい」と、わざわざ戻ってきて伝えられた。実は、この町内に住む女性で染髪をしていなかったのは私ともう一人筋向かいの女性だけだった。ふたりとも少々変わり者に見られていたのかな。それが髪の色が変わっただけで、誘われるようになったのだ。そんなもんなのね!
 向こう三軒両隣は、普通に良好なおつきあいがあったが、ちょっと離れて会話をする機会をもたない人は、警戒心が先に立つのかもしれない、と得心した。

 歌は代につれ代は歌につれ、というけれど、ま黒黒の髪ではなく《ほんのりぼかしキラッと光るのを抑えて、黒髪になじませる》パンフレットより。
 そんな美意識もありっていう時代になったのね。
 
 それにしても席が譲られなくなるなんて、予想だにしなかった。
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2 コメント

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Unknown (kei)
2011-09-03 13:50:27
私なぞ~
着物着ていて、電車に乗っていると、とても紳士てきに、席をゆずられます。
洋服のときには、あまりありませんー

でも、このごろ、皆、譲り方がうまくなっていると思います。
なるべくさりげなく、何となく、自然にー
と、やっと素直に、「ありがとうございます」と言えるようになりました・・・

でも、まだ、譲るほうが多いかな~

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keiさbん (羽鳥)
2011-09-04 08:41:54
和服姿の方は、滅多に見かけなくなりましたね。
まぁ、ようございます。
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