羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

ヘルメット

2005年10月30日 10時26分34秒 | Weblog
「アッ、アレ。。。。。何?!」
 ドアをあけると、若者たちがの熱気、ぶわ~っと音をたて、束になって迫ってきた。
 
 一瞬、たじろいで、部屋に入るべきか否か、迷ってしまった。
 鼻から空気を吸って、口から吐く。2・3回繰り返すうちに、遠慮せずに入る気になった。いや、遠慮することはない。
 
 はじめは、目の前に繰り広げられている光景が、何が何だか、理解が伴わなかった。
 気がつくと、小さく音楽が鳴っている。彼らの心遣いだ。
 男子学生が6・7名。女子学生は10数名だろうか。正確な人数は数えならない。目の前がちらちらするばかりであった。
 男女は二手に分かれているらしい。
 
 3限目の授業の前は、お昼休みである。
 彼らはその時間内に、ダンスの練習をしていたのだった。
 多目的教室の床は、とても気持ちのいいフローリングである。ちょうどよく滑る。ということはちょうどよい摩擦があるのだ。
 ここで、私は、野口体操の授業をおこなっている。

「1時になったら、止めてくださいね」
「はい」
 学生は素直に返事をする。返事をするだけでなく、ピタリと1時には解散していく。

 彼らが踊っているダンスは「ストリート・ダンス」であるという。
「この音楽って、ヒップポップ系っていうの?」
「そうです。近々、大会があるんです」
「それで熱がはいっているわけね」
「ハイッ」
 弾んだ声がかえってきた。
 
 それから、ずっと、授業が始まる前に、このダンス練習を見学させてもらっている。
 回を重ねるうちに、女子学生のなかからリーダー的な存在がでてきて、振り付けをしている。私も後ろに入って、踊りを試してみた。いやはや、リズムに乗れないことといったらない。
 
 最近では、十数名の女子学生の動きもなかなか様になってきた。
 一方、男子学生はというと、まったく驚きの世界だ。
 動きは激しい。飛んだり、跳ねたり、ぐるぐる回ったり。回るといっても足だけではなく、肩や腰やからだのあらゆるところを土台にして回りながら逆立ちに入る。飛び上がって、足を前後に開いて床に着地する。片手逆立ちをしながら腕でジャンプをする。エトセトラ。
 
 何回か、見ているうちに、目が動きを捉えられるようになった。気がつくと、白いヘルメットをかぶっている学生がいちばん激しいダンス? を繰り広げていたのだ。
「大会は、路上でするの?。。。。。」
「いえ、この部屋のような、フローリングです」
 ちょっと安心。
「本番は、ヘルメットどうするの?」
「えー、本番もヘルメット、かぶってます」
 とても安心した。

 
「どうも、阿波踊りに、似ていないか?。。。。。。。。。」と、最初に感じた理由が見えてきたのは、見学を始めて、何回目かの日のこと。そのとき思わず
「そうだ」と、膝を打った。
「阿波踊りも、男女別れて踊っているじゃない。女性はまとまって集団演技。男性はとても自由に個性的に踊ってる」
「つまり、洋の東西を問わず、ストリート・ダンスというものの共通点を見ているようだわ」

 今週も、彼らは集まってくるのかしら。。。。かすかな期待!
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