羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

4/14日経「シニア記者がつくるこころのページ」と4/15朝日新聞「ニュースの本棚」

2012年04月15日 09時31分06秒 | Weblog
 昨日の朝日カルチャーセンター「野口体操講座」土曜日クラスでは、再び『生物学的文明論』本川達雄著 新潮新書423を紹介した。著者が提唱する「時間環境」を生物としてのからだに合わせる事の大切さを、野口体操の立場からも支持したいことをテーマの一つとして取り上げた。
 帰宅して日経新聞夕刊「シニア記者がつくるこころのページ」に、著者紹介記事が載っていた。
《省エネ型の生活が社会を永続させる鍵である。シニア世代は利己主義を捨てて利他の生き方をしてほしい。企業社会の時間環境を生活に持ち込まない》等々、本の内容とリンクさせたインタビュー記事だった。
 著者は、ここでも「人間の生物としての時間環境」と合理的且つ効率的に仕事をこなし「納期にきっちり合わせるための企業時間環境」が、合わなくなっているところから、さまざまなストレスが生み出されようになって久しい、と指摘する。

 さらに示唆に富む言葉を発している。
『これまで日本人はより速くより長生きにという時間の欲望を満たすため、膨大なエネルギーを使ってきた』
 しかし、その時間環境を今一度見直す時が来た、というわけだ。
 おそらくそのきっかけとなったことは、3・11の大震災と原発事故によるエネルギー問題だ、ということは誰でもが実感として得ていることだと思う。

 で、本日、朝日新聞朝刊「ニュースの本棚」『日本型福祉の終わり「家族の革命」がすすんでいる』大野更紗(作家)の本紹介記事は、本川氏の主張とリンクさせて読むと現代日本が抱える問題がより鮮明になって来る。
 ここでは三冊の本が挙げられている。まだ、読んでいないのでこれから書店に出かけようと思っている。
 この記事を読むだけでも、考える資料となってくるだろう。
 大雑把にまとめると、これら三冊の本は、「家庭内福祉」「企業福祉」の瓦解は指摘され、日本型福祉はとっくに期限切れを起こしている。少子化と超高齢化社会が抱える今とこれからの問題を考え、厄介な先行きへの対応に重要なヒントを示してくれる、とあった。
 
 読まなければなるまい!と、その気を起こさせてくれる記事のなかで、膝を打った言葉は『今日「家族革命」が進行している。「核家族」は「典型」ではなくなる。「核家族」というユニットの維持に必要な費用を一人で稼げる男性は、残念ながら、もうそう多くはいない』である。
 とすれば女性がどのように生きるのか、ということがまっさきに問題として浮上するはずだ。
 
 記事全体から読み取れることは、現在、既に、問題が表面化している女性の“仕事と家庭、子育て、高齢者の介護問題”が、健全な社会と健全な経済活動を維持するために重要な鍵となり、この点で失敗すると日本社会そのものが崩壊することを強く示唆していることだった。
 もう一つは雇用と貧困問題だ。

 とにかく、生物としての人間から文明を見直すことと、現代進行形の日本社会の有り様をしっかり見届けることは両輪となる。 
 野口体操のこれからを考えている私には、この二つの記事を読み合わせることは、大事なことだ!とすっかり覚醒させてもらった朝だった。
 本屋に行こう。
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