羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

訃報

2021年01月02日 13時36分54秒 | Weblog

 突然ではありますが、訃報をお伝えします。

 去る12月19日未明のこと、5年近くのがん闘病中であった佐治嘉隆さんが74年の生涯を閉じられました。ご自宅で、ご家族の方々に見守られて、静かなご最期を迎えられたと伺っています。

 コロナ禍の状況をお考えになったご遺族のご意向を大切にして、お通夜・告別式を終えてのご報告とさせていただきます。

 さて、話は1988年に遡ります。当時、野口三千三先生は、仲間内で写真や動画を撮ることを頑に拒んでおられました。ある日、佐治さんが試みに撮影した先生ご自身のビデオ映像をご覧になりました。すかさずきっぱりした声で「お願いします」と一言。それから「野口三千三授業記録の会」の活動が始まりました。先生が亡くなるまでの10年間に、写真・動画、書籍、冊子、ポストカード等々、数多くの記録や作品が、野口三千三・野口体操の宝物として残されました。

 現在、先生没後に「野口体操の会」として活動を行っていくことができるのは、ひとえに写真家・佐治嘉隆さんのお力によります。

「ありがとう」野口先生の声が、泉下からも聞こえてきます。

 

 佐治さんには、「野口体操公式ホームページ」にも関わっていただきました。23年間、管理されていたホームページについて話したいと、ご自宅に呼ばれました。体調のすぐれない中でも、今後を案じて継続する方策を考えておられました。“よい方法はないものか”と思案した結果、実弟の良太郎さんのお力添えを受けて、一旦は羽鳥が引き受けることにしました。先日、その作業を無事に終えて、お通夜の折に、御霊にご報告することができました。佐治さん渾身のホームページは野口体操のもう一つの貴重な宝物になりました。

 

 年が明けて、“ブログ「芭璃庵」を更新しました”とのご連絡をいただきました。《芭璃庵を訪てれいただいた方々へ》と題されて、ご家族の感謝の言葉と故人を偲ぶ写真が最後となりました。

 確かな審美眼と深い洞察に支えられ、自然の美しさと多様性を伝える写真が掲載されていた「芭璃庵」。このブログに写真が増えることがないと思うと、悲しいです。残念です。

 精神的にもしっかり支えてくださった佐治さんを失って途方にくれています。

 ほんの2ヶ月半前の9月まで、朝日カルチャー教室に通われて、穏やかに優しく接してくださったことが最後の思い出となりました。

 今は、ただ、心からのご冥福をお祈りするばかりです。

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