昨日、ロシア語通訳者の上世博及氏が、拙宅にお越しくださった。
先日のセルゲイ、ガリーナ両氏のインタビュー・テープ録音を聞きながら、私の疑問に答え、補足をしてくださった。
一人で話を伺うのでは、勿体無いことこの上ない。
「野口三千三伝」の演劇編に取りかかっているのだけれど、今まで考えてもいなかったこと、当然考えておかなければいけないこと等、いくつも気付かせてもらった。
何よりも、ロシア演劇教育の真髄は、私の想像を超えていた。
特筆すべきは、初歩的な質問にも丁寧に噛み砕いてお話いただいた!
一つだけ書き留めておくと、劇作家の創作ノートを紐解くことは極めて重要だと言うこと。
今回の場合は、「野口三千三の恋文」で描き出した『夕鶴』、木下順二の作品が生まれる以前のエモーション・動機、作家の内側に宿る書くことへの大元(種)を探ることの大切さ。そこを辿る行為は、そのままスタにスラフスキーシステムを具体的に実践することでもある、と。
ロシア演劇の事情にも精通し、深い関わりを持ち、その中で生き続けている上世さんの経験にしっかり裏付けされた言葉は、一言一言に生き生きした命が宿っていて、ロシア芸術の扉の前まで道案内していただけたような気持ちさえしている。
ありがとうございます。
この場を借りてお礼を・・・・。
またの機会を、いただけますように。
その時には、「三千三伝」をもっと精緻(?)に書きすすめておかなければ。
野口体操ファーストを生きて、75歳を前にこうした出会いにめぐまれる幸せを噛み締めている。