羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

漢字字源書籍4冊のもつそれぞれの味わい

2018年05月07日 17時37分24秒 | Weblog
 野口体操を始めた1970年代「私は甲骨病だ!」とおっしゃりながら、漢字の字源や和語の語源についてあつく語る野口三千三に出会った。
 体操のレッスンなのだが、言葉の話に魅了された私は、白川静を中心とした書籍を集め調べ始めた。

 それからほぼ40数年が過ぎた。 
 振り返ると、野口没後の20年間は、以前のように熱心に調べることから離れていた。

 訳あって今年4月・新学期からレッスンや大学の授業で、少しずつ漢字の字源をテーマにするようになった。

 昨日の朝日カルチャーのレッスンに久しぶりに参加されたMさんが、私が持参した本を写真に撮ってFBにアップされていた。
 持っていく本を選んだ基準は、日本人による日本語・中国人による中国語・ドイツ人による日本語からの英訳、それぞれの本から受ける印象によって、「漢字文化」を作り上げる質の違いを感じていただく意図があった。

 4月期には、同義連言として「如意」「忖度」を取り上げ、昨日は「一系の文字」として「兄」「祝」「呪」を取り上げた。

 偶然「幸」の字源を見つけて、その意味の深さに、愕然としながらも意味の深さに驚きを持ったMさんは、すっかり字源探検の世界に魅了された。
 かつての私の姿を見るようであった。

 持参した本は4冊

 1、『漢字の世界』白川静 東洋文庫 昭和51(1976)年 平凡社 
 2、『文字源流淺説』釋例篇 1979年 北京人民印刷局 (神保町 すずらん通り 東方書店)
 3、『常用字解』白川静 平凡社 2003年 
 4、『The Keys To The Chinese Characters』白川静 Translation And Introduction Christoph Schmitz』平凡社 2017年4月10日 自費出版 Amazon,com

 4冊、それぞれの顔、表情、色合、雰囲気がある。
 とりわけ「文字源流浅説」は、中国の方でなければ描けない「絵→絵文字→甲骨文字→金文・・・・」を見ているだけで、中国古代世界が感じられ説得力に虜になる。
 宗教に関連する文字、人体に関連する文字、極め付けは刑罰に関する文字の迫力は生々しく、おどろおどろしい。

 違った意味で『常用字解』を英訳したドイツ人のシュミッツさんの翻訳に敬意とともに感謝の念を覚えるのである。むしろただならぬ執念が見て取れる。

 こうして、野口没後20年、野口体操を味わい・楽しみ尽くしたい、と改めて思っている。
 
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