羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

クラスの個性

2006年02月07日 14時06分19秒 | Weblog
 1月期から始まった朝日カルチャーセンターのレッスンは、ちょうど一ヶ月が終わって、新しい月に入った。土曜日は、毎週。火曜日も毎週。日曜日が隔週。本を読む講座が一月に一回。なかなかに充実している。そしてそれぞれのクラスが特化してきた。

 つくづく思うことだが、野口体操という基本は変わらないのに、そこに集ってくださるメンバーによって、雰囲気だけでなく、伝え方まで異なってくるから不思議だ。そこが野口体操の面白いところだと思う。

 野口先生が芸大の授業をなさっているとき、その年によって、よく伝わるクラスとそうでないクラスがあって、予想はつかないと言っておられた。声楽専攻の学生が多いクラス、管楽器専攻の学生の多いクラス、とにかく専攻楽器によって、それぞれのクラスの構成員によって、特徴がでてくるそうだ。美術学部になると、もっと多様性があるらしい。

 野口先生は、そのクラスに気に入った学生を必ず見つける。すると、うまく運ばないクラスでも、焦点が定まって、伝えることが楽になると語っておられた。その背景には、野口体操と野口三千三の個性に対して好き嫌いが二分することがあったようだ。
「これぞ大学の授業だ」という学生と「何でこんなことをさせられるのか」という学生と、「野口先生、好き」という学生と「大嫌い」という学生がいるそうだった。

 先生の没後、ホームグランドの朝日カルチャー、大学、そのほか企業、等々、さまざまなところで野口体操をお伝えしてきたが、まったく同じことはなかった。

 例年にない寒い今年の冬も、皆さんお休みもなく出席してくださっている。手ごたえのある時間をいただいている。
 それにしても一昔どころではない、2・3年前から比べても、「健康」「からだ」「こころ」「うごき」「力を抜くことの意味」、そういったことに対して、意識が変化してきていることを実感している。学生から、ご年配の方まで共通していることが、これまた不思議なのだ。

 先生がご存命中、野口体操を理解してもらうのは、大変だった時期が長かった。
「体に染み付いた先入観を壊すことや意識を変えてもらうのに、レッスンの大半のエネルギーがいるみたい」
 そう語ることが多い先生だった。

 今、私は、一つのハードルを超えた方々と出会えていると思っている。相当に、意識が変わっている。先生のご苦労を知っているだけに、時代の流れのエネルギーということの凄さを実感している。
 それぞれのクラスが人間関係も含めて、いい雰囲気になってくれたことをそのまま育てて生きたいと思っている。まったく教えることは、学ぶこととはよく言ったものだ。

 今日も無事に、火曜日のクラスが終わった。
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